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● インターネットの悪霊 |
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先日、インターネットで母親の病名に関して検索をしていたら、思いがけないものにヒットしました。
それは、なぜかインターネット小説に関してのものでした。 インターネットで小説を発表する人はかなり多いようで、それに関する書評を載せたサイトです。
その人が評論している、いくつかの小説のうち「限りなく永い休息」という短編小説がありました。
このタイトルに見覚えがあります。 見覚えがあるどころか、実は5年ほど前に、これと同じタイトルの短編小説を、自分のHPに載せたことがあります。
そうか、同じ題名で小説を書いている人がいるのか、と思って文章を追ってみると、その中の22行が、抜粋されていました。 読み進むうちに、「何だ、俺が載せたものじゃないか」と思いましたが、作者の名前のイニシャルが「A・T」となっています。 私のイニシャルは「M・S」ですから、イニシャルが違う。
抜粋されている箇所をあらためて読んでみると、前半の15行は数カ所を除いてほとんど同じだが、あとの7行が全く違う。
評論を読んでみると、「前半の思い切りのいい文体が途中で破綻するところが惜しい。前半の勢いで押し通したら、かなり完成度の高いものになったのではないだろうか。前半と後半では全く別人の感がある」と書いてあります。
前半はどう考えても、私のものだ。 いくら日本に1億数千万の人がいたとしても、15行の文章のほとんどが同じものを書く人がいるとは思えない。
そんな偶然なんてあるわけない!
つまり、盗作! 私がHPに載せた小説を前半だけパクッて、後半を適当に変えて発表したに違いない。
「前半と後半では別人の感がある」 それは当たり前でしょう。 別人なんですから。
そこで、早速そのサイト責任者にメールを出しました。 私の5年前のHPはすでに閉鎖していますが、当時書いた短編小説はテキスト形式で残してあります。 それを添付して抗議したら、すぐに返信が来ました。
「この種のことはよくあることで、インターネットでは盗作は日常茶飯事です。アップロードしたら、それは盗作の餌食になると思った方がいいと思います。ただ、今回は当方の責任で削除しますので、それでお許しください」
そうか、作品をアップロードしたら、盗作の餌食になる可能性があるのか。 インターネットは怖い。あらためて、それを感じさせられました。
以前もこんなことがありました。 自転車の後輪のブレーキが「キーキー鳴ってうるさい」と息子から言われたので、何とかそれを抑えることが出来ないかと、試行錯誤して研究したことがあります。
4年ほど前に、その経過をHPに逐一載せました。
結論は、「一度ブレーキが鳴き出したら諦めるしかない」というものでしたが、あることをすれば、一時的に鳴きを抑えることが出来る、ということを発表しました。 しかし、この効果も4、5日たつと薄れ、またキーキー鳴き始めるから、余り役に立たない、とも書きました。
これが前半の「鳴きを抑えることが出来る」という部分だけ、都合よく抜粋して(画像もそのままで)他のHPに載ったことがあります。 もちろん、私の許可なく、です。
「後半の部分を省いてしまったら、誤解される。これは即刻削除して欲しい」と強く抗議すると、最初はとぼけていましたが、最終的に削除してくれることになりました。
どちらも気付いたからいいものの、気付かない部分で被害を受けている人はかなり大勢いるのではないでしょうか。
油断も隙もない!
インターネットでは、そんな嘘が蔓延している。 私個人でさえ、目に見えるだけで2つの被害を受けているわけですから、トータルで見たら膨大な数になると思います。
インターネットは大変便利です。 しかし、便利さの陰に「悪意の嘘」がちりばめられたのがインターネットである。 インターネットにはウィルスだけでなく、たちの悪い「悪霊」も存在している。
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2006/05/14 PM 12:28:45 |
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