Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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人使いの荒いイトウ
仙台の同業者のサポートに2泊3日で行ってきた。

元乗馬インストラクターという変わった経歴のイトウ君は、35才独身。
29才からデザイン会社に勤め始め、一昨年独立した、身長177センチの男。
彼は、カタログ販売の会社を顧客に持っているので、まとめて仕事が来たときは、仕事のボリュームが半端じゃなくて、一人ではこなしきれない。
そこで、私に声がかかるということになる。

彼とは2年前、幕張で開催された「CEATEC JAPAN」で、同じ出展企業の仕事をしたのが切っ掛けで知り合った。
彼はブースデザイン、私は3DアニメとFLASHアニメの一部分を担当した。

その時は、それほど親しくはならなかったが、昨年私がある展示会でブースデザインを請け負ったとき、彼にアドバイスをしてもらった。
それからは、頻繁にメールで情報交換をするようになり、溢れた仕事を回し合うようになった。

去年は一回、日帰りで彼の仕事を手伝ったが、イトウ君は優しそうな外見に似合わず、人使いが荒い。
朝一番の新幹線に乗って彼の仕事場に行ったら、休む間もなく、すぐ仕事をさせられて、夕方までノンストップだった。
昼食はコンビニ弁当で、それに栄養ドリンクを付けてくれただけだった。

「Mさん、今回もハードですよ。でも、喜んでください。もらい物のビールと栄養ドリンクはたっぷりありますから、飲み放題ですよ。頑張って下さい」
得意気にそう言われたが、ビールばかり飲んでいても仕事にはならないし、栄養ドリンクを飲み過ぎても、興奮しすぎて逆効果だろう。

それに、どうせ食い物はコンビニ弁当だろ。
三食、コンビニ弁当はつらいものがあるな。


「それじゃ、夕食はピザにしましょう。好きなものを頼んで下さい。一人暮らしだとピザは頼みづらいんで、俺もずっと食べてませんから楽しみですよ」

また休みなしで働かせるつもり? 睡眠時間は何時間を予定している?

「5〜6時間は取れますよ。でも、それも仕事のはかどり具合によってですけどね」

しかし、彼から事前にもらった仕事の内容から推測すると、その見込みはかなり甘いのではないだろうか。
私の見積もりでは、ほとんど睡眠時間はない計算になる。

こういう悪い予感は適中することが多い。

初日(水)はほとんど休みなしだった。
今回はWEBデザインが主流の仕事。
デジカメで撮った商品画像をフォトショップで切り抜いていき、HTMLエディター上に貼り付けていく。
サムネールと拡大画像の2種類を作る。
それをショッピングカートと連動させていく。

ほとんど同じ作業だが、とにかく数が多い。力仕事という感じだ。
イトウ君は、このほかにサーバにサンプルCGIをアップロードして、動きを確かめたり、ページ間の連携のチェックなどをしている。

夕食のピザも、作業をしながら、ビールで流し込むというかたちだった。
その合間に、娘から来たCメールの返信をする。(基本的に携帯でメールをすることはないのだが、娘とは簡単なCメールでやり取りをしている)
「メシ食ってるかぁ?」のあとは、ギャル文字を使っているので解読不能。適当に返事を書く。
しかし、その返事もまたギャル文字で来るので、また適当に返信する。

寝たのは翌朝(6日)5時。フローリングに直に寝る。
起きたのは、6時半。つまり1時間半しか寝ていない。背中が痛い。

そして、力仕事は続く。
最初のうちは冗談も言っていたが、今や言う元気も気力もない。
ただひたすら、画像を切り抜いて貼り付ける。

そして、夕食はまたピザ。
この日おそらく8本目のビールを飲みながら、ピザを流し込む。

娘からのCメールを開く。学校での出来事をギャル文字で書いてあるのだが、当然意味不明。
適当に返信する。
作業をしながらだから、せわしない。

深夜(7日午前2時=つまり、約11時間前)になって、「シャワーでも浴びましょうか」と言われて、やっと休憩が取れた。
作業は、大体95パーセントが終了。
間近に出口が見えてきた、といったところだ。

バスタブに浸かると眠ってしまいそうなので、シャワーだけにした。
熱い湯が肌を打って、心地よい。一瞬だが、眠気が飛んでいく。
上がって、ビールを一気に飲むと、爽快感があって、生き返ったような気分になる。

「いい気持ちだね。サッパリするよ」
イトウ君に話しかけたが、彼はパソコンディスクに突っ伏して、爆睡のさなかだった。
右手にビール缶を握りしめて、左手にはフェイスタオルを持って、ヨダレを垂らしていた。

先にシャワーを浴びて、「よし、ラストスパートだ」と叫んでいたが、そのまま眠ってしまったようだ。

私はもう一本ビールを飲んで(この日10本目?)から、最後の作業に取りかかった。
私のノルマはあと3ページだが、早く終わらせて帰りたかったので、彼の分も合わせて5ページを1時間半で終えた。

時刻は、午前4時半。
イトウ君はまだ爆睡中。
ヨダレの量がさらに増えている。

私は腹が減ったので、勝手に冷蔵庫チェックを始めた。
野菜類は全くない。
ビールと牛乳の他は、ハムとチーズ、卵、瓶詰めのキムチ、納豆、それに冷凍庫にフライドポテトがあるくらいだ。

私はハムとチーズを細かく刻んで、ボールに入れ、卵6個を割り入れて混ぜた。牛乳と味の素を少々入れる。
そして、ほとんど新品同様のフライパンを借りて、オムレツを作った。

オムレツは当然2人分。
さらに、オーブントースターで焼いたフライドポテトを添えた。

紙製の皿2枚に盛りつけたが、なかなかの出来栄えだ。
デジカメに撮っておきたいくらい、芸術的なオムレツができた。

味もイケル。上品な味だ。
ケチャップがないのが残念だが、そのままでも充分うまい。

アホ面でヨダレを垂らしているイトウ君に、「終わったから帰る。オムレツうまいから食え」と書き置きを残して、午前6時過ぎにマンションを出た。

6時53分発の新幹線「やまびこ」の中では、当然ながら爆睡。
しかし、不思議なもので、大宮駅に着く5分前くらいにキッチリと目が覚めた。

何気なく携帯電話を覗いてみると、娘の「起きろ!」というメールの他に、イトウ君からメールが2通来ていた。
彼の携帯も「au」なので、Cメールは簡単にできる。

仕事の感謝メールが1通。
もう1通は、「オムレツ、ウ・マ・ス・ギ・ル! Mさん、いったい、あなたは何ものですか? これからシェフと読んでいいですか」という、どうでもいい内容だった。

言わせてもらうが、イトウ君。
「シェフ」ではなく、「巨匠」と呼んでもらいたい。

しかし、イトウ君。巨匠は眠いよ…。
これからはもう少し、ゆるい仕事を回してくれないかな。



2006/07/07 PM 01:24:43 | Comment(3) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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