Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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吉野家の牛丼デビュー
私は今まで、吉野家の牛丼を食ったことがない。
早い! 安い! うまい!

牛丼は、高級食材嫌いの私にはピッタリの食い物のはずだが、今まで避けて通ってきた。
それを先日家族4人で食った。

全員、吉野家の牛丼を食うのは、初めてである。
記念すべき日だ。

5日締めの仕事の合間を縫って、夏休みを取った。
イプサムで行く最後のドライブ。
八景島シーパラダイス横浜中華街を巡る一泊旅行の帰り道に、吉野家の看板を見た高校二年の息子が突然叫んだのである。

「牛丼が食いてえ!」
それに対して、小学6年の娘は「ヤダ、絶対にヤダ!」と叫び返す。
娘は、基本的に肉が嫌いである。
ハンバーガーは食うが、「これが肉料理です」という主張をしたものは、食わない。
牛丼は、いかにも「これが肉料理です」と主張している食い物である。
娘は、私が作った牛丼は食うが、せいぜい丼半分を義理で食うだけだ。

だから、彼女にとって、吉野家の牛丼は、一生食わなくていいものの一つなのである。
「牛丼なんか、食いたくねえ!」

私は、すべてにおいて、子どもに無理強いはしない、ということを貫いてきた。
誰もが、嫌なものの一つや二つはあるはずである。
それを強制して、好きになれというのは、横暴だ。
たとえ、親でも、それは許されることではない。

私も実は、子どもの頃、肉が嫌いだった。
それでも、180センチのオッサンになるし、スポーツは万能である(イヤミな自慢)。
肉を食わないからといって、何の問題もない。

だから、食いたくないものは食わなくていい。
それに、みんなで同じものを食いましょう、同じことをしましょう、というのも私の性に合わない。
(私は、給食の時間が嫌いだった。みんなで同じ方向を向いて、同じものを食うなど、まるで刑務所の食事じゃないか)
だから、一応吉野家には入るが、牛丼は食わなくていい。
何かほかに食いたいものがあったら食えばいい、と説得して、吉野家に入った。

私も特別、吉野家の牛丼が食いたいわけではなかったが、一度くらいは食べてもいいか、と思って「並盛」を頼んだ。
私はB級グルメに愛着を持っているが、吉野家の牛丼は、みんなが有り難がるので、それが鬱陶しく感じられて、まったく興味が湧かなかった。
奢ってやる、と言われても、かたくなに拒否していた。

「俺は毎日牛丼でもいいぞ!」と言うやつがいたが、「はいはい、ご自由に」と思っていた。
「吉野家の牛丼が戻ってきたぞ!」と興奮して電話してきたやつがいたが、「それはよかった。おめでとう」と言うだけだった。

そんな風に、冷たく接していた牛丼を食べる日が、ついにやって来た。
娘も、みんなが牛丼を頼むので、「しょうがない、食ってやるか」と言って、並盛を頼んだ。
家族4人、カウンターに座って、牛丼とご対面である。

我が家では、牛丼というと、私のオリジナル料理しか食ったことがない。
これは、吉野家の牛丼とは、まったく違うものだし、他の店の牛丼とも違うと思う。

我が家では、肉は安いしゃぶしゃぶ用のやつを使う。
牛がなかったら、豚で代用する。

他の牛丼と大きく違うところは、肉を一度冷凍してから解凍し、高温のごま油で一度軽くサッと揚げるところだろう。
これをやると、安い牛肉がワンランクバージョンアップする。

タレは、白ワインのアルコールを飛ばしてから、しょう油、砂糖、コショウ、ショウガのすり下ろし、林檎のおろし汁、酒を加えてもう一度沸騰させる。
そして、そこに肉を入れて、10秒煮込む。
その後、肉だけを取り除き、タレにタマネギを入れて10分煮込む。
あとは、肉をごはんの上に盛り、タレをかけるだけである。

息子の友だちが来たときなど、冷凍しておいたタレを使って牛丼を作るのだが、「吉野家よりうめえ!」と言ってくれる。
もちろん、お世辞だと言うことは、重々承知しております。
しかし、お世辞だとわかっていても、そう言われると嬉しいものなのです。

さあ、M家の牛丼 vs 吉野家の牛丼。
どちらがうまいのか。
カウンターの上に乗った特盛をいきなりかき込み始めたのは、息子だった。
猛烈なスピードでかき込んでいる。
フゴッ!フゴッ!フゴッ!
これがおそらく、正しい牛丼の食い方なのだろう。
我が息子ながら、惚れ惚れするほどの食いっぷりである。
フゴッ!フゴッ!フゴッ!

ヨメもムシャムシャとかなりのハイペースで食っている。
最近若干メタボリック化してきた体形を気にすることもなく、素早いペースで食っている。

私と娘は、並盛をゆっくりと食う。
娘は5口食ったところで、箸を置いた。
「なーんか、もの足りねえな。パパの作ったやつの方が、うめえぞ」
嬉しいことを言ってくれる。
なかなか、舌の肥えた娘さんである。

私はと言えば、全部食って、美味しいと感じた。
これぞB級グルメの王道、という感じの、安心できる味だと思った。
タマネギが少ないのが物足りないが、牛が主役だから、わざとタマネギを少なくしたのだろう。
ごはん自体も、肉と丁度いいバランスを保って、肉をサポートしている。

値段を考えたら、満点をあげてもいいのではないだろうか。
やはり、食わず嫌いはいけない、と痛感した。
息子もヨメも、私も満足顔で箸を置いた。
娘だけが、ケッ! という顔をしている。

娘が残した牛丼の残りは、当然のような顔をして、息子が平らげた。
いいサポートである。

車内での会話。
息子・・・「吉野家の牛丼、うまかったけど、やっぱりうちの牛丼の方が絶対に美味いよ」
ヨメ・・・「当たり前すぎて感動がないわ。食べていて、うちの牛丼が懐かしくなったわ」
娘・・・「おい、いい家族を持ったな。こんなに気をつかう家族がいて、おまえ、幸せだな。アタシもお前の牛丼が無性に食いたくなったぞ」


・・・・・・・(涙)。

さようなら、イプサム・・・・・・・・(涙)。


2007/08/05 AM 08:30:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | [料理]



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