Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ひとり忘年会 その1
今年はまだ忘年会が一度もない。

例年、同業者の忘年会が最低2回はあるのだが、皆のスケジュールが合わなくて今年は一つも話がまとまらない。
この調子では、忘年会はゼロになりそうな気配。
これは、独立して初めてのことだ。

といっても、別に忘年会が好きなわけではない。
むしろ、嫌いな方だから、ないことは歓迎すべきことである。
6、7人で集まっても、二次会まで盛り上がることはない。
二次会に行くのもいるようだが、私はいつも二次会を断っている。
とりあえず、忘年会だけはお付き合いするが、それ以上のことは面倒臭い。
他人の下手なカラオケなど聴きたくない。頭が痛くなる。皿を投げつけたくなる。後ろ回し蹴りをしたくなる。

しかし、人間というのは勝手な生き物だ。
忘年会がないとなると、何となく寂しさを感じる。

そこで、馬鹿なことを考えた。
ひとり忘年会、である。
「隠れ家」で、ひとりで盛り上がろうと思ったのだ。

きっかけは、宮部みゆきの「ぼんくら」
本の整理をしていて、この「ぼんくら」の下巻を手に取ったら、お札らしきものが床に落ちたのである。
拾ってみると、二つ折りにした本物のお札だった。
数えてみると、三千円。二千円札一枚と千円札一枚である。

自分では全く覚えがないのだが、我が家では私の本棚に触る人間はいない。
別に「触るな」と厳命したわけではないが、私の読む本には家族の誰も関心を示さない。
しかも、「ぼんくら」に金を隠すというボンクラはいない(?)。

だから、これは私の金である。
そこで、これを使い切ろうと思ったのだ。
しかし、普段金を持ち慣れていないから、我が娘の鋭い眼力は誤魔化しきれなかった。
「金、持ってるだろ。バレバレだぞ。みんなには黙っててやるから…」
と脅されて、「少女コミック」と「のだめカンタービレ」を買わされた。
将来が恐い女である。

だが、それでも手元には2300円も残っている。
「ひとり忘年会」の会費としては、充分な額だ。
忘年会といえばまず、酒。
隠れ家には、「いいちこ」が常備してあるが、ここは奮発したいところである。

そこで、ロジャースで「フォア・ローゼス」を1170円の特価で売っていたので、これを購入した。
もっとも、奮発したといっても「いいちこ」と30円しか違わないが。
次におつまみとして、カマンベールチーズスモークチーズを買い求めた。

以上である。

私は食べ物に対する欲求が薄いので、これといって食べたいものがない。
たまたま、ロジャース内を巡り歩いて目に留まったものを買っただけである。
腹が減ったら、隠れ家にストックしてあるカップラーメンを食えばいい。
ゴミをあまり出したくないという「環境に優しい気持ち」を持っている私としては、これ以上地球を汚したくないのだ。

忘年会決行の日は、金曜日の深夜。
しかし、夜中に家族の目を盗んで家を抜け出すときに、荷物があっては邪魔なので、購入したものは、朝のうちに運び込んでおいた。
ゴミ捨て場で拾ったギターも、ついでに。

このギターは、先週の金曜日の朝、東京の新川2丁目の得意先に行こうと朝早く家を出たとき、ゴミ捨て場で見つけたものだ。
いくら私が意地汚い性格だといっても、今までにゴミ捨て場からものを拾ってきたことはない。

いや、一度しかない(結局あるのか!)。

それ以来のことである。
横目で見たところ、弦が数本切れてはいるが大きな傷や汚れはなさそうだし、破れているところも折れているところもない。
つまり、弦を張り替えれば使えるのではないか。
そう思いながら、ゴミ捨て場を通り過ぎた。
いつもは風のように自転車を走らせるのだが、この日だけは風といっても微風である。

どうしよう。拾っちまうか。いや、誰かに見られたら恥ずかしい。
「Mさんのご主人、とうとうゴミまで漁るようになったみたいよ」という井戸端で交わされる会話などが、頭の中を駆けめぐる。


しかし、生まれつきの意地汚さには勝てない。
引き返すときは風のようである。
周囲に誰もいないことを確かめると、バーゲンに群がるおばちゃんのような素早さでギターをゴミの山から抜き出し、我が家の玄関脇のメーターボックスに慌てて隠した。

(その2に続く)


2006/12/16 AM 10:31:41 | Comment(2) | TrackBack(1) | [Macなできごと]



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