Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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欧米か!
膝を強打して、一時はどうなるかと思ったが、経過はいい。

この間の強風の日曜日、2段式の駐輪場で、上から自転車が落ちてきて、膝を強打した。
普通の自転車の3倍はありそうな荷台のかどが、膝の真ん中にジャストミートしたのである。

3倍というのは本当は大袈裟で、あらためて落ちてきた自転車の荷台を見ると、大きさはほぼ2倍、厚みも2倍だった。
しかし、いかにも頑丈そうに見える荷台である。
それが直撃して、打撲だけで済んだのだから、これは運がいいと思うべきだろう。

膝全体が腫れて、まる二日間、かなり熱を持っていた。
こまめに患部を冷やして、なるべく動くことを心がけた。
今回は、この「動く」というのが、良かったようだ。

アメリカなどでは、手術の次の日から積極的にリハビリを初めて、筋肉が衰えないようにすると聞いた。
活動することで、自己の治癒能力を高めていくという、人間が本来持っている力を引き出すためである。
それは正しいことのように思える。

日本では、保健医療が発達しているせいで、病院がなるべく国庫から医療費を吸い上げようとするから、患者に対して過保護である。
病(やまい)を飼い殺しにして、長引かせようとするのが、日本の医療である。
その方が、儲かるからだ。
また、病院をサロン化して、自分の居場所を見つける患者側も、それを望んでいるように思える。

しかし、本来の人間の治癒能力は、神秘的で、なおかつ強い。
欧米方式は、人間のそんな能力を信頼している。

欧米か!
(意味はないが、とりあえず言ってみました)

痛みをこらえて動かしているうちに、膝の違和感が薄れていくのが実感できる。
伸ばして曲げるという動作は、意外と力がいるものである。
腫れた膝を労(いたわ)らずに、顔を歪めながら痛みに耐えて曲げたり伸ばしたりすると、額から汗が吹き出るほどエネルギーを使う。
しかし、その痛みと汗はここちよい。

何度も曲げて伸ばす動作をしていると、関節自体が、元気だった頃を思い出して、勝手に動いてくれるような感覚になる。
そんなことを繰り返していると、腫れはかなり引いて痛みは徐々に小さいものへ変わっていった。
外見は、膝全体が黒い痣でおおわれて、膝の真ん中は、盛り上がって赤黒く変色している。
まるで、腐った果実のように、哀れで不気味である。
しかし、見える箇所ではないので、膝がどれだけ不細工でも、かまわない。動けばいい。
私はグラビアアイドルではないのだ。

昨日の午後は、今週初めての営業に出た。
自転車に乗って最寄りの駅まで行き、駅の階段を二段飛ばしに駆け上がってみた。
けっこう痛い。痛いが、我慢できないほどではない。

行く先々で屈伸を繰り返し、階段を二段飛ばしで駆け上がる。
それを繰り返すと、家に帰る頃には、ほとんど膝の痛みはひいていた。
見た目は痛々しい膝だが、機能的には、もうまったく問題はない。

今回のことで、動かす、という重要さを、あらためて感じさせられた。

そうすると、昔のことを思い出すのである。
大学3年の秋、私は膝を痛め、腰も痛めた。
初めてのことだったので、慎重になって、私は医師の言うことを鵜呑みにしてしまったのだ。

「とにかく、安静にすることです。ここで無理をしたら、取り返しがつかなくなります」
真面目な顔で言う医師の言葉を信じて、5ヶ月間、安静に努めた。

5ヶ月後、膝と腰の痛みはひいたが、私は短距離の選手を諦めざるをえないほど、低調なタイムしか出すことができなくなり、陸上部をやめた。
一流半のアスリートが、三流に成り下がったのが悔しくて、私はかなり落ち込んだ。
しかし、あの時、動かしながら治していればどうだったかと、今にして思うのである。

練習では、独自に外国のトレーニングを取り入れてやって来たが、怪我を治すという点では、私はあまりに日本的で慎重すぎたのではないか。
日本の医師の治療というのは、悪くならない治療であって、良くなる治療ではない、と私は思っている。

悪くなると患者から文句を言われるが、悪くさえならなければ、たとえ良くならなくても、みな何も言わない。
患者の我が儘であり、医師の怠慢である。

練習に関しては、あれほど勉強したのに、自分の怪我に関しては盲目的だった。

動かして治す。
この欧米方式を今回実践してみて、人間誰しも持っている「治すことへの潜在的な能力」に驚かされた。

そう、欧米方式は決して間違っていない。
日本のように、悪くならない治療より、欧米式の人間の強さを信じる治療の方が、確実に患者のことを考えていると思った。

営業から帰って、パソコンに向かっていると、「おい、『ハケンの品格』、今日は最終回だからな。一緒に観るんだぞ」と言いながら、小学5年の娘が、私のヒザの上に座ってきた。
娘は、私のヒザに座ると、必ず足をブラブラさせる。

今回も、ブラブラさせている。
これが痛いのだ。
娘のヒザの裏が、私の膝に当たって、痛さに身悶える。

「Ouch !」
思わず唸ったので、「欧米か!」と娘にツッコマレルかと思ったが、娘は意味がわからなかったらしく、私がふざけていると思って、さらに強く足をブラブラさせた。

「Help Me !」
と言ったら、やっと
「欧米か!」とツッコンデくれた。

「Europe and America」
娘が「なんじゃ、それ」と聞くので、「『欧米』のことを英語で言うとそうなる」と答えたら、「無駄な知識だけはあるんだから!」と言って、思い切り強くヒザを叩かれた。

顔が苦痛で歪む。
痛さをこらえながら思った。

はっきり断言できるが、我が娘に「品格」はない。


2007/03/15 AM 11:50:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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