Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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破れたパジャマのケツ
高校二年の息子が、最近おしゃれをするようになった。
着るものにこだわるようになったし、髪もとかすようになった。
たまに髪の毛にディップをつけたりもしている。

これは、おかしい。
彼女でも、できたのか。
そう思ったが、どうやらそうではないらしい。

「年頃だからねえ」とヨメは言う。
確かに、彼は今年で17歳。
最近の子はもっと早くからおしゃれに目覚めていると聞く。
だから、彼の場合、むしろオクテと言った方がいいのかもしれない。

しかし、何となく違和感がある。
夏休み前までは、まったくおしゃれとは無縁の男だった。
だから、「なぜ?」と本人に聞いてみた。

「だってさ・・・、みんな、してるじゃん」

そうか、彼も普通の子だったのか。

私の場合、人と同じことはしたくない、というのを頑固に守ってイバラの道を歩いてきた。
馬鹿げたことだと承知しながら、流行に背を向けるのが、オレ流の生き方だと力んできたのである。

だから、息子もおしゃれに興味を持つことはないだろう、と勝手に決めつけていた。
しかし、親の思い込みなど、ロト6のように簡単にはずれる(したことはないが)。

私だけが、私の家系では異質だ。
私の母は、若いころから大変おしゃれな人だった。
昔から、ブランド品で身を固めていた。
私から見ると、馬鹿げたことだと思うのだが、200万円以上もする毛皮を羽織っていたこともある。

叶姉妹かよ!
もっとも、叶姉妹の羽織るものは、値段が2ケタ違うようだが。

引きこもりの姉は、外に出る機会を放棄しているにもかかわらず、クローゼットのなかはブランド品の山である。
彼女は、結婚式に一度も参列したことはないのだが、きらびやかなドレスを数着持っている。
これを本当の「宝の持ち腐れ」という。

私の父は、2週間おきに床屋に行っていた。
靴は、イタリア製のものしか履かなかった。
スリッパさえも、イタリア製なのだ。

ケッ!

ヨメも若いころからブランド品に目がなくて、洋服からバッグ、アクセサリーまで完全武装していた。
旅行に行くときも、JTBを通さないと機嫌が悪い、という徹底ぶりである。

ただ、それで得したこともある。
結婚してすぐのことだったが、JTBのパック旅行で北海道に行ったことがある。
豪華なホテルに泊まって、うまいものを食い、温泉を満喫した。
いい気分で進行していたのだが、最後になって、飛行機が最終便しか空きがない、と係の人が突然言い出したのである。

最終便に乗ると、羽田に着くのは、夜かなり遅くなる。
私たちの場合は、それでも良かったが、遠くから参加している人は、家に帰れないという事態になった。
軽井沢から来ている老夫婦が、係員に強行に抗議した結果、パック旅行に参加した人は、希望により羽田のホテルに無料で泊まることができ、その上、ひとり2万円ずつ「迷惑料」がもらえることになった。

大手の旅行会社でなければ、こんないいフォローはできないだろう。
ブランドも捨てたものじゃない。

話変わって・・・、
私の小学6年の娘は、髪はいつもボサボサだが、着るものにはうるさい。
彼女は、自分が選んだ洋服しか着ないのである。

女の子だから、可愛い洋服を着せておけばいいと、私の母などは、明るい感じの洋服を送ってくるのだが、それが無駄になったことが何度もある。

娘は、上木彩矢土屋アンナに憧れているから、かっこいい女系のファッションが好みである。
黒を基調にしたものをいつも選んでいる。
私の母の考えるものとは、大きくかけ離れているのだが、それを何度言っても母は理解しないので、送ってもらった洋服は、人にあげることになる。

もったいない、もったいない。
着られるものなら、私が着たいものだ。

私は若いころ、ヨメとのデートの時でさえ、汚いジーパンとトレーナーで通してきた。
今考えると、ブランド品で身を固めたヨメと、汚い度MAXの私とでは、まったくアンバランスなはずだが、その時はまったくおかしいと感じなかった。

ヨメは、きっと何か言いたかったのだろうが、こいつに何を言っても無駄だと思ったのだろう。
彼女は、自分が着飾ることだけに専念していた。

だから、今も私はおしゃれとは無縁である。
人からよく見られたい、という意識が完全に欠落している。
髪の毛をとかしたこともない。
自分で洋服を買ったこともない。

ヨメが用意してくれたものを黙って着るだけである。
箪笥のなかを開けて、一番上にのっていたものを着るだけだから、必然的に毎日同じものを着ることになる。

近所の印刷会社の社長からは、「あれっ! Mさん、昨日と同じ服? もしかして、奥さんに逃げられたのかい?」と言われることがよくある。
全然、気にしていない。

そんなの関係ねえ!

おしゃれとは違うが、私は食うものにも無頓着である。
我が家では料理は私がする。
ひとにはうまいものを食わせてやりたいと思う。
しかし、自分でうまいものを食いたいとは思わないのである。

3食おにぎりでも問題はないし、3度かけそばを食ったとしても、飽きることはない。
つまり、気持ちが貧しいのである。
気持ちのなかで、大事な部分が、でっかいクレーターのように穴が開いている状態と言えばいいのか。

でも、そんなの関係ねえ!

息子が、そんな私を見て、遠慮がちに言う。
「もう少しさあ、ちゃんとした格好をしたほうがいいと思うよ。いい大人なんだからさ」

それに対して、娘はこう言う。
「いいんじゃないの。もう何しても遅いからさ。このままクタバっちまえば。本人もそれで満足だと思うよ。
いいねえ。パジャマのケツが破れている姿が、妙に哀れで、スッゴク似合ってるよ」


さすがに我が娘。
よくわかっていらっしゃる。


2007/09/06 AM 07:11:32 | Comment(1) | TrackBack(0) | [日記]



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