Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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霊感・正夢・守護霊
一週間前の出来事で恐縮だが、また、新潟県で大地震があった。
現地の深刻な状況を見ると、他人事ではない。
日本列島のどこにいても、我々は地震の恐怖からは逃れられない。
無力感がつのる。

しかし、世の中には、そんなことさえも話の種にする軽薄な輩(やから)がいるから、腹が立つ。

私の得意先に、俺は霊感が強い、と自慢する人がいる。
その人に関しては、昨年5月のブログに書いた。
この人は、世の中のすべてのことを「霊」に結びつけて考えている人なのである。
そして、当たり前のことだが、その思考方法は、まったく論理的ではない。

「新潟で地震がありましたよね。ボク、前の日に地震の夢を見たんですよ。目が覚めたとき、この夢は絶対にあたると思っていました。そうしたら、あの地震でしょ。ビックリしましたよ」

ほぉー、そうですか。

「今年3月の能登半島地震の時も、ボク、夢を見たんですよ。あの時は、はっきり兼六園が揺れている夢を見ました。それが当たったんですから、自分でも怖くなりましたよ」

ほぉー、そうですか。

「この間、ボクの家内が友だちと銀座に買い物に行ったんですけどね。デパートのトイレ前に倒れているお年寄りがいたらしいんですよ。その人はすぐ救急車で運ばれていったんですが、そのすぐあとで、家内がボクに電話をしてきたんです。携帯を取ったとき、ボク、ピーンと来たんですよ。そこで、家内に『誰か、具合が悪くなったんじゃない?』って聞いたら、家内のやつ、ビックリしてましたよ」
Kさんは、鼻をピクつかせながら、得意気に胸を反らした。

ほぉー、そうですか。

「そして、今朝、僕の乗った電車で痴漢騒動があったんですけどね。電車に乗ったときから、何か事件が起きるって、胸騒ぎがしてたんですよ。いつもは、MP3プレーヤーで音楽を聴いているんですが、今日は何となく気持ちが落ちつかなくて、音楽が全然耳に入ってこなかったんです。そうしたら、痴漢騒ぎでしょ。いやー、自分が怖くなりますよ」

ほぉー、そうですか。

この種の話を聞いて、「Kさん、スゴイですねえ。素晴らしい能力をお持ちですねぇ! いやあ、うらやましいですよ!」と言える人が、私はうらやましい。
私には、そんなことはとても言えない。

胡散(うさん)臭え!
嘘くせえ!

と思ってしまうのである。
ただ、この年になると、さすがに正直に顔に出すということはしない。
普段より、0.1ミリほど目が細くなる程度である。

しかし、心の中では、こんなことを思っている。

夢と霊感って、関連があるんですか。
夢が正夢になるのは、その人の霊感が強いからなんですか。
素人には、なかなかわからない世界ですね。
それほど素晴らしい能力をお持ちなら、占い師として充分にやっていけるのではないでしょうか。
ぜひ、その卓越した霊力を一般人のために使って、地震予知や厄災防止に役立てていただきたいものです。
こんなところで、こんな五流デザイナーに自慢するよりも、それは、はるかに有意義なことではないでしょうか。


アクビが出そうになった。
私は、それを誤魔化すために、右手で頬を軽く叩いた。
そして、頭を軽く振った。

それを見てKさんは、「Mさん、眠そうですね。それは、Mさんの守護霊が眠っているからですよ。Mさんの守護霊を、ボクが起こしてあげましょう」と言って、両手を「パチン!」と強く叩いて、合掌した。
そのパチンという音があまりにも大きくて、その会社の社員のほとんどが、こちらに視線を向けた。
みんなの眉間に皺が寄っている。
「仕事中に、うるせえよ!」という顔である。
しかも、みんなKさんではなく、私の方を見ているのである。

濡れ衣だ!

しかし、Kさんは、平然とした顔で言うのだ。
「どうです? 今ので絶対にMさんの守護霊は目覚めたと思いますよ。もう、眠くないでしょう?」

確かに、目が覚めた。
しかし、あんな大きな音で手を叩いたら、守護霊でなくても、誰だって目が覚めるだろう。

だが、反論するのも大人気ないので、私はこう言った。
「本当だ。目が覚めましたよ。でも、私は目が覚めましたが、私の守護霊は、どうでしょうか。私には見えないんで、確認できないんですが」

それに対して、Kさんは、まるで江原ナントカのように、にこやかにこう答えるのである。
「大丈夫です。目が覚めてます。ボクの守護霊と仲良くしていますよ」

それは、スゴイ!
私の守護霊は、なかなか社交的なやつらしい。

2007/07/22 AM 08:54:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | [怖い話]



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