Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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マクドナルドの珈琲で口直し
PCの調子が悪いから見てくれないか、と電話がかかってきたので、大宮の得意先に行って来た。
得意先のPCは、ウィンドウズ。
私はWINに関してはど素人、と何度も言っているのだが、ひとの話を聞かない人間は世間にたくさんいる。

本来なら断るところだが、思いがけなく丁重な言葉で懇願されたので、つい「はい」と言ってしまった。
言葉というのは、使い方次第で、簡単に人の心を変えることができる。

勉強になった。

ウィンドウズのOSは「WINDOWS 2000pro」ということを聞いて、インストーラディスクを持っていった。
PCの症状だが、WORDのドキュメントを保存すると、一応保存はされるのだが、次に同じものを開こうとすると開けないケースが、かなりの確率であるらしい。

私がWORDのドキュメントを作って保存してみると、確かに開けなかった。
何度かやってみたが、開けないことの方が多かった。
この場合、一番疑われるのは、WORDが壊れている可能性だ。
だから、WORDを再インストールしてみた。

その結果、あっけなく直った。
新規ドキュメントを作って、保存してみたが、今度は普通に開ける。

「なんだい、そんなことかい」
電話とはうって変わった軽い口調で、担当者は大笑い。
こちらは苦笑い。

丁度、昼飯時だったので「Mさん、おごりますよ」と言われて、近所の定食屋に連れて行かれた。
彼は、私が貧乏だということをよく知っている。
貧乏人は、こういうとき得である。
年下の人に奢ってもらうことに、何の抵抗も感じない。
これを図々しいと取るか、恥知らずと取るか、あるいは羨ましいヤツと取るかは、自由だ。

彼は、生姜焼き定食、私はアジフライ定食を頼んだ。
味噌汁つき、ご飯おかわり自由で、650円(税込)。
お茶は、セルフサービスで飲み放題。
贅沢な昼食である。

しかし、感動したのはここまで。

味噌汁をすすって、驚いた。具がない。味がない。
いや、ないわけではない。なめこの残骸(?)が一つだけ浮かんでいた。私はなめこだと言ったが、担当者は違うと言う。
しかし、それは些細なことだ。

私は、プロのテクニックに驚いた。
この汁、色は味噌汁の色をしているが、全部飲んでも、味噌汁を飲んだという実感がないのだ。
となりのテーブルを見て、さらに驚いた。
この味噌汁に塩を振りかけたり、しょう油を垂らす人がいる。
無料の揚げ玉を鷲掴みにして、汁碗にぶち込んでいる人もいる。
私も真似をしようと思ったが、もうすでに飲み干したあとだった。損した気分。

アジフライはどうか。
これもすごい。
油の味しかしないのだ。噛めば噛むほど、油の味しかしない。
脂ののったアジという意味ではない、油にまみれたアジである。
油のあじのするアジ。
シャレにもならない。(苦笑い)

こうなると、ご飯も期待できない。
そして、その予感は見事に適中。
三日間、炊飯ジャーで保温しっぱなしのご飯のような味。
アジフライよりはいいが、おかわりなど、とんでもない、というシロモノだ。

そして、極めつけは、アジフライのそばに小さく盛られたキャベツの千切り。
私は、これほど力なく萎(しお)れたキャベツの千切りを見たことがない。
キャベツが可哀想になった。
キャベツも、まさか自分がこんなに情けない状態で人前に出されることを、予想していなかったに違いない。
色は限りなく白に近い。そして、口に入れた時の、無惨なまでの存在感の無さ。
哀れである。気持ちが萎(しぼ)む。キャベツを食べて、気持ちが萎んだのは初めてだ。

担当者と顔を見合わせて、笑うしかない。
そして、彼は、納得するように大きく頷きながら、こう言った。

「いやー、この店、会社の近くにあるのに、うちの社員は誰も行こうとしないんですよ。話題にするのも避けてるみたいで…。その理由が今わかりました。はっきり、わかりました。すごいわ、これ!

ははは………。

奢っていただいたこともあり、私はすべて平らげたが、彼の生姜焼きは半分以上残り、ご飯も半分以上残っていた。

「コンビニで、おにぎりでも買っていきますよ」
彼はレジのおばちゃんの前で、これ見よがしに大声で言いながら支払いをしていたが、おばちゃんは一枚上をいく。

「そうそう、若い子はこれだけじゃ足りないもんね」

ハハハ………。

礼を言って、彼とは定食屋の前で別れた。

電車に乗ってさっさと帰ろう、と思いながら歩いていると、マクドナルドの看板が見えた。
財布には、5百円近い小銭がある。
100円珈琲を飲むという贅沢をしても、許されるはずだ。

小雨が降ってきた関係で、店内は混んでいたが、独り座るスペースはある。
マクドナルドの珈琲は、年に数回しか飲まない。
特別、美味いと思ったことはない。
不味くはないが、無難な味という印象が強い。

しかし、今日は違った。
マクドナルドの珈琲って、こんなに美味しかったっけ?
琥珀色の液体が、体中に染み込みわたるのが実感できるような、濃厚さを感じた。

私の中で、マクドナルドの珈琲のランクが、3ランク上がった日だった。



2006/09/27 AM 11:56:05 | Comment(1) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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