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● G4でYouTube? |
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私は、流行に背を向ける人間である。
流行は、いつか必ず廃(すた)るもの。 みんなが同じ方向を向くなんて、まるで南極のペンギンの日向ぼっこじゃないか。 しかし、ペンギンは、必要性があるから同じ方向を向いているのであって、ただみんなと同じことをしないと落ち着かないから、という理由で同じ方向を向いているわけではない。 だから、ペンギンにたとえるのは、ペンギンに失礼かもしれない。
巷では、YouTubeなるものが流行っていると聞いた。 いくら流行に背を向けていたとしても、これほど流行っていたら、私の目や耳にも入ってくる。 ただ、私はそれを以前「ユーツベ」と読んで、娘からバカにされた。
「アホか! なんでチューブがツベなんだよ! 中学から英語やり直せ!」 小学6年生のくせに、英語のスペルを覚えるのが神懸かり的に早い娘は、容赦なく親父の頭をはり倒す。 これから娘と話すときは、ヘルメットが必要かもしれない。
YouTubeは、動画を閲覧するサイトである。 私の子どもたちは、今年の春あたりから利用していて、好きなミュージシャンのライブや見逃したテレビドラマなどを見ているようだ。
娘は、「探偵学園Q」がお気に入りなので、キャーキャー言いながら、何度も繰り返し見ている。 高校2年の息子は、浜崎あゆみのフアンだ。夜こっそり、イヤホンを付けて、あゆのライブ映像を探し出して食い入るように見ている。
得意先の若い人などは、お笑い芸人の映像を深夜見て、ストレス解消をしていると言っていた。 私は流行に背を向けるのが趣味だが、今回の場合、さらに物理的な問題もあって、流行に背を向けざるを得ない。
なぜなら、私のMacでは、YouTubeをまともに再生することができないからである。 だいぶ前のことだが、浜田省吾のライブ映像を見つけて、嬉々として見ようと思ったのだが、音声からはるかに遅れて映像が付いてくるという悲しい現実に直面したことがあった。
いっこく堂の天才的な腹話術では、口のあとに音声が追いついてくるが、私のMacでは逆である。 これは、多大なストレスを私に与える。 だから、見ない方がいい、と決めた。
それに対して、息子のWindowsは、Pentium3の1GHzだから、それなりに見ることができる。 娘の方はPentium4の1.5GHzだから、もっと滑らかに見られる。 しかし、私のメインマシンは、Mac G4/450MHz。 子どもたちのPCと比べると、まったくお粗末な年代物だ。
他にサブとして、2台Macを持っている。 G3/300MHzに800MHzのアクセラレータを入れたものと、G3/450MHzである。 G3/800の方は、OS X/Pantherが入っていて、これは我慢すれば何とか見られるが、子どもたちのと比べると、歯ぎしりをしたくなるほど遅い。G3/450MHzは、問題外である。
しかし、何故パソコンを使って仕事をしている人間が、子どもたちよりも遅い機械を使っているのか。 それには、色々な理由がある。
一番の切実な理由は、金がないということ。 だが、そう言ってしまっては、身もふたもないので、対外的には、「OS9には、投資をしましたからねえ。周辺機器や書体でかなりの資本投下をしたので、元を取らないといけません。それに、WEBやDTPをしている限り、それほど早いマシンは必要としないんですよ。いや、ほんと」と言って誤魔化している。 言った途端、寒い空気が胸の真ん中を通り過ぎるが・・・。
しかし、これは、ある意味真実である。 新しいMacを買ったら、今までの周辺機器が使えなくなる。 スカジーなどという時代遅れの規格は、もう未来がない。 だが、そうは言っても、まだまだこれらの機械は、私の仕事には必要なのである。
書体にしてもそうだ。 新しい環境にしたら、また書体を買い直さなければならなくなる。 この出費は痛いし、今の私の仕事で、書体を新しくする必要性があるとも思えない。 新しくすることによって、新しい仕事を開拓するなどの恩恵があるとは思えないのだ。
OS9は、不安定で度々フリーズをするが、だからといって、それで仕事をしくじったことはない。 機嫌が悪くなった機械をなだめる方法は、心得ている。 私の機械は、時々おそろしくヘソを曲げることがあるが、それは機械が私のヘソの曲がり方をまねているからである。 だから、「よしよし」と言いながら、ツボを押さえてやれば、機嫌は元に戻る。
唯一、フォトショップで重いデータを扱うときだけ、あまりに遅くて「ケッ! 使えねえな」と罵りたくなるときがあるが、「いやいや、彼にこれ以上のことを求めてはいけない。これを買ったのは俺なんだから、こんなハードな仕事をさせる俺が悪いんだ。彼は、決して悪くない」とすぐに反省する。
だから、YouTubeが満足に見られないことなど、何でもない。 俺のMacは、仕事をするための機械だから、そんなものなんか、見なくていいのだ。
YouTubeなんか、見るもんか! これからも、流行に背を向けてやる。ケツだって向けてやる!
そう力んだのだが・・・、 「おい、柴咲コウのライブ映像がYouTubeにあったぞ。けっこうイカシテるぞ! 見にくるか?」 と娘が言いに来た。
「おお! 見る見る!」
言ってることと、やることがまったく違う気がしますが、そのあたりはボケた中年の言うことですので、動画ご勘弁を、いや、どうかご勘弁を!(寒)
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2007/09/28 AM 07:03:29 |
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