Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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ここにもオンリー・ワン
5月2日の夜10時ごろ、飛び込みの電話がかかってきました。
5月8日の午後の昼食会議に使いたいので、全9ページの資料を60部作ってくれないかという、息せき切ったものでした。

データはお決まりのようにワードで作ってあります。
完璧なワードデータなら、そのまま中身をいじらずに、レーザプリンタで60部プリントして丁合すれば済みますから、大変楽な仕事です。

そこで、データをメールで送ってくれるように頼みました。
早速中身を見てみると、B4の横長のドキュメントに、1ページごとにエクセルで作ったグラフが2〜3個貼り付けてあります。
このままなら簡単にプリントできそうです。
クライアントにそのことを電話すると、彼は申し訳なさそうに、「実はエクセルのデータはほとんど修正が必要です」と、なぜか小声で告げました。(最初にそれを言え!)

「こちらが修正するのですか?」
と聞くと、「はい、オペレータがゴールデンウィークの休みに入ってしまい、修正する人がいないので」と言います。

私は、エクセルは不得意です。最低限のことはできますが、細かい込み入った修正になるとお手上げです。
そこで、「私に修正は無理です。知り合いに当たってみますが、そちらも休んでいるかもしれませんので、あまり期待しないでください」と言って、いつも頼んでいる外注さんに電話をかけました。

しかし、予想通り、「お電話ありがとうございます。当方では、5月7日までお休みをいただいて〜」の空しい留守番電話が流れたので、受話器を置きました。

残念ながら、こちらでは修正はできない。そちらでも修正できないなら、この仕事は受けられない、と言うと、相手は大きなため息。

「5月8日の会議を延ばすことはできない。資料が間に合わなければ、一大事だ」
そうひとりごとのように訴えますが、できないものはできない。
間違いだらけの資料を作っても、会議の役には立たないでしょう。

そうすると、クライアントは思いだしたように、早口でまくし立てます。
「今あるデータで、そちらがやりやすいように組み直すことはできませんか。エクセルが難しいのなら、そちらがいつも使っているソフトを使って組み直すことはできないですか!」

それは、できます。Macでもグラフ専用のソフトはありますから、それでグラフを作って、イラストレータに貼り付け、テキストデータはワードのデータをそのまま使えば、それほど難しいことではありません。

「わあ! 本当ですか! ありがとうございます! 助かったぁ〜! これで間に合う!」

いや、まだ受けると返事したわけではありませんけど…。
グラフの正確な数字データがなければ、グラフはできないし…。

「数字データはあります! だから、お願いします。金額はそちらの言い分をすべて飲みますので、なにとぞよろしくお願いします!」

そうですか、じゃあ、百万円。

と言うわけにはいきませんね。
常識的な額を提示すると、「わぁ、いいんですか! この金額で!」と、何を言っても喜ぶクライアント。

しかし、このクライアント、かなりのせっかちです。
1ページごとに出来上がりをファックスで送って欲しい。すぐに校正をしないと安心できないから、というせわしないリクエストを出してきました。

だが、そんなことをしていたら、落ち着いて仕事ができない。
こちらは他にも仕事を抱えているのだから、いくら急ぎとは言っても、それだけをするわけではない。
他の仕事との関係で、あなたの仕事は夜中の作業になるから、それは勘弁願いたい。

そう言うと、「じゃあ、半分が終わったら、ということでどうでしょう? ファックスで送っていただいて、すぐ校正をしたい」と言ってきました。

残念ながら、それも嫌だ。
そもそも、スケジュールにない仕事を受けたのだから、こちらの好きに仕事をさせて欲しい。
それができないのなら、この仕事は受けない。

そう言うと、「ああ、確かにそうですね。わかりました。こちらが無理にお願いするのですから、そちらのペースでお願いします」と言って、納得してくれました。
校了は5月6日の夕方。納期は宅急便で8日の朝10時着、で商談成立。

しかし、ここから魔の電話攻撃が始まる。

翌日朝9時半ごろ、クライアントからの電話。

「どうですか、進んでいますか。何分時間がないもんですから、きっちりお願いしますよ。心配で心配で、しょうがないんで…」

もう2ページ組み直したが、あまりのせっかちさにウンザリして「いや、まだ全然手を付けていません。今日の夜中からやる予定ですので」と答えました。

まさか、夜中に電話はかかってこないだろうと思ったら、夜中の12時半ごろ、「どうですか、進み具合は?」という電話がかかってきました。

なんて、仕事熱心で、しかもなんて非常識な方!

あまりに非常識なので、「まだです!」とひとこと言って、すぐ切りました。
頭に来たので、普段は仕事中は絶対に飲まない酒{麦焼酎)をストレートで飲んで、憂さ晴らし。

7ページ組み直して午前6時前に就寝。
すると今朝9時過ぎにまた電話がかかってきました。

「どうですか。はかどりましたか? 心配で心配で」

「真夜中に仕事をして、さっき寝たばかりですよ! 一体どういうつもりですか!」
そう言うと、「ああ、そうですか、いや、電話ではそちらが見えないもんですから」
と申し訳なさそうに答えます。

いくらこちらが見えないからといっても、常識・マナーというものがある。
仕事が心配なのはわかるが、相手の状況を思いやれないやつは、何をやってもダメだ。

お客に説教するのは、本来許されることではないが、つい非難がましい説教をしてしまいました。
このブログを書いていても、まだ怒りが全身を駆けめぐって、気分がささくれ立っているのがわかる。

仕事を出す側は、確かに「オンリー・ワン」です。
そして、私には紛れもなく大事なお客様です。
しかし、「オンリー・ワン」をあまり押しつけないでください。

売れないデザイナーにも「オンリー・ワン」が、多少なりともいることをお忘れなく。
どれを優先するかは、納期で決めています。
「オンリー・ワン」をどんなに主張しても、優先順位を崩すことはありません。



2006/05/04 PM 12:58:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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