Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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さいたま市在住のボケ・デザイナー
桶川の得意先に三ヶ月ぶりに行ってきた。

遅ればせながら、「今年もよろしくお願いします」と言ったら、担当者のフクシマさんが「固いことは抜きにして乾杯!」と、麒麟の「一番搾り」を渡してくれた。

私がいつ来るか、と待っていて、ずっと冷蔵庫に置いていたものらしい。
私はまったく営業に熱心ではないので、得意先に新年の挨拶をしたことがない。
フクシマさんも、そのことは知っているはずなのに、私のためにビールを用意してずっと待っていてくれたのである。

有り難いことだ。
しかし、朝の9時半に会社内で乾杯しても、誰からも文句を言われない会社というのは、すごい!
社長が奥に座っているのだが、平気な顔で鼻毛を抜いている。
この雰囲気は、かなり好きである。

フクシマさんは、顔を赤くして仕事の説明を始めたが、説明するたびに納期の日にちを間違えるから、これは後で「しらふ」のときに確認し直さなければ。
それに、車の運転もしないように、釘を刺しておかなければいけない。

「車の運転? ハハハ、おれ、免停食らったから、それはダイジョーブ! ハハハ」
要するに、やけ酒か!

一時間弱の打ち合わせを終えて、「バイビー」というフクシマさんの声で送り出されて、得意先から出ようとしたとき、入口で知っている顔に出会った。

新宿の企画・編集会社の社長、シブヤ氏である。
シブヤ氏と会うのは、4ヶ月ぶりだが、昨日の夜も彼の会社の仕事をしたばかりである。

昨年の9月に彼の奥さんが産休に入るので、奥さんがしていた仕事を少し手伝うように頼まれ、最終工程のチェックの仕事を不定期にすることになった。

これは、まずシブヤ氏の会社のサーバから、校了の仕事をダウンロードして、それが正常にフィルム製版できるデータかをチェックする仕事である。
件数は月によって違うが、大体4、5件だろうか。それほどタイトな仕事ではない。
わざわざ新宿まで行かなくても済むから、肉体的にも楽である。
また、仕事自体も、神経は使うが要点さえ押さえておけば、それほど難しいものではない。
私が普段している仕事とは違うので、気分転換にもなって、結構楽しんでいる。

「あれ、Mさん、この会社に出入りしているんですか」
「あれ、シブヤさんこそ、わざわざ新宿から来たんですか」
「僕、独立前はここで働いていたんですよ」

世間とは、本当に狭いものである。
このように、色々な要素が絡み合い、人と人が出会って、社会は形成される。
そして、こういう出会いがあるからこそ、人生は面白い。

偶然、というのは、人の暮らしの中で、その人の人生に最も彩りを与えるものではないだろうか。

私とシブヤ氏の関係も、むかし彼の奥さんに私がPCの操作を教えたことがきっかけである。
そして、彼の奥さんが妊娠して、彼女がしていた仕事の一部を私が手伝うことになったのも、偶然と言えば偶然だ。

たまたま、奥さんが私のことを思い出したので、シブヤ氏とも繋がりが出来たからである。

「人と人との出会いは、まるでジグソーパズルのようである」
と、さいたま市在住のボケ・デザイナーは言った。

「ああ、そういえば、そろそろ産まれる頃なんじゃないですか」
私がそう言うと、シブヤ氏は、両手でガッツポーズを作って、「産まれたんですよぉ〜!」と絞り出すような声を出した。

その、全身で喜びを表す仕草につられて、私はシブヤ氏をハグしていた。

「おめでとうございます、いつ産まれたんですか」
「1月4日の午後7時22分です!」


ハグの次は、両手で握手。
失礼だと思ったが、あまりに嬉しくて、肩を強く叩いてしまった。
シブヤ氏の方も私に肩を強く叩かれて、クシャクシャの笑顔で大きく頷いている。

喜びの共有。
一人の命が、この世に生を受けただけで、これだけ喜ぶ人間がいる。

「ひとの命は、何よりも重いものである」
と、さいたま市在住のボケ・デザイナーは言った。

感動の共有をした余韻に浸りながら、桶川駅までの道を歩いているとき、携帯電話(娘の携帯を拝借。待ち受け画面が『スティッチ』。ストラップも『スティッチ』)が鳴った。
「お父さんが倒れて、救急車で運ばれた」というヨメからの電話である。

今日は、このあと熊谷のハウスメーカーに行く予定だったが、打ち合わせの日にちをずらしてもらって、川崎に駆け付けた。
行く前は「意識不明」と言われたが、病院に行ってみると、一週間程度の入院で済むだろうと言われた。

父親は寝ていたので、医師に挨拶をして、夕方には病院をあとにした。
渋谷駅から「湘南ライナー」に乗り、運良く「池袋駅」で座ることができた。
そして、座った途端、爆睡。

目が覚めたときは「東大宮駅」をはるかに過ぎて「古河駅」に着いたところだった。
飛び跳ねるように電車を降りて、反対方面の電車に乗り、引き返した。
上りの電車の中は空いていたが、座らなかった。座ると眠ってしまうからだ。

「電車の乗り過ごしには、注意しましょう」
と、さいたま市在住のボケ・デザイナーは、しみじみと言った。



2007/01/24 AM 09:42:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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