Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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めまいが治った日
突然、めまいが治った。

発症の始点から換算すると、ほぼ二週間。
いつも二週間前後で治る持病だから、突然治ってもおかしくないのだが、治る時はいつも唐突である。

何の前触れもない。

朝目覚めると、地面が揺れていないという感覚。
立ち上がっても、歩いても揺れていない。
健康な時は当たり前のことだが、それが妙に嬉しい。

しかし、不思議な病気である。
突然始まって、突然終わる。
何が切っ掛けで始まるわけでもなく、何が切っ掛けで終わるわけでもない。

前日は普段通り朝起きて、息子の弁当を作り、家族の朝飯を作った。
その後、大宮の印刷会社に行って、Macのメンテナンスをした。
それから、同業者の事務所に行って、インターネットを使わせてもらい、「宅ふぁいる便」で取引先にデータを送った。
この時は、まだまわりが揺れていた。

午後は、熊谷のハウスメーカーとの打ち合わせ。
そして、4時半にまた同業者の事務所に図々しく押しかけ、PCを使わせてもらった。
そこで、SUNTORYの新しい発泡酒「ジョッキ黒」を飲ませてもらった。
発泡酒にしては、美味い! リッチな味がする。

感動していたら、2本、お土産にくれた。
感動してみるものである。

この時も、めまいは感じていた。
発泡酒を飲みながら、事務所の天井が揺れるのを感じていた。

帰りに、「隠れ家」に寄った。
途中にあるコンビニで、おでん(はんぺん、ゴボ天、大根、タコ串)を買ってきたので、それをつまみながら、同業者にもらった「ジョッキ黒」を飲んだ。

コンビニのおでんはなぜこんなにも美味いのか。
タコなど、絶品である。
我が家では、子どもがタコ嫌いなので、食卓にタコが並ぶことはない。
久しぶりのタコだが、それを差し引いても、コンビニのタコは美味い!

隠れ家は事務所だけの灯りなので、ほの暗いが、この暗さが落ち着くのだ。
たまにそばを通る大型トラックの音が聞こえるが、それ以外は静かだ。

ラジカセでCDをかける。
Joe Cockerの古いアルバム「Mad Dogs & Englishmen」である。
ジョー・コッカーというのは、今では忘れ去られたシンガーかもしれないが、ある時期まばゆいほど輝いていた、白人のR&B(リズム・アンド・ブルース)シンガーである。

今流行りのエアギターもどきのパフォーマンスと苦しげに声を振り絞る歌唱法は、海外の色々なアーティストに影響を与えていた。
そして、この「Mad Dogs & Englishmen」は、そのジョーのシンガーとしての頂点に立つものである。

神懸かりと言えるほど荒々しいライブのジョー・コッカー。
間近に飛び散る汗を想像できるほど熱唱するジョー・コッカー。
先年亡くなったRay Charlesを模倣したような構成だが、その完成度はレイ・チャールズを凌駕している。
今は過去の人になったLeon Russell(レオン・ラッセル)がバンドリーダーになってピアノを弾いているが、レオンにとってもこれが最高の作品と言えるほど、荒削りでパワフルなブルース・ピアノを弾いている。

全21曲、どこにも破綻がない。
これほど熱い音を連続で聞かされたら、途中でウンザリしてくるものだが、一気に聴けるのだ。
何もない空間に、Joe Cockerのソウルが充満する。
まるでここがフィルモア・イーストであるかのような臨場感。
「ジョッキ黒」を飲みながら、思わず両足でリズムを取る自分に、笑いが出る。

この時も、周囲は揺れていた。身体に馴染んだ揺らぎである。

Joeのライブを堪能して、家に帰った。
7時を過ぎていた。
夕飯はおでんだ。
私が作るおでんは、野菜が中心である。

大根、ジャガイモ、ニンジン、里芋、レンコン、タマネギをまるごと、キュウリ、セロリ、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、ベーコン、竹輪、ちくわぶを、水1:日本酒1の割合で土鍋で煮込んでいく。
煮込んだあと灰汁を取ったら、顆粒のカツオダシと昆布ダシを入れて、また煮込む。
大根が柔らかくなったら、薄口しょう油と砂糖を入れて、また煮込む。

最後に、はんぺんを入れ、しゃぶしゃぶ用の豚肉スライスを巻いて爪楊枝で刺したものを入れて、5分ほど煮込んで火を止める。
これが我が家のオリジナルおでんである。
自慢ではないが、美味い。
今日食べたコンビニのタコ串には負けるかもしれないが、子どもたちは、「うめえぞ、これ」と言って、あっという間に平らげる。
残った汁にご飯を入れて雑炊にするのだが、これもあっという間になくなる。

夕飯の後は、いつもより長めに風呂に入り、一時間ほど仕事をして一時前に寝た。
寝る前もまだ、まわりは揺れていた。
それがもう当たり前になっていたので、気にしないで寝た。

そして、朝起きると、めまいは跡形もなく消えていた。
気まぐれなめまいの妖精に翻弄された二週間。

朝久しぶりに7キロほどジョギングをしてみたが、走った後の発泡酒の旨さを実感しただけで、めまいはまったく感じなかった。

汗が心地よかった。
そして、日常が戻ってきた。


2006/11/02 PM 12:49:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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