Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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美しいスポーツ
ワールドカップも最終局面。
今日にも強豪の4強が出揃う。
どれもが、勝つべくして勝ち上がった代表チームばかり。

その、ワールドカップ出場国の中で、サッカーど素人の私が、「美しい」と感じたのはアルゼンチンだ。
パスの受け渡しの流れるような、その美しさ、躍動感、そして芸術性などは、明らかに他の国と違って見えた。

私は、アルゼンチンの優勝を予想していたが、残念ながらドイツに負けてしまった。
しかし、優勝できなくても、私にとって、アルゼンチンのサッカーを見られたことは、このワールドカップ一番の収穫だと思っている。

このアルゼンチンや、惜しくも負けたがオーストラリアチームの、サッカーに対する姿勢などを見ると、私はこう思うのだ。

スポーツは、美しくあるべきだ。

心地よい感動を与えることが、スポーツの原点。
そのためには、アスリートは美しくなければならない。
これはもちろん、容姿のことを言っているのではない。表現美のことだ。

勝負事は、勝つか負けるかどっち、と言えば、勝つほうがいいに決まっている。
しかし、勝てばいいというわけではない。

資金力にものを言わせて、有力選手を集めて「金で勝利を買う」MLBのヤンキースや、スペインのレアルマドリード、読売巨人軍(野球チームなのに何で軍? しかもメディアの名前を真っ先に付ける醜悪さ)などは、全く美しくない。

もっとも、今どきのプロチームに拝金主義批判をしても意味はないのかもしれない。
ほとんどのプロチームのオーナーが、その方式に憧れているだろうから……。

そして、彼らはこう言いたがっている。

「どうだ! これがドリームチームだ! スゴイだろ! せいぜい喜べ!」

スターを集めて勝つことが、企業スポーツとしては、最高の営業努力という錯覚に陥るのはわかる。
だが、これでは、あまりにも短絡的で品がない。

そして、品がないといえば、亀田興毅。
対戦前に「メンチ切り」という儀式をやるらしいのだが、私はそれだけで試合を見る気をなくす。
その姿は、土佐名物の「闘犬」にしか見えない。

そもそも、メンチって何?
メンチといえば、メンチカツ、しか思い浮かばない。

メンチカツを切る?
ついでにキャベツを千切りに。

「キャベツ切り」ではいけないのか?

その昔、モハメッド・アリというヘビー級の世界チャンピオンがいた。
ビッグマウス(大口叩き、ホラ吹き)と言われたが、賢く美しいボクシングをした。
亀田興毅の大口も愛すべきものだが、アリの大口には計算されたクレバーさが感じられた。

私は29才の時、ボクシングジムに通っていたが、それは子どもの頃、モハメッド・アリに憧れていたからだ。
ボクシングは野蛮なスポーツだと思っている人が多いが、私はそう思ったことはない。

それは、アリのボクシングが美しかったからだ。
ヘビー級なのに、軽々としたフットワークで、まるで踊るようにリング上を舞うのだ。
その黒い肌が舞うとき、気品すら感じさせた。

これのどこが野蛮なのだ!

人を殴ることが野蛮なら、人を投げて畳に叩き付ける柔道はどうなのだろう? 竹の棒で人を叩く剣道はどうなのだろう?
「道」がついているから、野蛮ではない、と言うのだろうか。

柔道や剣道は、最初に礼をするから?
ボクシングだって、ゴングと同時にグローブを合わせて、挨拶をする。
どこが違うのだろう?

亀田興毅に関しては、いろいろと言われている。
「弱い対戦相手ばかり選んでいる」
「あれほどの視聴率を取れるスター選手はいない」
「今どき珍しい有言実行の男だ」など。

私も「弱い対戦相手を選んでいる」という意見に賛成だが、鍛え上げた上半身の動き自体は世界レベルの選手だと思う。
かなり練習を積んでいることは、全く無駄のない筋肉から想像できる。
防御技術に関しては、低レベルの選手としかやっていないから、全く判断できない。
だから、フットワークを磨いて、アウトボクシングに徹すれば(無理矢理KOを狙わなければ)、いいボクサーになる可能性はある。

だが、それにしても、彼は美しくない、と思う。

元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンも美しくなかった。
スプリンターのベン・ジョンソンも美しくなかった。
江川卓も美しくなかった。

それは、何故かと言うと、彼らが作られたものだからだ。
彼らには、「意志」が感じられない。
名前、人気だけが先行して、誰かに操られるように「砂の椅子」に座らされただけだから、存在自体が脆(もろ)い。
大きな波が来たら、土台ごと崩れてしまう。
足を掬(すく)われるしかない。

それは、惨めだ。

亀田興毅が本当にチャンピオンベルトが欲しいのなら、闘犬のようなパフォーマンスは止めたほうがいい。
誰が仕向けたのか知らないが、存在を小さくしている。
もし、それがファンサービスだと思っているのなら、さらに惨めだ。救いようがない。

もし、彼を真のチャンピオンにしたいのなら、パフォーマンスはリング上でのファイトだけで表現すべきだ。
「意志」の見えない虚勢は、見苦しすぎる。

もったいない、と思う。


2006/07/01 AM 10:51:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]



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