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● ポスティングは、とってもグー! |
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10日ほど前のことになるが、ポスティングをした。
3500軒の家のポストに印刷物を配布したのである。 これは、疲れる。 しかも、ただ働きだから、なおさら疲れる。
2月の終わりに、ここ3年、毎年請け負っていた塾の広告の仕事をいただいた。 これは、新年度の生徒を募集する広告である。 いつも、6万1千部印刷して、そのうちの5万部は新聞折り込みに入れ、残りをポスティングする仕事だった。
3年連続の仕事なので、段取りは把握している。 デザインも基本的に同じである。 新聞折り込みを頼む業者もいつも通りだ。 だから、簡単に終わると思っていた。
しかし、ポスティング業者が、突然単価の値上げを言い出す、という予想外の出来事があった。 私の場合、ポスティングに関しての儲けは、まったく取らない。 業者の言い値通りの請求額をクライアントに請求するだけである。
業者の請求額に、少し上乗せしてクライアントに請求するのが常識的な商売だとは思うのだが、「自分が汗一つかかない仕事に対して対価を得るのは、どうもね」という変な主義に凝り固まっているから、私はこの部分での儲けは取らない(だから、いつも貧乏なのです)。
今回仕事を請けるに当たって、前回と同じ単価で見積書を出したから、業者の値上げ分は、私が被ることになる。 しかし、いくらお人好しの私でも、それは絶対に嫌だ! だから、ポスティング業者を変えた。
しかし、これが、間違いのもとだった。 新しい業者は、設立2年。 付き合いのあった業者は、設立20年以上。 この違いは、大きかった。
1万1千部を2日間で配ってもらった。 よし、予定通りだ! と安心した。
ただ頼みっぱなしでは、無責任なので、この仕事では、いつも独自にモニター調査をすることにしていた。 配り終わった後に、信頼できる女性に、配ったエリアの200軒を抽出して、本当に配られたかどうかを聞き回ってもらうのである。
過去3年間のモニター調査の平均は、配布率80パーセントを超えていた。 これは、常識的な数字である。 配られていないという家庭でも、「もしかしたら配られていたかもしれないけど、捨てたかも」という人が5パーセント以上はいたから、かなり高度な配布率を維持していたと思う。
しかし、今回の配布率は、なんと45パーセント! あり得ない数字である。
同じ条件で、同じ調査員が調査をして、半分程度の配布率しかなかったのだ。 しかも、配布エリアを7つのブロックにわけて配布してもらったのだが、そのうちの2つのブロックの配布率が、25パーセントという驚くべき低さだった。 他のブロックは、70パーセント近い配布率があった。
この結果から導き出される答えは、おそらく一つしかない。 つまり、この2つのブロックを配布した人は同一人物で、何らかの事情で手を抜いたことが想像できる。 細かい事情はわからないが、この地域だけが突出して配布率が低いのだから、これは仕事を依頼した当方としては、抗議するのが当然の行為だと思う。
そこで、聞いてみた。
ここだけ、配布率が低いんですが・・・・・。
しかし、相手は露骨に眉をひそめて、「配りましたよ」と開き直るのである。
でも、モニター調査の結果を見るとですね・・・。
「その調査は、信頼できるんですか!」
過去3年の結果は、信頼できるものでした。
「でも、うちだって信頼できますよ!」
調査はしてるんですか?
「配り終わったところを塗りつぶした地図があります」
それは、配布員が自分で付けるんですよね?
「当たり前です。彼らが独自の責任において、処理しています」
会社側は、それを確認しないんですか?
「当方は、配布員を信頼しておりますので」
しかし、信頼というのは、確かな裏付けがあってこその信頼なのでは?
「信頼がなければ、この仕事はやっていけませんよ!」
配布員を信じるというのは当然でしょうが、確実に配布されたというのを確認するのは、とても大事なことだと思うんですが?
「地図を赤く塗りつぶしたところは、確実に配っているんですよ! 配ったから塗りつぶしたんです。それは、配布前にくどいくらい注意しました!」
話が、まったく噛み合わない。 人を信頼するのは、人間関係を構築する上で大変重要なことだが、ビジネスでは、それ以上のものを求められるはずである。 そうしないと、馴れ合いで終わってしまう。
その後、相手から渋々という形で「それでは、当社でも独自の調査をしますが、その結果、そちらとまったく違う結果が出る場合もありますので、ご了承ください」と、いかにも誠意のない提案をされたが、この提案を受けた時点で、私はこの会社には、まったく期待をしなくなった。 政治家の答弁と同じ匂いを感じ取ったからである。 (ただ、この場合、私の話の進め方が稚拙だったので、相手がへそを曲げたと捉えることもできるし、当方の調査が100パーセント正しいとは断言できないという事情もある)
そこで、配布率の低い2つのブロックだけ、私が再配布することにした。 約3500軒。 3500部、新たに印刷を頼んだ。 当然のことながら、これは、完全な自腹である。
そして、配布(ただ働き)。 簡単かと思ったが、一人で隅から隅まで回るのは、素人には、かなり過酷な作業だと思い知らされた。 1日でできるかと思ったが、朝の8時から夜の8時まで配っても、1500部がやっとという現実。 これでは、埒があかないと思って、次の日は朝の6時から配り始めたが、配布が完了したのが、夜の10時。
ほとんどノンストップで16時間配りまくったから、足は痛いし、腕も痛い。腹は減る。 配り終わって、帰り道。 コンビニでビールとおでんを買って、公園のベンチに座って、おでんに食らいつき、ビールを呷った。
公園の桜は、ほぼ満開。思いがけない夜桜見物。 風情はあるが、正直そんな余裕はない。心が痛い。体も痛い。
ポスティングが、こんなに大変だとは思わなかった。 今までは、郵便受けに訳のわからないチラシが入っていた場合は、即ゴミ箱行きだった。 しかし、これほどの苦労をして配っていただいた広告をおろそかにするなど、神を冒涜する行為であると、深く思い知った。
だから、これからは、広告はすべて丁寧に見ることを決意した。
ポスティング業者の皆様。 あなたたちが、日本の広告を支えているのです。
これからも頑張って下さい!
私は、この地球が存在する限り、あなたたちの味方です(何のこっちゃ!)。
★頑張る人は、CG「待ち合わせ」。
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2008/04/08 AM 07:06:55 |
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