Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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鳥瞰図イラスト
2週間前に、得意先から鳥瞰図を書いて欲しいと依頼を受けた。

鳥瞰図は、A3サイズ一杯に、わかりやすく立体的にとのご要望。

当然、空から撮った写真があると思って聞いてみたが、「ありません」。
キッパリと言われてしまった。

大学のパンフレットに使うらしいが、予算の関係上、空から撮影する余裕はないという。
では、大学全体の「平面図」はあるでしょうね。

「いや、それもない。貸してくれなかった」
またも、キッパリと言われた。

じゃあ、どうやって描けばいい?

「校舎やグラウンドを断片的に撮った写真があるから、それをつなぎ合わせて、『想像で』描いてください」

想像でいいんですか?

「先方に見せてみて、あまりにも変だったら、修正が入るでしょう」

まあ、そうだろう。
この程度のデータでは、正確に描く方が無理というもの。
一発で決まることは有り得ない。

こんな心細い仕事は、まともなデザイン事務所なら、おそらく断る仕事。
しかし、当方はまともではないフリーランサーなので、引き受けた。

渡された写真をパズルのように組み合わせて、自分が大学キャンパスを設計したらどうなるかを想像しながら、自分なりに平面図を作ってみた。

難しいかと思ったが、やってみると、これがかなり面白い。
想像力を駆使して、「このスロープは少し曲線だろう」とか「この写真の陰に隠れたものは、花壇に違いない」、「この木の回りに小さく映っているのは、円形のベンチだな」、「正門には守衛室が必要だ」などと考えていると、時のたつのを忘れる。

自分が行っていた頃の大学と、今の大学では、全然雰囲気が違うだろうから、それは参考にならない。
しかし、自分がもし今大学生だったら、ということを考えながら全体を想像すると、ある程度見えてくるものがある。

先々週の週末の真夜中、4日間かけてイラストレータで描いた平面図を、今週の木曜日の夜、鳥瞰図にしていった。

校舎は高さに応じて、個別に立体化していき、門、壁も個別に立体化していく。(これはKTP Vector Effectsというフィルタを使う)
そして、写真を参考にしながら、校舎の窓を付け加えていく。
校舎の影も付け加える。

さらに、樹木、花壇、道、グラウンドを、それらしい色、模様にマッピングしていく。
体育館は特殊な形をしているので、これはイラストレータのパスを駆使して、立体的に描き上げる。
他の建物と角度が違うと不自然なので、ここだけは神経を使った。

キャンパスの周辺は、道路プラス車、建物、樹木を追加して、道路、車以外はあとで「フォトショップ」でボカした。

取りかかってみると、意外と簡単。2時間半くらいで、できてしまった。
プリントしてみても、全く不自然さは感じない。
立派に絵として成り立っている。

朝、学校に行く前の娘に見せたが、「おまえ、結構やるじゃん」と褒められた。

それを早速、昨日の朝クライアントに持っていった。
子どもの感性は鋭く、正直だ。
クライアントにもほぼ同じニュアンスのことを言われた。

「さすが! やりますね。Mさん」

クライアントはその場で、先方にファックスを送った。
待っていると、30分くらいして、先方から電話がかかってきた。

「1カ所大きく違うところがあったが、他は大体合っている。すごい」と言われたらしい。

「2ヶ月以上かかるものと覚悟していましたけど、この分だと早く終わっちゃいそうですね。正直言うと、『Mさんには荷が重い』と言っていた人も社内にいるんですよ。私はそんなこと全然思わなかったですけどね」

最後に取って付けたように否定したところを見ると、彼も「こいつには無理」と思っていたクチだな。



2006/06/10 AM 11:09:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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