Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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怖〜〜〜い話
久しぶりに「いいちこ」が飲みたくなったので、「隠れ家」に行った。
今年二回目。時刻は午後5時過ぎである。

隠れ家には、「いいちこ」が常備してある。
普段、寝酒には「麦盛り」という、ロジャースで800円台で売っている焼酎を飲んでいるが、これは香りがきついので、たまには上品な味わいの「いいちこ」を飲みたいと思ったのだ。

倉庫に入ると、天井の明かりがすべて点いていた。
誰かいるのか、と思って声を掛けた。
「あの〜、誰かいますか。M ですYO!

しばらく待ったが、誰も出てこない。
壊れた事務機の陰からも、衝立で仕切られた事務所からも、誰も出てくる気配はない。
「かくれんぼ」をしている人は、いないようである。

ということは、消し忘れか。
ほぼ一ヶ月ぶりの隠れ家は、さぞ埃が積もっているかと思ったら、そうでもなかったから、倉庫の所有会社の社員が、掃除をしたのかもしれない。
そして、明かりを消し忘れた。
おそらく、そういうことだろう。

しかし、一応倉庫の持ち主に電話で確認をしてみた。
ひと月遅れの新年の挨拶を交わしてから、明かりのことを聞いてみた。
「いんやぁ、この一ヶ月は誰も行ってねぇんじゃねぇの。おそらく、Mさん以外には YO!」
社長は、素晴らしく品のいい話し方で答えてくれた。
近くにいる社員にも聞いてもらったが、誰も行っていないと言う。

ということは、一ヶ月前に私が行ったときに消し忘れたのか。
あのときは、高熱と闘っているときだったから、うっかり消し忘れたのかもしれない。
そうだとしたら、この件は、これ以上掘りかえさない方がいいのかもしれない。

「もしかして、私の勘違いですかねぇ〜、最近ボケてますから…」と適当なことを言って、電話を切った。
ついでに、事務所以外の明かりも切った。
ほの暗い灯りがいい感じである。
そして、事務所の隅っこに置いた大型の段ボール箱から「いいちこ」を取りだして、ホット焼酎にして飲んだ。

これは、いつ飲んでも、上品な香りと柔らかなのどごしの、品のいい味である。
まったりとした味に満足しながら、事務所のソファに足を投げ出し、段ボール箱に入れておいた司馬遼太郎の「項羽と劉邦/上巻」を読み始めた。
BGMは、ジョーサンプルの「虹の楽園」である。

読み始めて、20分くらい経った頃に、倉庫の蛍光灯がいきなり点いた。
倉庫の蛍光灯は1列に4基並んでいて、それが3列ある。
その中の一列が、何もしないのに点いたのである。

これにはビックリした。
事務所の衝立から出て、「何だ! 何だ!」と叫んで、ドアの鍵を確かめに行ったが、鍵は閉まっていた。
つまり、誰かが入ってきたわけではないようである。

試しに、「あの〜、誰かいますかぁ〜」と声を掛けたが、返事はなかった。
電圧の影響か、と思って配電盤を確かめようとしたが、配電盤は外にある。
懐中電灯を持っていないので、点検するのは難しいだろう。だから、それはやめた。

結局、ソファに戻って、文庫本をまた手に取った。
しかし、また一つ気が付いたことがあった。

トイレの電気が点いている!

つい今し方までは、トイレの明かりは点いていなかった(はずである)。
そこで、恐る恐る、トイレに近づき、ドアを「エイッ!」と開けてみた。

当たり前のことだが、誰もいない。
ホッとした。
トイレの電気を切ると、トイレの暗闇が何となく怖くなって、かなりの勢いを付けてドアをバタン! と閉めた。

しかし、これは一体どういうことだ!

何で、電気が勝手に点いたりするんだ!

これは、もしかして…………(怯)。

そこで、「いいちこ」のホットをまた飲んだ。
文庫本に目を移して文字を追ったが、活字が全く頭に入ってこない。

「だれか、いるんですかぁ〜!」
かなりの大声で叫んでみたが、返事はない。

大きい声を出すと、腹が減る。
段ボールには、カップ麺が数種類入れてあるので、ノンフライのカップ麺を選んで、食べることにした。
339Kcalと書いてある。おやつ程度のカロリーだから、晩飯に負担がかかることはないだろう。

ズルズルッと、大きな音を立てて麺を啜っていたとき、また電気が点いた。
今度は、全部である。
しかし、トイレの明かりだけは点かなかった。

もしかして、本当に呪われたのか………、あるいは、ポルターガイスト? (震)。

そのとき、音楽が突然止(や)んだ。
ビクッとしたが、これはただ単に、CDの再生が終わっただけである。
この程度のことでも、ビクつく自分がおかしい。

ズルズルッ!
キョロキョロとまわりを見回しながら、カップ麺を食べ終わった。

さすがに、文庫本を続けて読む気にはならない。
「いいちこ」も飲みたくない。

なんか、不気味である。
そこで、天井に向かって、「ワー!」と叫んでみた。
2回叫んだ。

しかし、ノドが痛くなっただけである。

私には稲川淳二のような霊感はない。
しかし、もしかして、これがきっかけで霊感に目覚める可能性があるかもしれないので、目を閉じて五感を澄ませてみた。

何も感じない……、どころか、寝てしまったのである。

馬鹿馬鹿しくなったので、我が家に帰ることにした。
すべての電気を、入念に確認しながら、消した。
その後、扉の前で5分ほど待ったが、電気は点かなかった。

「よし!」と意味のない気合いを入れて、自転車にまたがった。
しかし、ここで私はまた驚くのである。

壊れていた自転車のライトが、点いているではないか!
これは、一週間前から調子が悪くて、直さなければ、と思っていたのだが、つい先延ばしにしていたものである。
それが、点いている。光っている。

背筋が寒くなった。
まさかね〜、偶然だよねぇ〜、ありえないよねぇ〜。
一人ブツブツと呟きながら、私は懸命に自転車を飛ばして帰った。



2007/02/07 AM 07:46:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | [怖い話]



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