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● 徹夜明けの朝 |
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明け方の5時半まで仕事をしていた。 当然のことながら、徹夜明けなので眠い。 ただ、今日はすぐに寝るのがもったいない気分である。
5時半に寝るのは、中途半端だという事情もある。 夏休みだから、子どもたちがいる。 彼らは大体8時頃起きるから、私が爆睡中に彼らは起きることになる。
どうせ、「おい、朝メシ食わせろ! 遅くまで寝てるんじゃねえよ」とマクラを蹴飛ばされるに決まっている。 だから、彼らに朝メシを食わせてから寝た方が、いい睡眠が取れる。
そこで、朝早く花屋のパートに出かけるヨメに、具だくさんのみそ汁を作ってから、散歩に出ることにした。 友だちからお中元にジョギングシューズをもらったので、それを履いて、なま暖かい空気の中、遊歩道を早足で歩き始めた。
この時間、誰も歩いていないかと思ったが、意外と犬を散歩させている人が多いのに驚く。 ツンと澄ました顔でキャバリエが、ご主人様と悠然と歩いている。 ご主人様も、ツンとした感じである。
たいへん感じが悪い(ひがみ)。
走り出した。 軽いダッシュである。 200メートルほどダッシュをすると、寝不足のせいか、足首がつる感じがした。 すぐに、ウォーキングに切り替えた。
中学1年から大学3年まで、陸上の短距離を専門にしてきたが、無理をしたことがない。 根性などという目に見えないものにこだわって練習をしたこともない。 後輩に、根性の押し売りをしたこともない。 無理だと思ったら、さっさとやめる。疲れたら体を休める。 サボっているやつがいても、文句は言わない。 練習に参加しても、走りたくないときは2週間以上走らないこともあった。 そんなときは、早足で歩いたり、ストレッチをしたりした。それも重要な練習である。
ただ、まわりからは、勝手なやつだと陰口をたたかれたこともあった。 しかし、自分の体のことを一番よく知っているのは、他人ではなく私である。 無理をして怪我をしたとしても、誰も治してくれないのだ。
みんなと同じ練習をしなければいけない、という理由はない。 個性を認めない練習は、ただの虐待である。 それはスポーツを愛していない人がすることである。 私は走ることが好きだったから、自分を大事にした。同時に、他人も尊重した。
20代半ばに短距離からジョギングに切り替えたときも、そうだった。 痛かったり、調子が悪いと思ったら、すぐやめた。 だから、今日もすぐにやめて、遊歩道途中の大きなベンチに上がって、ストレッチをした。
ストレッチも真剣にやれば、かなりの汗が出る。 15分ほどストレッチをしたが、全身汗まみれである。 しかし、爽快だ。 体は、少々重い感じがするが、眠気は飛んでいった(と思っていた)。
2メートル四方のでっかい木のベンチに寝っ転がった。 絵に描いたような青空とまではいかないが、朝の空は薄い青色に塗られていて、それなりにきれいだった。 深呼吸をする。 いい気持ちだ。
目をつぶる。そして・・・・・・・。
「おいバカ親父!」 頭を強く叩かれて、目が覚めた。
薄く目を開けると、ボサボサの長い髪を朝の風になびかせて、小学6年の娘が仁王立ちしていた。 「朝メシはどうした! 殺す気か! いま何時だと思っている!」
何時? 6時過ぎに家を出て、少し歩いて、ストレッチングをしたから、6時半くらいか。
「とっくに9時過ぎてるよ! なに寝ぼけてんだ! しかもこんなクソ熱いオモテで寝ていて、おまえ、よく死ななかったな。 普通だったら、熱中症で死んでるぞ。 野生動物は、強いな。 おい! 野生動物。早くなんか食わせろ」
確かに私は野生動物だが、ここで私が寝ていることを探り当てた娘の野生のカンもなかなか鋭いものがある。
さすが、野生の親子だ。
「お前なんかと一緒にすんな! アタシは女王蜂だ。ほら、エサをとっとと運んでこい」
ブ〜〜〜〜〜〜ン。
働き蜂は、わき目もふらずに、我が家に飛んで帰りましたとさ。
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2007/08/09 AM 08:01:50 |
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