Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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必殺仕事人のテーマ
私には3歳年上の姉がいる。
姉は未婚。子どもはいない。友人もいない。無職。

姉とは、子どもの頃から、ほとんど会話を交わしたことがない。
どんな話をしても、話が噛み合わないのだ。

どんな話題でも、最後になると話の方向が「姉の妄想」に行き着いてしまうので、話していて虚しくなる。
子ども心に、「姉はおかしい」といつも思っていた。
だから、なるべく関わらないようにしていた。

姉は、頭は普通以上に切れる。優秀な部類に入る。記憶力の良さは比類がない。
しかし、努力をする才能がない。
自分の可能性をすべて閉ざして、妄想の世界に浸るだけの人生を生きている。

今年の5月ごろから、その状態がさらにひどくなった。

ゴールデンウィークに、姉から私宛にCメールが来た。
この4月に携帯電話を新機種にしたのだが、運悪く姉と同じ「au」だった。
姉と同居の母に新しい電話番号を教えたところ、それが姉に伝わってしまい、「恐怖のCメール攻撃」が始まったのである。

姉からのメールは、わかりやすいように「必殺仕事人のテーマ」に乗ってくる。
平均すると、一日5回くらい「必殺仕事人」が鳴る。

内容は、8割方、理解不能。
残りの2割は、病気の母親の病状報告。これは普通に理解できる。
8割のメールは、主語がなく、句読点の全くない文章で、しかも話が前後するから、全体を捉えづらい。
今日のことを言っているのかと思ったら、ひと月前のことを言っていたりすることがある。

概して、他人の悪口が多い。
それも、姉が会ったことのない人の悪口だから、根拠がわからない。
ただ、すべてのメールに共通していることは、「自分は悪くない。自分は世界で一番可哀想な人間である」というところ。

それを、妄想を交えて、時間軸を無視して書くから、話が伝わらない。

同じ内容のメールを立て続けに、6件送ってくることもある。
内容が理解できないから、返事の書きようがない。
絶えず興奮しているようなので、「落ち着いて」とだけ返信する。(返信は20回に1回くらいの割合でしている)

こちらの頭がおかしくなりそうなので、最初「着信拒否」をしようかと思ったが、あとの展開が怖いので、それは止めにした。
夜中の3時、4時でも、平気で「必殺仕事人」が鳴る。
内容は、とても夜中に寄こすようなものではない。

すごい人だと思う。

あまりすごいので、誰かに相談することにした。
本当は、本人を精神科などの医者に診せたいところだが、それは北朝鮮を翻意させるよりも難しいことだ。
異常な怖がりで、異常にプライドの高い姉が、承諾するわけがない。

そこで、精神科医の「メール相談」を利用することにしたのである。

このままでいったら、「俺がノイローゼになる」と思ったからだ。
仕事に支障をきたす。

「メール相談、3往復で5,000円」というシステムのものを利用した。
怪しい感じがしたが、藁をもすがる心境である。

最初は、姉の人物を客観的に描写したものを送った。(正確で細かい描写を心がけたのでかなりの長文になった。全部読んでくれたか心配)

そして、こんな返信が来た。
「もし、薬物中毒でなければ、社会不安障害かもしれません。あるいは、診察行為をしてみたら、統合失調症と診断される可能性もある」(要約)

そんなことは、こちらもインターネットで調べればわかる。予想していたことだ。その病名のことは、メールに書いたはずだ。
そんなことを聞くために、金を払ってるんじゃねえぞ。
素人にわからない精神医学理論と治療方法、対処方法を教えてもらいたいから、メールしてるんだろが!


そこで、支離滅裂な姉のメールを一件添付して、これで判断できないかと聞いてみた。

「文章としては全く意味不明で、判断のしようがない。この心境に至った心理的背景がわからないと、何とも判断できない」(要約)

アホか! 1件目のメールで、ほとんどすべての状況を時間の経過に合わせて説明しているのに、何で判断できないんだ。意味不明なのは、こちらも同じだ。だから専門家の意見を聞いてるんじゃねえか!

いけない! あまり頭に来たものだから、乱暴な言い方になってしまった。

最後に、姉から来た意味不明のメールをさらに5件、添付して聞いてみた。
「そちらは専門家ですから、解読能力を期待しています」という、皮肉の効いた文章を最後に添えた。(こちらもかなり感情的になっていたかも)

「残念ながら、ご本人と直接会話してみなければ、判断できかねます。一度ご足労ですが、ご本人をお連れください」(アッサリ)

唖然、呆然。
語る言葉なし。


本人を連れて行ったところで、自分を美化する能力は天才的だから、本当のことを言うわけないだろう!(姉は高校の時の心理テストで、『行動は極めて積極的、他人への思いやりが強い』と判断されたことがある。あまりにも嘘の答えばかり書くので、母親が学校に呼ばれて説教された。お節介な学校だが、本当のことだ)
だから、私が客観的に、細大漏らさず事実を伝えたというのに!

期待した私が馬鹿だった。

「必殺仕事人」に頼んで、この医者、抹殺してもらおうか。

ほらまた、「必殺仕事人のテーマ」が鳴ったぞ。



2006/07/27 AM 09:01:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | [怖い話]



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