Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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身近にいた浜田省吾ファン
明け方まで仕事をしていたので、睡眠不足である。
今日(27日)は、夕方までのんびりして、仕事は夜からにするか、と思っていたときに、電話がかかってきた。

時計を見ると、10時15分。
仕事の電話でなければよいのだが。
いや、仕事の電話でもいいが、長話でなければいいのだが。

「センセイ、今日の夜のご予定は、どうなっていますか?」
電話は、一流デザイナーのニシダ君からだった。

「今夜は、お仕事のご予定です」
と答えたら、「ああ〜、そーですかぁ〜」と魂のこもってない声とともに、大きな溜息が聞こえた。

「夜は仕事だが、今は暇だぞ」
かなり眠かったが、そう答えてしまった。
「ああ、ホントですか、じゃあ、これから迎えに行きますから」

何となくピンとくるものはあった。
自宅の電話を娘の携帯に転送するようにセットしてから、50分後にはニシダ君の車に乗っていた。
車はホンダの「Odyssey」。かなりいい乗り心地である。

乗ってすぐ、新年早々、ニシダ君に頼んだデザインを私のミスでボツにしてしまったことを謝った。

「いや、センセイの作ったの見ましたけど、写真が活きてましたよ。僕のはテキストを活かすデザインで、センセイのは写真を活かすデザインでした。どちらにしても、センセイの方が選ばれたと思いますよ」
とニシダ君は言ってくれたが、力の差は、私が一番感じていることである。
申し訳ない、と思っている。

車中で、彼の同居人チヅルさんの酒豪伝説を語り合っている間に、彼の住むマンションに着いた。
玄関を開けると、「入籍しました」と、自分でクラッカーを鳴らすチヅルさん。
それも、普通より3倍以上でかいクラッカーである。

驚いたフリをした。
おそらく、こんなことをしてくるのではないかと思っていたからだ。

すかさず私の方は、ポケットに隠し持っていたカラフルな紙吹雪をばらまいた。
「結婚、おめでとう!」
いったい、掃除は誰がやるんだろう。玄関に紙吹雪が散乱している。

「クッソー、読まれていたか!」
とチヅルさんが悔しそうな顔で、両手で握り拳(にぎりこぶし)を作る。
その仕草が可愛いらしい。
ニシダ君は、いいパートナーを見つけたと思う。

「これから、ニシダシンジとチヅルの結婚披露パーティを始めます」
チヅルさんが、右手を挙げて宣言した。

ダイニングに通されたが、客は誰もいない。
招待されたのは私だけのようだ。料理もまだ作っていないようである。
そこで、私が「料理、まだなら、俺に作らせてくれない?」と言った。
「いや、お客様にそんなことは…」とニシダ君。
「ああ、Mさんの手料理、食べてみたいな」とチヅルさん。

どんなときでもチヅルさんの意見の方が重いので、私が料理を作ることに決定した。

キッチンに入って食材を点検すると、それなりに揃っているので、「1時間以内にパパッと作るから、凝ったものは期待しないで」と言った。

考えたのは4品。
リゾットオムレツとサーモンのマリネ、小松菜とベーコン、タマゴマカロニのサラダ、サーモンのオーブン焼きである。

その中で評判の良かったリゾットオムレツの簡単レシピ。

・ニンニク一片をみじん切りにし、オリーブオイルで炒める。
・香りが付いたら、タマネギのみじん切りを加えて炒める。
・熱湯に30秒ほどつけて皮をむいたトマト4個を、つぶしながら加える。
・赤ワインを適当に振りかけ、ある程度水分が飛ぶまで弱火で煮込む。
・その後、塩とコショウで味を調える。
・少量のバルサミコ酢を加えてもいい(無い場合はいらない)。
・沸々としてきたら、ご飯を3人分ぶち込んでトマトソースにからめる。
・コンソメスープ200ccを加えて、一度煮込んだら火を止めて、パルメザンチーズを振りかける。
・卵は、1人前大2個を使用。軽く溶いてマヨネーズを加える。
・オムレツを作るときは、マヨネーズの油を利用するので、油はひかない。
・温めたフライパンで40秒ほど卵を火にかけたらすぐ止めて、オムレツの形を整える。そして、皿に盛ったリゾットにオムレツをのせる。

以上である。

これは、全ての要素が絡み合って、上品な味わいのオムレツになった。
二人とも、チキンライスのオムレツよりもうまいと言ってくれた(お世辞かもしれないが)。

1月25日、ニシダ君の誕生日に入籍した二人は、披露パーティを仲のいい20人ほどを招待してする予定でいた。
私も招待しようかと思ったが、まわりが知らない人ばかりだと私が気詰まりすると思って、今回特別にこの場を儲けてくれたらしい。
つまり、気を遣ってくれたわけである。
嬉しいことだ。

「二人の永遠の愛に乾杯!」
私がくさいセリフを言うと、二人とも顔を赤くして照れている。
チヅルさんの赤くなった顔も可愛いのである。

私がそのへんを突っこもうとしたら、チヅルさんが機先を制して言った。
「Mさん、私とMさんの共通点、知ってます?」

「ビールが好物、人生は冗談で出来上がっていると思っている、何ごともいい加減、寝たいときに寝、飲みたいときに飲む」
と私が言ったら、「そうそう、いつもグータラして、酒ばっかり食らっている……、コラッ、私はグータラ女か!」ノリツッコミで返す。

私がもう少し若かったら、間違いなく漫才の相方に選んでいただろう。

浜田省吾が好き!」
チヅルさんが右手を挙げて宣言した。

若いのに、何とマニアックな!
「Mさんにとって、ハマショウは特別な存在なんですよね?」

私は大きく頷いた。
色々なジャンルの音楽を聴いているが、私にとって「浜田省吾」は、それを超越する存在なのである。
チヅルさんもまた、私と同じ感覚で浜田省吾を捉えているらしい。

それからは、「浜田省吾談義」に終始して、ニシダ君を置いてきぼりにした。
彼は、私たちの顔を交互に眺めながら、半ばヤケクソになって料理をつついていた。

「ねえ、Mさん、ひとから『浜田省吾の曲で何が一番好き?』って聞かれると、腹立ちません?」
「そうそう、頭来るよねぇ。全部好きなんだから、一曲選ぶことなんかできるわけないんだから!」

チヅルさんは、首を何度も大きく縦に振りながら、右手に握りしめた「ミラーライト」をグビグビっと呷(あお)る。
「すべてが『浜田省吾』なんですよ! どれか一つが『浜田省吾』なんじゃない! だから、一番なんて選べない!」

よくぞ言った、チヅル!
二人両手で握手した姿を見て、ニシダ君が明らかに「エイリアン」を見る目になっていた。

その後もずっと、ニシダ君を置いてきぼりにして、二人して「浜田省吾論」を闘わせた。
ふたり肩を組んで「I am a father」を歌う姿を横目で見ながら、サーモンマリネを頬張るニシダ君の顔は、明らかに強張っていた。

これが、二人のこれからに影を落とさないことを祈るしかない。

ヤケクソで酔っぱらったニシダ君に車の運転をさせるわけにいかないので、帰りは電車で帰ったが、頭の中で「I am a father」がリフレインしている。
それは今も続いていて、チヅルさんのサビのハーモニーが今も耳に残っている。

ニシダ君、君のお気に入りの「松浦亜弥」の話題に触れなくて悪かったね。
どちらにしても、結婚おめでとう。


2007/01/28 AM 09:51:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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