Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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新年は「ツボ」で始まった
56頁のカタログの組み版。
これが、年をまたがった仕事である。
この仕事は、1月5日までに印刷会社にデータを送らなければ間に合わない。つまり、今がまさにピークである。
こちらも大変だが、クライアントも校正をしなくてはいけないので、2日から会社に出て来るというから、彼も可哀想だ。

「年末も年始も仕事かよ! マッタク!」
というのは、贅沢な怒りである。
正月働いている人はいくらでもいる。
暖かい室内で仕事を出来るだけでも、幸運だと思うべきだろう。
中には、寒風吹きすさぶ戸外で働いている人も大勢いるはずだ。

ノロウィルスには、ご用心を!

当方の仕事は、今現在、商品406点をデジカメで撮って、フォトショップで画像を切り抜き終わったところである。
あとはこれを、あらかじめレイアウトしておいた頁にはめ込んでいくだけだ。
この作業は半日もあれば出来る。
そしてそれを2部プリントして、バイク便でクライアントに送る。

先方は2日に、二人がかりでそれを校正するのである。
その校正原稿が帰ってくるのが、3日。
それを修正したら、今度はファックスとメールで確認して、4日中に校了までこぎつけなければならない。
そのデータを5日朝までに、印刷会社のサーバに送って、この仕事は終了。

しかし、私の仕事はまだ終わらない。
4日の昼に、ある会社の社内報の原稿が来る。
これは季刊で、年4回のうちの3回までは、他のデザイン事務所がやっている。
だが、正月は事務所がいつも七日あたりまで正月休みを取るので、冬季号だけは、こちらにまわってくるのである。
しかも、他の3回は8頁なのに、冬季号だけは、12頁なのだ。

これは、テキストデータも写真データも一括で送ってくるからスケジュールは立てやすい。
しかし、校正をする人が3人いるから、いつもまとまりがない。
3人が別々の頁を校正するのなら、能率はいいのだが、そうではない。一緒に校正するのである。
ちょっと信じられない光景ではないか。
だから、一人の人がいいと思っても、他の人からクレームが来るという、紛らわしいシステムになっている。
修正をするたびに訳がわからなくなることがたまにある。
結局、初稿が正しかった、ということも度々ある。

何年やっても、このシステムだけは直らない。
正直、無駄なことをしている、と思うときもある。
だが、こちらがそれを言ってもしょうがない。
相手が、それがベストだ、と思っているのだから、口を挟む余地はない。

彼らはきっと、正月早々仕事をすることに意義を感じているのだろう。
たとえ、端(はた)から見てまとまりがないと思っても、その意気込みを批判することは失礼である。
彼らが、その時間を無駄だと思わなければ、無駄ではないのだ。

この仕事は、11日が校了である。
これでやっと、一段落できる。
しかし、その頃には、学校の冬休みはすでに終わっている。
今年も、子どもたちへのサービスは、親としての責任を果たせずに終わりそうだ。

これが一番つらいところである。
子どもに対しては、申し訳ない、という思いしかない。

気持ちの中では、「仕事よりも家族」と思っているが、実際は逆のことをしているという、自己嫌悪。
仕事人間、と呼ばれることを一番嫌っている人間が、結果的に仕事を優先しているという、嫌悪感。

今年も、この嫌悪感に苛(さいな)まれながら、私は仕事をしていくのだろうな。
そんな風に「反省猿」になっていたところに、息子と娘がやってきた。

二人が口調を合わせて言う。
「テレビ、全然面白くない!」
「駅伝やレベルの低いお笑い、体力自慢バカ自慢の番組ばっか! 出ている人も同じだし、五分見たら飽きる!」


テレビ番組というのは、大抵はタダである。
だから、面白いわけがない。
それにお笑い番組の場合、「笑ってやろう!」と待ちかまえている客相手だから、何をやっても笑いが取れる。レベルが低いのは当たり前だ。
駅伝の場合は、誰が走っても一所懸命に見えるから、感動したい人には打って付けである。

また、世の中には自分の肉体を見てもらいたい人が沢山いる。そして、力自慢を見たい人も沢山いる。
番組の手法としては、その人たちを集めて戦わせ、それを見せるというのは、一番楽な方法である。
見ている方は、出場者のうちの一人を選んで、その一人に入れ込み感情移入をする。その人が勝ち上がって、いいところまでいけば気持ちがいい。
こういう方法がテレビ局にとって、一番簡単なんだよ。


そんな説明をしたのだが、娘の考え方は実に単純である。
「つまらねえものは、つまらねえ!」

そこで、息抜きのため、近所のコンビニに3人で行くことにした。
おでんと雑誌数種を買わされること、しめて2572円。

子どもたちの機嫌も直り(単純な子どもたちである)、道をゆっくりと歩いていた。

すると、我々の前には、女子中学生とおぼしき女子が3人。
「チョーウケルンダケド〜〜」
携帯電話を見ながら、甲高い声で笑っていた。

数歩歩くたびに、
「チョーウケルンダケド〜〜! ツボハイッタ! ツボハイッタ!」
「チョーウケルンダケド〜〜! ツボッ! ツボッ!」
「チョーウケルンダケド〜〜! ツボニキタ! ツボニキタ!」

けたたましい笑い声を上げている。

ほ〜〜、若いのにそんなに壺に興味があるのか?
感心していると、3人は最初の角を曲がっていった。
「ツボ」に超ウケながら。

我々親子はそれを呆然と見送っていた。
そして、私は肩をすくめながらこう言った。
「オーマイガッ!」

すると、子どもたちは間髪入れずに欧米か!(本気で頭をハタキやがった)

お後がよろしいようで……。



2007/01/02 AM 09:21:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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