Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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オンリー・ワン
ゴールデンウィーク中の仕事は3件。
その中で一番大変なのは、毎月5日締めの仕事が印刷所の連休の関係で、5月1日締めに繰り上がったことです。
これは結構ハードです。いま、担当者とけんか腰でやりとりをしたところ。

あとの2件は、普通にやっていればできる仕事なので、それほど神経は使わずに済みそうです。

その他、5月20日と25日校了の仕事が入っていますが、この担当者が二人ともせっかちで困る。
昨日も、同じような電話が立て続けにかかってきました。

「この間出した仕事、どう? 進んでる?」
(はあ?! だって初稿は12日の約束だから、まだ2週間もあるはず。全然手を付けてないよ)

「え! まだやってないの! ホントに大丈夫? 間に合う?」

いいですか。私はあなたの仕事だけをしているわけではないのです。
他の仕事とスケジュールを調節しながら、営業をしたり、他諸々の仕事をしながら細かいスケジューリングをしているのです。
緊急の仕事を差し置いて、2週間先の仕事をするわけにはいかないのです。

その後すぐかかってきた電話。
「デジカメの撮影終わった?」

その仕事の初稿は、5月8日。2種類のリーフレットのデザインです。すでにラフデザインは了解を取ってあるので、あとは建物の外観をデジカメで撮って、はめ込むだけ。
このところ、天気が不安定なので、好天を選んで撮る予定でいました。
だから、サボっているわけではない。最悪5月7日までにいい写真が撮れればいいのだから、焦ることはない。

「でも、ずっと天気が悪かったらどうする? とにかく早く撮ってよ」

そのことに関しては、最初に打ち合わせ済み。もしずっと曇天が続いたら、フォトショップで晴れっぽく作ればいい。一番最初にそう言ったはず。
何で今さらそんなに焦らせる?!

きっとこの人たちは、「自分の仕事がとにかく一番。俺の仕事を優先してくれるのは当たり前!」と思っているのでしょう。
確かに、あなた達の仕事は大事ですが、仕事には順番がある。
優先順位を付けなければ、仕事を円滑に進めることはできない。

仕事を出した側から見れば、自分は「オンリー・ワン」かもしれないが、こちらはそういうわけにはいかない。
すべての仕事を平等に扱うのは当然のことですが、締切に近いものから処理をしなければ、能率が悪くなる。

受けた仕事は責任持ってやる。これは、フリーランスに限らず当然のことだと思います。
しかし、仕事を出す側は、相手がやりやすいように気を配るのも、一つのマナーだと思います。

「オンリー・ワン」を押しつけないでください。
そのたびに受話器をぶちこわしたくなって、ストレスが溜まりますから。




2006/04/30 AM 11:46:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

映画みたいな親子
毎度お馴染み、「Mac出張講習」に行ったときのこと。
今回行ったのは、くたびれたデザイン事務所。
古ぼけたマンションの一室に、そのデザイン事務所はありました。

ドアが汚い! 汚れがこびりついて、変色してる。ものすごい年代物。

インターフォンを押して、しばらくして出てきたのは、佐藤蛾次郎そっくりの50年輩のおじさん。
(ん? 確か電話をかけてきたのは若い子だったはずだが…)

「え〜と、SデザインのMさん? あ〜、娘がお願いしたんだね」
(電話をしてきたのは、この人の娘さんか。じゃあ、蛾次郎似だな)と思って中に入りました。

玄関を上がって狭い廊下を見渡すと、そこはゴミ屋敷。
いや、ゴミと言ったら失礼か。資料の山が左右の書棚の上に山積み。人が通れるスペースが、30センチもないから、身体を斜めにしなければ通れない。
しかも、山盛りの書類は、今にも崩れそうなくらいバランスが悪い。

蛾次郎はうまい具合に歩いていくが、こちらは初心者。
ゴミ(資料)が肩や腰に当たって、そのたびに雪崩が起きる。
「ああ、すみません」の連発で、必死に蛾次郎に付いていく。

崩した山を元通りにするのは無理なので、無視して蛾次郎の後を付いていき、廊下の突き当たりの部屋に入りました。

入ってみると、廊下と違ってここは別世界。
白い壁が清潔感を漂わせ、4畳半くらいの広さですが、広がりを感じさせる異空間です。ゴミの山は一つもない。
そして、窓際のパソコンデスクの横に立つ娘の顔を見て、思わず蛾次郎の顔と見比べてしまいました。

あどけなさの残る、アイドル顔。
ホントに蛾次郎の娘?
うちの娘も可愛い(親バカ)が、この子も劣らず可愛い顔をしている。

「高校の入学祝いにMacを与えたんだが、俺はパソコンのことよくわかんネエからさ、ちょっと教えてくんネエか」

おまえ、ホントにこの子の父親か。
はきだめに鶴。
古くさいたとえではありますが、そんなことを思ってしまいました。
(ちなみにこの意味は、むさくるしい所に似つかわしくない、すぐれたものや美しいものが現れること)…ことわざ豆知識でした。

蛾次郎が消えてから、すぐに講習を始めました。
機械はG4の867MHz。OSは9.2.2と10.3ですが、とりあえず9.2.2をマスターしたいご希望なので、順序立てて教えていくことにしました。

メールで聞いたときは、「Mac歴約1ヶ月」と答えていました。
ソフトは「フォトショップ7.0」とインターネット関係のものが入っているとのこと。

「フォトショップ」はマニュアル本を2冊買ったが、よくわからない。だから、「フォトショップ」を中心に教えて欲しい、と書いてありました。

そこで、まず「フォトショップ」のインターフェースから説明を始めました。
そして、レイヤーの基本操作、レイヤーマスク、トリミング、フィルタ、簡単なロゴの作り方などを丁寧に説明して、ここまでで約1時間。

「何か質問はありますか?」と聞くと、積極的に細かい疑問点を聞いてきます。
その目は真剣でまっすぐ。
今どき、こんなに純な目で人に質問する子がいるのか! これはちょっとした感動でした。

蛾次郎はいい娘を持った。
言葉遣いも丁寧だし、目上の人を敬う気持ちを態度で示すことができる、賢さも持っている。

こちらが丁寧に教えれば教えるほど、その聡明さが少しずつ露(あら)わになる。
通っている高校の名を聞くと、有名受験高校。
鳶(とんび)が鷹を生んだか。

蛾次郎の鈍そうな外見をみると、そうとしか思えない。
感心しっぱなしの90分が終わって、「お茶でもどうぞ」と言いに来た母親の顔を見て、また首をひねりました。
女優の赤木春恵を若くしたようなおばさん。

佐藤蛾次郎 プラス 赤木春恵 イコール アイドル顔

話に加わってみると、この3人の会話がまたいい。
過剰な仲の良さというのは感じないのだが、3人とも自然体で、第三者の前で無理に良く見せようと振る舞っていない。

何気ない会話なのだが、映画のワンシーンのように、濃密なのだ。
3人の顔を交互に見るだけで、何となく幸せな気持ちになる。
こんな経験は初めてでした。

やすらぎの一時が終わって、挨拶をしてドアの外に出ました。
振り返って、閉まったドアを見ると、来たときは汚さが目立ったドアでしたが、帰りはそれが全く気にならないのが、不思議でした。

我が娘も、あんな風に育ってくれたらいいのになあ。
そう思いましたが、「冗談キツイヨ!」といわれるのがオチか。


2006/04/26 PM 12:16:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

「非通知」の電話
「非通知」で電話がかかってきた。
母親が携帯でかけてくる場合は「非通知」が多い。
そこで、母かと思って電話をとってみると、

「MSさんですね。おめでとうございます。今回あなたは数多くの方の中から、特別に選ばれました。私どもは『財団法人ニャアニャアニャア』(財団法人は聞き取れたが、その後は早口でフェイドアウトしたので不明)と申しまして、国に認められた法人です。先頃の議会で、一般の方にも法律に親しんでいただくことを目的とした法案が可決され、先ず通称『街の弁護士と言われる行政書士』を増やすことに決定いたしました。Mさんは大変幸運な方です。当法人では、2ヶ月間の通信教育を受けるだけで、無試験で行政書士の資格を得ることができます。これは国家的なプロジェクトですので、国が保障してくれます。数多くの中から選ばれたあなたは、たった2ヶ月通信教育を受けるだけで、行政書士になれるという幸運を手に入れたのです。おめでとうございます」

マニュアルをそのままを読んでいるようですが、大変滑舌のいい名調子で一気に畳みかける様は、なかなかの迫力です。しかも、男としては、なかなか艶があっていい声をしています。
ただ、惜しいのは、『財団法人ニャアニャアニャア』のところだけ、滑舌が一気にトーンダウン。総合点は85点か。

私が黙っていると、相手はさらに畳みかけます。
「これは、国家的なプロジェクトなので、選ばれた方は必ず承諾されなければなりません。一種の法律だと思ってください」

「国家的なプロジェクトって、そのプロジェクトの名前は何て言うんですか?」
「行政書士人員増加計画です」(キッパリと言い切りますが、あまりにも嘘くさい名前。)

「こちらの名前と電話番号は、どういう風に選ばれたのですか。『個人情報保護法』との関係は?」
「これは国家的なプロジェクトですから、『個人情報保護法』の影響は受けません!」
(国家的プロジェクトが好きですね)

「で、財団法人? 何でしたっけ?」
「財団法人ニャアニャアニャア」
(いきなりフェイドアウトして滑舌が悪くなるところがあまりにも滑稽。出来の悪いコントのようだ)

「その2ヶ月間の通信教育というのは、当然ただではないですよね」
「はい、2ヶ月間で25万円です」
「2ヶ月で25万! 高いなあ」
「いや、確実に資格を取れるのですから、安いと思いますよ。普通に受けたら1パーセント以下の合格率ですから」
(そんなに難しかったかなあ。まあ最近は難しくなったとは聞いたけど)

「ん? で、これは拒否したら、どうなるんですか?」
「もちろん、何らかの罰を受けます。しかし、今まで拒否した人は一人もいません。国家的なプロジェクトですから」

「じゃあ、その初めての拒否をしようかな」
そういうと、今までのマニュアル通りの話し方が激変。
「できないんだよ、拒否は! 国家的なプロジェクトだって言ってんだろ! (国家的なプロジェクトがホントに好きな人)いいか、25万払わなかったら、捕まるんだよ!」
「ほー、誰が捕まえに来るんですか」

相手は、この私の答え方に相当頭に来たようで、「おう、わかった! おまえんちに今から行ってやる、警官連れてな! そうやって馬鹿にしてると、痛い目にあうぞ!」(ガキの喧嘩か)

このように言われたら、こちらも黙ってはいられない。(ここが私の大人気ないところ)ここで私は、一つの本当と一つの嘘を彼に言いました。(前半が嘘で後半は本当です)

「あのさあ、最近変な電話が多いんでね。我が家にかかってくる電話は全部録音することにしてるんだ。今の会話はすべて録音してあるからね。(ここから私も態度をガラリと変えます)それになあ、俺は、大学卒業してすぐ行政書士の資格取ってんだよ。何でまた行政書士の資格をわざわざ取らなきゃいけねえんだ! 二度取らなきゃいけねえ理由を聞かせてみろよ!

2秒ほどの沈黙の後、電話は切られました。
そして、その電話を横でお絵描きをしながら聞いていた娘がひとこと。

「おまえ、ヤクザか!」

品のないところを娘に見せてしまいました。

「いやあ、最近はこういう詐欺が多いんだよね。甘くするとつけ上がるからさ。バシッと言っとかないとね」
娘相手に照れ隠しの言い訳。

これは詐欺なのか、それともただ単に暇なやつにからかわれただけなのか。
詐欺だったら、あまりにも幼稚で、説得力ゼロ。今時の詐欺師はこんなに程度が低くないでしょう。

「からかわれたのかな」
私がひとりごとのように言うと、娘は
「からかわれてるようには見えなかったぞ。結構楽しんでたぞ」

確かに……。



2006/04/23 AM 11:09:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

苦手なひと
どうしても苦手な人がいる。
相性が悪いとか、嫌いとかいうわけではないのだが、何となく苦手。話しづらい。
誰にでもそんな人はいると思います。

私が唯一苦手とする人から、一昨日の夜、2年半振りに電話がかかってきました。
声を聞いた瞬間、思わず心の中で「舌打ち」。
「勘弁してよ」と思いながら応対したのですが、結局は相手のペースにはまって、翌日会う約束をしてしまいました。

いまだ苦手克服できず。

相手のSさんは、歳は私より4つ上なだけですが、25歳を頭に3人の子どもがいて、孫も3人います。
匿名だからバラしてしまいますが、最終学歴は中卒。高校は入ったが、2週間で辞めてしまい、その後職を転々。

バブルの前にデザイン事務所を立ち上げて、全盛時は30人近い社員を抱えていました。
今も10人前後のデザイナーとオペレーターを抱えていますから、デザイン事務所としての規模は大きい方です。

で、私がなぜ彼のことが苦手かというと、他人のことを全く斟酌(しんしゃく)せず、自説を曲げないから。
自分でも言っていましたが、中卒という劣等感があるので、人に負けないようにあらゆることを勉強して、理論武装しています。

文系、理系、政治、社会情勢など、あらゆる分野の知識が豊富で、独自の解釈でそれらを理論づけて、演説を振ります。
ひとことで言えば、自分以外の人間がすべて馬鹿に見える、そういうタイプのひとです。
他人を批判することに、このうえない生き甲斐を感じているタイプでもあります。

昨日もいきなり挨拶抜きで「民主党の小沢代表」の話から入って、独自の理論を展開させました。
要約すると、日本には「自民党」一党だけがあればいい、そして「自民党」には女は不要、という理論。また、女性天皇などもってのほか、何が何でも男系というご意見。それが延々と一時間。
仕事の話をしようと、途中で話の腰を折っても、自分の説をすべて言うまで止めません。

私にとって、この一時間ははっきり言って時間の無駄、苦痛です。
相づちを打つのも止めて、露骨に「無視」「飽きたフリ」をするのですが、そんなことはお構いなし。

そして、自説をすべて披露し終わると、今度は私への文句が始まります。
「この2年半、一度も顔を見せないのはけしからん!」から始まって、「あんたの仕事は個性がないよな」とか「個人で仕事をするのなら、もっと図々しくならなきゃな」、「男が家庭を顧みるようになったらおしまいだよ」など、言いたい放題。
これがやはり、約一時間続きました。

こちらが腹を立てたふり(真面目に腹を立てるのは馬鹿馬鹿しい)をして、「俺はあなたの身内でもなんでもないんだから、そこまで言われる筋合いはない」と強く言っても、お構いなし。
言いたいことを全部言うまでは、話が終わりません。

「悪いんですが、次の予定があるので、これで失礼します」
と立ち上がると、我に返ったような顔になり、やっと仕事の話を始めようとします。

しかしこちらは、いい加減ウンザリ。
「仕事の話だけしたかったんですけど、もうタイムアウトですよ」
と皮肉を言いますが、完全に無視されました。

「今度、せがれに会社を完全に任そうと思ってね。俺はもう隠居しようと思ってるんだ。まだまだ若いけど、これからはお寺巡りでもして過ごすよ、ワッハッハ!(本当の馬鹿笑い)」
彼はここで突然席を立って、大声で彼の長男の名前を呼びました。

入ってきた長男を見てびっくり。
オヤジそっくり。
オヤジは痩せているが、彼は小太り。でも顔の印象は全く同じ。
「無神経」がスーツを着ている感じ。

正直、寒気がした。全身に悪寒が走る。
長男から名刺を渡されたが、こちらは名刺を渡す気にもなれない。

無表情にせがれが言う。
「仕事を出す機会はほとんどないと思いますが、もし万が一、出すときがあったら、ミヤァ〜〜(そう聞こえた)、よろしくお願いしますよ」

結局、仕事の話じゃないじゃないか!
しかも、仕事を出す気なんてサラサラ無い、という宣言!

俺は今日、この親子にコケにされに来たのか。
電話がかかってきたとき、キッパリと拒絶すればよかった。

と思ってもあとの祭り。

苦手意識を持つと、ろくなことがない。

頭を下げて、何も言わずに出ていこうとしました。(言葉にしたら喧嘩になりそうなので)

「おいおい、そりゃないだろ!」
と言われたが、来てしまったことを後悔するばかり。

無駄な時間、取らせやがって!
振り向いて、二人を睨みつけましたが、そんなことをしても無駄なことは分かりきったこと(俗に言う『蛙の面に小便』)。
空しさだけが残った一日…。


2006/04/20 AM 11:54:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

ビール10本で喜ぶ男
昨日、浦和の同業者からSOSがあり、午後6時に行ってきました。

彼は私の友人の中では、唯一大手のクライアントを持っている「売れっ子デザイナー」です。歳は私よりひと回り下。
デザインの技術は一流ですが、機械に疎(うと)い。ソフトの機能もよく知らない。優れたデザイン力と素人同然の機械音痴が同居する、アンバランスな不思議な男です。

「外注に頼んだチラシのデータがプリントできない!」

売れっ子ですから、仕事は目白押し。物理的にできない仕事は外注に出すのですが、今回初めて使った外注さんの作ったデータが、複雑すぎてプリントできないらしい。

「その外注さんに文句を言えばいいんじゃない」
「それが行方不明。宅急便でデータは届いたが、問い合わせようと思って何度電話しても、まったく繋がらない。明日の朝一番でクライアントに初稿を見せる約束だから、今日中にプリントできないと困る。他にも仕事抱えてるし……。だから、センセイに頼るしかない」

彼は私のことを「センセイ」と呼ぶ。
明らかに「センセイ」の方が出来が悪いが…。

データを見てみると、「イラストレータ5.5」で作ったことが予想されます。
今「イラストレータ」は、確か「CS2」までバージョンが進んでいますが、「イラストレータ5.5ユーザ」は意外と多い。

「イラストレータ5.5」は、後のバージョンのものよりはるかに動きが軽快で、プラグインを追加すれば、まだまだ相当使えるソフトです。それに、安定しています。
古くから「イラストレータ」をいじっている人は、この「5.5」の軽快さと安定感はなかなか捨てられない。

さて、このデータですが、A3サイズなのに異常に重い。
調べてみると「710MB」ある。細かく見てみると、背景画像の上に商品画像が50点近く乗っている。
画像の件数が多くても、データを小さくするテクニックはある。しかし、この人はファイルサイズを小さくする気はさらさら無いらしい。

画像はすべて「バイナリ形式」で保存してある。
そして、一番驚いたのが、画像の切り抜き方。なんとイラストレータでパスを作って、一つひとつマスクしてあるのだ!
私ならフォトショップでクリッピングする。おそらく他の人もそうするのではないか。

この人のやり方では、イラストレータ内のデータがパスとマスクだらけになる。「アートワーク」にして見てみると、画面は真っ黒! パスだらけ!
これでは「イメージセッタ」でもタイムアウトで出力できないのではないだろうか。

「すごいね! 噂には聞いていたけど、こんな作り方をする人が本当にいたんだね」
「そんなにすごい作り方をしてるんですか?」
「これは芸術品だ。並の人間にはできないよ。でも出力できなければ意味ないからなぁ。これは解析するのに相当時間かかるかもね」

ということで、腰を落ち着けて作業することになりました。

「センセイ。作業代は割増で払いますから、よろしくお願いします。その前にメシにしませんか。宅配ですが、うまい弁当屋があるんですよ。そこの『会席御膳』はうまいです。それでいいですか」
「それ、いくらするの?」
「4千円だったかな」
4千円!!! いや、俺はいいよ、600円くらいのやつにして。そんな高いもの食ったら、腹こわしそうだ」

「いや、ボクが払いますから、同じものにしましょうよ」
「う〜ん。じゃあ、こうしてくれないか。今日の作業代はいいからさ。その『会席御膳』を三つ、我が家に届けてくれないかな。距離的に遠くて無理かな」
「いや、チェーン店だから、センセイのそばにもあるんじゃないですか。でも、この時間だから、もうおたくでは夕食作ってるんじゃないですか」
「いや、それは絶対にない。食事は俺の係だから、支度はしていない。8時過ぎて、俺が帰らないときは、冷凍したものを食うことになっている」

「へ〜〜〜!」(明らかに変人を見るような彼の目)

ということで、我が家の貧しいものどもに、夕食の手配ができたところで、本格的に作業にかかります。
弁当が来るまでに、ある程度目途を付けておきたい。

先ず画像をすべて「バイナリ形式」から「EPS/JPEGエンコード」に変換。
これでデータは380MBに減少。一応この状態でプリントしてみる。しかし、10分たってもプリントは全く進まない。それどころか、固まった気配。

再起動後、イラストレータ上のパスをすべて「フォトショップ」に移し、クリッピングパスとして使う。
サイズを調節しながら、画像の上にパスを載せていく。これが結構めんどくさい。しかし、同じ作業なので、コツを掴めば意外と簡単。要は根気。

あと5、6個というところで、弁当が到着。
600円の弁当では困る! と言われたので、千円のを頼んだが、それでも見た目は豪華。腹をこわさなきゃいいのだが…。

「センセイ、今日は車じゃないですよね」
「はい」
「じゃあ、『越の寒梅』ありますから、どうですか。幻の名酒ですよ!」
お〜! 『越の寒梅』! いいねえ。でも、ビールはないの?」
「ありますけど、越の寒梅ですよ、越の寒梅。幻の……」
「名酒だろ。でも、酒は酒。たかが酒。メシはビールで食った方がうまいからね」

「・・・」(明らかに変人を見るような彼の目)

ということで、「スーパードライ」(ビールを飲むのは今年初めて。いつもは発泡酒)を飲みながら弁当を5分で平らげました。
彼は「名酒」を味わって飲んだ後、ゆっくりと「会席御膳」を食べています。(金持ちは優雅だ)

こちらはすぐに作業再開。
フォトショップ上の作業をすべて終えて、イラストレータ上のパスとマスクを削除すると、データはなんと「1.1MB」まで減少! 元の700分の1!

「1.1メガァ! 何でそんなに小さくなるんですか。大丈夫ですか! これ本当に同じデータですか!」

彼がウロタエルのもよくわかりますが、普通に作って「ai形式」で保存すれば、こんなもの。
デザインでははるかに彼に劣りますが、こういう作業には自信があります。

プリントは簡単。約5分で終了。
思い通りにプリントされました。

「センセイ! さすがですねえ。どうして平気な顔して、こんなことができるんですか」
「君だって、平気な顔してすごい仕事してるじゃないか。そっちの方がスゴイよ」

「いやいや、かないませんよ。だってまだ2時間ちょっとですよ。オレ、今日徹夜覚悟してたんですから。だから、ギャラ払いますよ。これだけのことしてもらって、弁当だけってのは困ります」
「でも、弁当代1万3千円だろ。充分だよ」
「いや、これはそれ以上の仕事ですよ。オレ、感動しちゃいましたモン」
「わかった。じゃあ、冷蔵庫にビール何本ある?」
「10本くらいありますけど…」
「それ、全部お土産にくれ、それがギャラ」

「そりゃ、いいですけど……」(明らかに変人を見るような彼の目)




2006/04/18 PM 01:40:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

疲れる電話
あることに関して、一ヶ月にほぼ一度の割合で問い合わせの電話がかかってきます。

Officeの「WORD」でデータを作ったのだが、これをそのまま印刷して欲しい。

最近では、印刷に関する知識を持った方が増えてきたので、簡単な説明で理解してくれることもあります。

しかし、昨日の電話の場合は大変でした。

WORDのデータをそのままフィルム出力する機械はあります。私は頼んだことがないので、どの程度正確に出力できるかは知りません。
利用したことがある知人のデザイナーに聞くと、やはり色の再現性に問題ありで、かなり「眠たい」仕上がりになるということです。

RGBのモニターで色を見て、インクジェットプリンタで出力したもので色確認しても、RGBのWORDと印刷のCMYKでは、まったく色の概念が違います。
あくまでも色にこだわる場合は、Macの「イラストレータ」など、CMYKでデータを作ることができるソフトで組み直した方が、色に関しては再現性は確かです。

「うちのプリンタは確かにインクジェットだけど、4色使っているからCMYKなんじゃないの。だからインクジェットと同じ色にならないというのは、おかしいでしょ」
おかしくはない。データはRGBなんだから、そもそもの発端が全く違う。インクジェットプリンタではRGBデータを4色で出力できてしまうが、通常のフィルム出力の場合はできない。
つまり、仕組みが違うのだから、同じ結果が得られるわけがない。

「何で、そんなややこしい話になるんだ!」と逆ギレされても、それは不完全なソフトを作ったマイクロソフトに聞いてください。(そんなことも知らずに使っているアンタも悪い)

WORDからPDF形式に書き出せば、理論上はできるはずですが、貼り込んである画像などがRGBの場合、色の再現性がどうなるか、試したことがないので知りません。

「じゃあ、これはこのままでは使えないということか!」

いや、だから、そのまま出力してくれるところもあるといったはず。でも色が思い通りに出ない、と。(キレル前に人の話を聞け)

「そんなこと言っても、5日後にはダイレクトメールで送る予定なんだから、間に合わないだろ!」

(それはそちらの勝手。よく確かめもしないで、データを作ったアンタが悪い。予定を延ばしなさい。)

「日付が入っているから、もう変更はきかないんだ。絶対に4日後までに印刷物が手元にないと困る!」

それなら、WORDのデータをダイレクトで出力する出力センターを探すしかない。(こんな電話をしていたら時間の無駄)

すると「知らないから聞いてるんじゃないか!」とまた逆ギレ。
私は残念ながら「WORD」にはなるべく関わりたくないので、知りません。
ただ、インターネットで検索すればおそらく何件かヒットするでしょう。こういうとき、インターネットは便利です。

「じゃあ、もしダメな場合は、どうすればいい?」

その時は、WORDのデータをイラストレータで組み直します。当然全く別のソフトですから、文字が変わる場合があります。
同じ名前の書体でも、「詰め情報」など微妙に違う場合がありますから、完全に合わせるのは難しいです。
ウィンドウズ独特の書体の場合は、似たような書体を探しますが、無い場合は我慢してもらうしかありません。

「字が変わったら、印象が全く変わってしまうよ。それは困るな」

そうなると、組み直すのは無理ということになります。私では全くお役に立てませんので、やはりそのまま出せるところを探した方がいいと思います。

「ちなみに、組み直すとしたら費用はいくらかかるの?」

私が金額(相場に比べてかなり安い)を言うと、相手はこう言いました。

「組み直す手間賃が欲しいから、色々もっともらしいこと言ってるんじゃないの!」
この捨てぜりふを残して、電話は切れました。

本当に手間賃が欲しかったら、他を探しなさい、とは言わないだろうに。
ひとを不愉快にさせて何が面白いのか。
最近こういうヤツが多いと思いませんか。

ほんとに疲れる。


2006/04/16 PM 03:36:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]

世間は侮れない
近所の図書館で調べものをしていたときのこと。
「MKちゃんのお父さんですか?」と声をかけられました。

声のした方を振り向くと、40年輩の女性が作り笑いを浮かべて立っていました。
初めて見る顔です。
「はい」と答えると、「ああ、やっぱり」と言って、空いている隣の席に腰掛けました。

「今度、長男がKちゃんと同じクラスになったんです。よろしくお願いします」

そう言われたら、こちらも「よろしくお願いします」と言うしかありません。
しかし、「長男」だけでは、誰だかちっともわからない。
私が怪訝な顔をしているのを察したのか、「ああ、名前はHです。ご存じないと思いますが」と慌てて付け加えました。

H君なら知っています。
娘は学校で起きたことをほとんど話してくれるし、同学年の子のことは全部把握しています。
同じクラスにはなったことはないが、彼のことも「泣き虫のH。すぐ泣くんだよねぇ」と教えてくれたことがあります。

「Kちゃんは、うちの子と違って優秀なんですよね。みんなからハカセと呼ばれるくらい、何でも知っているって評判ですから、羨ましいですよ」
確かに我が娘は、人から「ハカセ」と呼ばれているのは知っていましたが、それは単に子どもの世界のニックネーム。「チビ」とか「デブ」というのとニュアンスは同じ。
真面目に謙遜するのは馬鹿げているので、黙っていました。

私が黙っていると、相手は不安に感じたのでしょうか、さらに愛想笑いを浮かべながら話し始めます。

「Kちゃんが優秀なのは、お父さん似だっていう評判ですが、ほんとにそう思いますわ」

世の中にはお世辞を言われて喜ぶ人と胡散臭(うさんくさ)く感じる人がいると思いますが、私は確実に後者の方です。

初対面の人にお世辞を言われたら、余計舌打ちしたい気分になります。
「何で私が優秀なんだ? 何を根拠にそんなことを言ってるんだ! 社交辞令もいい加減にしろ!」と心の中で罵ります。

すると、相手は突然こう言いました。
「Mさん、A学ですよね。Kちゃんが優秀なのも当然ですね。一流大学出のお父さんがいらっしゃるんだもの」

ちょっと待った!
なぜ私の出身大学を知っている! 


私はヨメにも子どもたちにも、「パパの出た大学は三流大学(A学大の方、申し訳ない。これは照れていっているだけですから)だから、恥ずかしくて人様には言えない。だから絶対に人には言うな」と言い聞かせています。
私も自発的に言うことはありません。

だから、私の出身大学を初対面の人が知っているということに驚きを覚えたのです。

誰が漏らした!
絶対子どもたちではないハズ。とすると、ヨメか……。
しかし、A学大は得意げに言い触らすほどの大学でないことは、彼女はよく知っているはず。

まさか、このH君の母親に「情報源」を聞くわけにもいかず、私は悩んでしまいました。

その態度が機嫌が悪いと映ったのか、H君の母親は私が読んでいる本を見て、感心したようにこう言いました。

「ああ、さすがにインテリでいらっしゃる。法律関係の本ですね。私たちとは読むものが違いますねぇ。では、うちの馬鹿息子を一年間よろしくお願いします、とKちゃんにお伝え下さい」
五、六回激しく頭を下げて、彼女は席を立ちました。

たまたま法律関係の調べものをしていて良かったのか…、悪かったのか…。

「MKちゃんのお父さん、図書館で法律関係の本を読んでいたわよ」
そんな噂が走り回るのは時間の問題か。

これって被害妄想……?。



2006/04/13 PM 04:13:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

異人種になった人
息子の高校の入学式に行って来ました。

特筆すべきは、校長の内容のない講話。
堂々めぐりで手垢の付いた比喩、空回りの言葉の羅列。
こんな話を感動すると勘違いして、だらだらと30分近く続ける「校長という人種」は、明らかに特殊な生き物であることがよくわかる。

異人種を見たあとというのは疲れる。

異人種遭遇のため、激しく腹が減ったので、帰りに息子と娘と一緒に「ステラタウン」に行きました。
宇都宮線「土呂駅」から無料送迎バスで約5分。
埼玉にしてはしゃれたショッピングモールです。

とにかく腹が減ったので、「イトーヨーカ堂」1階のレストラン街で、食事をすることにしました。
広々とした食事スペースは昼食時ということもあり、かなり混んでいました。
娘が窓際の席を見つけてきたので、とりあえず席を確保。それから、何を食べようかと周りを見回してみたら、隣の丸テーブルで一人寂しく食事している初老の男と目が合いました。

見覚えのある顔。Sさん。2年前の暮れまで東京で出力センターを経営していた人です。
小さな出力センターでしたが、会社は15年以上続いていたと思います。家族だけで経営していましたが、場所はビジネス街のいいところです。店内はいつも綺麗で、応接室もいつもピカピカ、大変清潔な出力センターでした。

私が独立したての頃、フィルム出力に費やす経費を何とか少なくしようとして、探し出したのがこの会社でした。
ここは「業者価格」という制度があって、業者は3割引で出力してくれたのです。
独立したての若造としては、大変助かりました。

挨拶しようと腰を浮かしたところ、彼は慌てて目を逸らして立ち上がりました。
食べかけのラーメンの丼を両手で持ちながら、人混みをすごい勢いで歩いていきます。そんなに急いだら、ラーメンの汁が人にかかってしまう、と心配するほどの勢いでした。

彼はアッという間に食堂のはるか隅の方に席を見つけ、こちらに後ろを向けてラーメンをすすり始めました。

唖然として見ている私に「知り合い?」と娘が尋ねました。
「うん、たぶん」

「たぶん? なにそれ、変なの! そんなことどうでもいいから、メシ! メシ!」
娘は、私の腕を取って、店を物色しに行きました。
とりあえず、激しく腹が減っているので、私も食べるものを決めて、テーブルに戻りました。

はるか隅の方で、たまに後ろを振り返りながら、彼はラーメンを食べていましたが、食べ終わると食器もそのままにレストランを出ていきました。(ここはセルフサービスです。食器は自分で片づけましょう)

私が彼を気にしているのを知って「知り合い? 何か嫌われてるみたいだね。昔いじめたんじゃない?」と息子が聞いてきます。

「いや、こちらが一方的にお世話になった人だよ。お礼言いたかったんだけどね。でも、何か事情があるんだろうね。確か浦安に住んでいるっていう話だったんだけど、こんなところで見かけるんだから」

納得のできない彼の態度でしたが、昔を思い出すと、多少うなずける気もします。
彼は大変外見もダンディ(死語?)で、如才ない雰囲気を持った人でした。
ただ、自分を必要以上に大物ぶってみせるところがあり、いつも胸を反らせて斜め上から人を見るような態度を取っていました。
その尊大な態度と、時折人を窺うような卑屈な目が、客商売には向いていないと思ったこともありました。

一昨年、会社を畳むということを聞いて、挨拶に行ったとき、奥さんが出てきて、「ごめんなさいね。会いたくないんだって…」と言って、気弱に笑っていた姿が思い出されます。

彼としては、まさかこんなところで私に出くわすなど、想像もしていなかったでしょうから、慌てるのはわかります。
しかし、相も変わらず高級そうなスーツに身を包んで、ひとりラーメンをすする「わびしさ」を見ると、あの時感じた卑屈な目は変わっていないんだ、と何とはなし寂しさがこみ上げてきます。

彼も、「校長」と同じように「異人種」になってしまったんだろうか。


2006/04/11 PM 01:18:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

「変わり者」と言われても
入院中の母の容態も、昨日から急激に持ち直してきて、ひと安心。
検査の結果も良く、この様子ならあと10日ほどで退院できるかもしれない、と言われました。

しかし、退院時に待っているのは当然ながら、入院費の支払い。
入院というのは、かなりの出費を強いられます。
まして、個室入院ということになれば、かなりの覚悟が必要。
我が家の場合、財布は完璧にヨメが仕切っておりますので、私はノータッチですが、金額はかなり気になるところ。

入院費用は、おそらく50万円以上か!

これで、「お小遣いゼロ」の記録がさらに続くことは間違いない!

独立したての頃は、収入が不安定なこともあり、「お小遣いはゼロ」と決めました。サラリーマン時代も、たいしてもらっていなかったので、そのことに抵抗はありませんでした。それが現在も続いて、お小遣いはゼロのまま。

最初のうちは、友人は「嘘だろ! 奢(おご)ってもらいたいから、そんなこと言ってるだけだろ」と半信半疑でしたが、今では誰も疑っているヤツはいません。

私の財布の中身は、演出でも何でもなく、多いときで「100円玉1個と10円玉数枚」、普段は「10円玉数個」というのが常態化しています。だから数年間自動販売機の缶ドリンクを飲んだことがない(変な自慢)。

たまに友人と食事するときは、ヨメからお金をもらって、余ればそのまま返します。
営業などで、外食するときも同じシステム。出張などの時も同じ。

他人から見ると、「コイツ馬鹿か」と言われるくらい、金や物に対する欲望が薄い。

まだ付き合いの浅い友人がいます。1年弱でしょうか。彼は若手のデザイナーで、大変色彩感覚が豊かなので、カラーリングのアドバイスなどをしてもらっています。
彼はなかなかのオシャレで、この間ローレックスの時計をして現れました。
おそらく、私に羨ましがってもらいたかったのでしょうが、私は全くブランドに興味がありません。
彼は何度も腕まわりをいじっていました。あとで、それが「これに気付いて」という彼のアピールだということに気づきましたが、結局は無視するかたちになってしまいました。(悪いね、相手を間違えたね)

古い友人たちは、私の性格をよく知っているので、そんな無駄なことはしません。
ひとが豪邸を建てようが、高級外車を買おうが、高価なアクセサリーを身につけようが、「うらやましがらない」変なヤツだということを知っているからです。

スーツは夏冬一着ずつ。ワイシャツも夏冬一着ずつ。ジーパンも1本。ネクタイは2本。革靴は1足。これらを、9年間ずっと変わらず使い続けています。
ジョギングシューズなど、明らかに「ボロ」と呼ばれるものですが、底に穴が開くまでは履き続ける予定。(おそらくこれで4千キロ以上走っているはず)

こんな私ですが、ひとから面と向かって「ケチ」と言われることはありません。
「欲のない、変わり者」という評価が定着しているようです。

洋服などは、相手に不快感を与えなければいい。
携帯電話があれば、時刻は確認できるから、高価な時計などいらない。携帯電話も通話ができればいいから、最新機種でなくてもいい。だから、いまだに「J-PHONE」時代のものを使っています。
使わないものはいらない。ごく単純な思考法なのですが、これが他人から見ると変わって見えるらしい。

ヨメとは、20年以上の付き合いなので、当然ながら彼女は私のことをよくわかっています。
本当に何かが欲しいときは、必ずヨメに言います。私が「○○が欲しい」と言うときは、本当に欲しいときなので、必ず要望に応えてくれます。
カラーレーザープリンタ、液晶モニタ、高解像度スキャナなど……。

一人で外食するときは「立ち食いそば」か「カレーライス」。
普通なら「もっと栄養のあるものを食べたら」と言うところでしょうが、ヨメはそんな無駄なことは言いません。
「もっとオシャレしたら」とも言いません。
「高いものを食べたら、心が豊かになる」とか、「高級なものを身につけたらステータスが上がる」という幻想を持てない人間だということを知っているからです。

「おまえ、もっと欲出した方がいいぞ」
友人によく言われますが、こればかりはどうしようもない。

ヨメや子どもたちに、人並み以上の暮らしをさせてやりたいという欲はありますが、自分が「人並みでいたい」とは思わないのです。

俺は変わっている、そう自分で認めているだけでも、ましだと思うのですが、そう思う私は、やはり変わっているんでしょうか。


2006/04/07 PM 01:15:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

忙しかった三日間
月曜日、入院していた母親の容態が悪くなったというので、午後川崎の病院に駆けつけました。

大量に血を吐いたが、意識はある。だから、危篤ではない。そう聞いてホッとひと安心。

血を吐いたわりには、顔色はそれほど悪くない。手を握っても、握り返す力は意外と強かった。

「それほど危険な状態ではないと思いますが、急変する可能性はゼロではありません。楽観はしないで下さい」と言われたので、しばらく病院にいることにしました。

個室なので、結構立派なソファなどがあり、寝るには丁度いい。

最初病室をどうするか、と聞かれたとき、個室と4人部屋しか空いていなかったので、「4人部屋で」と言ったら、ヨメにすごい勢いで怒られた。

「個室じゃなきゃダメ!」
「しかし、(癌だった)お義父さんの時も、4人部屋だったし」
「それとこれとは別。絶対個室! お義母さんが可哀想でしょ!」
と言ってくれたので、個室になりました。ヨメは私の母親のことになると、太っ腹になります。誕生日のプレゼントなども、奮発してくれます。

個室にして良かった、と思うのは、看病する人間が泊まり込めるところ。(バス、トイレ付きなので、ほとんどホテル)
そして、携帯電話をこっそりと使ってもばれないこと(ホントはいけないらしい)。

月初めは定期的な仕事の〆切が時間差で2つあるので、友人から借りっぱなしのウインドウズのノートPCを持って来ています。
これに「イラストレータ8.0」と「フォトショップ5.5」、「秀丸」、「アクロバット6」と「メールソフト」を入れておけば、自宅と同じように仕事ができる。

このPCには、「オフィス2003(?)」が入っていましたが、仕事には使えないので捨てました。

夜、5日(水)に〆切の仕事があったので、担当者と携帯電話で連絡を取りながら、修正をしていきます。
修正が終わったら、無理をお願いして、病院のLANを使わせてもらって、メールで修正を送ります。

翌日の朝、また修正が来るかもしれないと言うので、11時過ぎ、ビールの500缶を飲んで早めに寝ました。
朝8時過ぎに、近所の印刷屋さんから電話。
至急お願いしたい仕事あり、ということなので、看護師に私の携帯電話の番号を教えて、「緊急の時は連絡下さい」と言っておく。

10時半頃、仕事を受け取り一旦帰宅。子ども二人がまとわりつく。
子どもたちに昼食を作って、今度は熊谷の得意先と打ち合わせにいく。

「今日、病院に行きたい」と子どもたちがうるさく言うので、熊谷から帰ってから一緒に行くことに。

打ち合わせを済ませて、子どもたちと大宮駅で合流。夜8時に病院到着。
病室で、コンビニで買ったおにぎりを食べながら、子どもたちはおばあちゃんをじっと見つめています。

会話はできるのですが、「なるべくならしないほうがいい」と言われているので、お互い見つめ合うだけ。
私は、その横でビールを飲みながら、2つの仕事の修正(最終段階)をこなします。

「今日は帰りたくない」と子どもたちが言うので、「川崎の実家に泊まれないか」と姉にお伺いをたてたら「ダメ!」とひとこと。
父と姉は、諸般の事情があって、緊急の時には全く役に立たない。
姉は今回も母親の最小限の世話はするが、自分の部屋にいることの方が多い。

また、極度の子ども嫌いなので、子どもを全く近づけない。
そこで、武蔵小杉駅前のホテルに電話をしてみると、空きがあるというので3人で泊まることにしました。

ツインの部屋にエキストラベッドを入れてもらいました。
「楽しい〜!」と、二人ではしゃいでいます。
その横で、私は〆切の仕事と格闘。
午前1時にホテルのLANを借りて、最終修正を得意先へ送りました。

今日は先ず朝8時に子どもをホテルに残して病院へ。医師に母の状態を確認。
丸2日間、血を吐いていないので、おそらく大丈夫だろう、とのこと。
ひと安心。

母の顔を見てからホテルに帰り、得意先に最終確認をしました。
一つは校了となり、アウトラインを取ったデータをCD-Rに焼き、宅急便で送りました。

そして、ホテルで朝食。ホテルで朝食などというのは、ほとんど経験がないので、子どもたちは大喜び。
普段は少食の娘も、バイキングということもあって数回おかわりしていました。
息子は、4人前くらい食べて、まわりを呆れさせていました。

「お腹一杯食ったら、また眠くなった」と息子は言っていますが、今日は彼の高校の登校日、「クラス発表の日」です。
1時半までに、真新しい制服を着て、高校に行かなければいけません。

12時過ぎに自宅に帰り、制服を着せました。
彼は人並みはずれて不器用なので、人が10秒くらいでできる「ネクタイ締め」と5分くらい格闘していました。

息子と娘、私の3人で高校に行き、クラスを確認。
帰りに「さいたま新都心」でヨメと落ち合って、遅い昼食。
昼食の最中に、2件の得意先から電話。
一つは、〆切の近いもう1件の仕事もめでたく校了、という電話。
もう一つの電話は、次の打ち合わせ日の確認でした。

この3日間のうちに何件か電話がかかってきました。
「母親が入院したので、仕事に少々支障が出るかもしれません」と言うと、当然ながら、相手によって反応が違います。

「ああ、それは大変ですね。都合のいい時間を教えて下さい。その時間だけ連絡をしますから」
「入院先はどちらですか。お見舞いを送ってもいいですか」
「あっそう、でも病気の話はどうでもいいから、仕事の話をしようよ」
「こちらは仕事をちゃんとしてくれればいいよ。仕事に穴を開けなければね」などなど……。

気配りタイプ、クールなタイプ、とにかく仕事優先タイプなど、その人のキャラクターが出ているような気がします。

忙しい3日間でしたが、仕事も無事終わり、ひと安心。
今回は、借りっぱなしのノートPCが大変役に立ちました。

そこで、貸し主の「和光のKくん、もう返さないから、覚悟しとけよ!」



2006/04/05 PM 06:55:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | [日記]

昼からブランデー
久しぶりのMac出張講習。
相手は吉祥寺の住人。ヨメの実家が三鷹なので、息子と娘を実家に預けたあとで、講習先へ行きました。

少々古びたマンションの11階が講習先。
玄関の広さにまずビックリ。
広いわりに何もない。高級そうなマットが敷いてあって、隅に2メートル以上の高さの観葉植物が置いてあるだけ。

相手は、20代の男性。
どちらかというと、今風のイケメン。
身長は私の方が高いが、180センチ近くありそう。部屋着もおそらくブランドで、優雅な感じ。

金持ちと見た。

長い廊下を突き当たって右が「カンピュータールゥム」(彼がそう言った)
広さは8畳ぐらいか。
パソコンとパソコンに繋いだROLANDのキーボード、JBLのスピーカー(!)があるだけだから、大変広く感じる。

金持ちと見た。

Macの機種はG5の最新機種。
モニタも25インチ(?)、でかい。

Mac歴は高校時代に68Kのものをいじっていたが、Win95が出たのですぐそれに変えたとのこと。
Macのキャリアは2、3ヶ月らしい。

メールでは「オーエステン」の基本的なことをアドバイスしてくれればいい、ということでした。
我が家では、「オーエステン」は使っておりませんが、得意先などでは、半数近くが「オーエステン」を使っているので、こちらも少々勉強して、最近ではかなりわかってきました。

威張るわけではないのですが、こちらはプロですから、少し勉強すれば過去の経験と照らし合わせて、要領よく覚えることができます。
教え方も自分が初心者になった気持ちで教えますので、こちらも要領はいい(と思う)。

相手ののみ込みも早いので、90分の講習予定が、60分ちょっとで終わってしまいました。

「何か質問は?」と聞きましたが、「いや、充分です。大変わかりやすかったです」と言われて、講習は終了。

早く終わっても、講習料は同じ。
得した気分です。

「少し、世間話などいかがですか」と言われて、リビングに誘われました。

リビングも広い。20畳ぐらいか。
隅にバーカウンターまである! その横に螺旋階段。上に部屋があるメゾネット!
どれほどの金持ち!

「いいブランデーがあるんですが」と言われましたが、まだ昼前の11時過ぎ。ブランデーという雰囲気ではない。
「お酒は、ダメな方ですか?」
「いや、そういうわけでは」

「じゃあ、いいですね」と、勝手に解釈されて飲むハメに…。
もともと高級なものと聞くとジンマシン(拒否反応)が起きるタチだし、ブランデーなど、ほとんど飲んだことがない。

ブランデーグラス(らしい)に、少しだけ入れられた液体は、琥珀色の艶めかしさを感じさせます。
彼の所作に倣って、香りを嗅ぎながら、少しずつ口に含みます。

何と芳醇な香りと、まろやかなフレーバー!
と、気取った人なら言うのでしょうが、酒は酒。
「度数が強いなあ」くらいしか、感想はない。

しかし、出された手前、「いいですねえ」と言うしかない。

「イケルくちじゃないですか。もう一杯いかがですか。サンドイッチもあるんですが、どうでしょう」

講習に来て、これほど親切にされるのも珍しいし、こんなに落ちつかない気持ちになったのも初めて。
「いや、子どもたちをヨメの実家に預けてありますので、これ以上はご遠慮いたします」

「そうですか、残念です。では、またわからないことができたら、メールをさし上げてもよろしいですか」
「はい、それはいつでも」

帰ろうとすると、「これ、自分は使わないので、もしよろしかったら…」と言われて、「iLife」の最新版を手渡されました。

「iLife」は、大変いいソフトですが、こんなものを貰う謂われはない。

「いや、これは」と言って、返そうとすると、「私が持っていても、宝の持ち腐れですから、使える人が持っていた方がいいと思います。ぜひ、受け取ってください」と熱心に言われました。

しかし、貰う理由がない。
こういうときの私は頑固です。

友だちなら貰ったでしょうが、今日初めてあった人から、ものを貰うというのは、私の方程式にはない。

「いえ、申し訳ないですが、いただく理由がない場合は、お断りすることにしています。勘弁してください」

「iLife」を玄関に置いて、すぐドアを開けて出ていきました。

後ろを何度も振り返りながら、慌ててマンションを後にしました。さすがに追いかけては来ませんでした。

おそらく単純な好意なのでしょうが、初対面の人間に、ある程度値のはる物をプレゼントするというのは、私には理解できない。

金持ちの気まぐれ?

そして、ビンボー人のひがみ?(これは私のこと)

あるいは、もっと気楽に考えればいいのか……。

井の頭公園で花見をしている間中、考え込んでしまいました。


2006/04/03 PM 12:04:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | [Macなできごと]



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