Macでお仕事?
Mac歴22年。独立して15年。日に日に減っていく仕事……。そんな売れないデザイナーのひとりごとです。
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貧しいの三冠王
実を言うと、昨年の8月から10月、私は病人だった。

こういう表現をすると、本当の病人の方に怒られるかもしれないが、今も4分の1は病人のままだ。
検査のために定期的に病院に通っていることもあるし、ある数値が、まだ平均値に戻っていないからだ。

昨年の8月初め、な〜んかおかしいな、と思いながらママチャリで病院に行ったら、「重度の貧血」と言われた。
「入院が必要です」
「輸血しましょう」
「絶対安静です。今の状態では何が起こっても不思議はないです!」

ヘモグロビンの数値が、「信じられないくらい低い」と言われたが、私も信じられなかった。
それほど明確な自覚症状がなかったからだ。

「普通だったら、苦しくて立っていられないはずです」
「思考能力も食欲も著しく落ちているはずです」
「自転車で来たんですか? 自殺行為です」
「仕事は無理でしょう。今すぐ入院」

イヤです。

不思議なことに、ここ3年ほど、異常なほど忙しい夏が続いていた。
去年の8月もそうだった。

フリーランスは、入院なんてできないんです。
他のことは、どんなことでも言いつけを守りますので、自宅で仕事をさせてください。

タレントの優香様に似た医師は、呆れながら「本当なら殴って気絶させてでも入院させるところなんですよ」と物騒なことを言いながらも、渋々こちらの言い分を聞いてくれた。

感謝します。
これからは、あなた様のことを「観音様」と呼ばさせていただきます。

それ以来、輸血と投薬と時々安静の日々が始まった。

数値が、それなりに改善した今は輸血はなくなったが、薬は欠かさず飲んでいるし、日々の暮らしや行いも世の人々を愛で包み込む聖人のような気高いものになった。

ただ、どんなことでもいいつけは守ります、と言っておきながら、ある程度数値が改善して自分が体調がいいと判断したときは、禁止されたランニングをした。
距離は、1〜10キロ。

「激しい運動はダメ」という理屈はわかるのだが、私にとって、ランニングは「激しい運動」のうちには入らない、と屁理屈をこねた。
格好をつけるが、自分の体調と向き合う訓練は何百年も積んできたのだ。
最初の5百メートルで体調は判断できるから、5百メートル走って無理だと感じたら、すぐにやめた。

走り終わったあとで、どこかが苦しくなるということはなかったので、自分の判断は正しかったのだ、と勝手に納得していた。

しいて言えば、「生活が苦しかった」が、これは1920年代の世界恐慌からなので、もう慣れてしまった。

自覚症状はなかった、と「大きな嘘」をついたが、実は、階段ののぼりが苦しかった。

健康なときは、駅の階段を2段飛ばしで駆け上がっても、息は切れなかった。
しかし、この時期(去年の8月9月)は、駅の40段程度の階段の22段目あたりから膝が上がらなくなって、呼吸が苦しくなった。
(駅のエスカレーターに乗る習慣は、私にはないので、それは除外)

おやおや、あらあら、ドスコイ、と気合を入れながら階段をのぼりきったときは、全身から77パーセント血の気が引いていくのがわかった。

しかし、意地でも立ち止まることをせず、ホームのベンチにも座らず、電車でも優先席に突進することなく、密かに息を整えながら、つり革につかまった。

ただ、今でも後悔していることがある。
私は両手で釣り革を独占する人を嫌悪しているのだが、そのときだけは、左右の手で一つずつ釣り革を持つことを自分に許した。

そうしないと、失神してしまいそうだったからだ。

人様がやることを意味もなく嫌悪してはいけない。
人のすることには、必ず理由がある。
それを知ったことで、私は一つ大人の階段をのぼったと思う。

天国への階段、かもしれないが。


もうひとつ、仕事の打ち合わせの帰りに、たまに急に気分が悪くなることがあった。
そんなときは、公園を見つけて、ベンチに座った。

動悸、息切れ、頭がガンガン、手が重い、足も重い、真夏なのに寒気がする。
そして、まわりの景色がモノクロームになった。

最初のうちは、救急車を呼びたい誘惑に負けそうになったが、その度に、あれは俺の専用車ではない。もっと重病の人たちの車だと言い聞かせて、誘惑を抑えた。

その状態に慣れてくるうちに、血が足りないのなら、増やせばいいだろうと安易に考えた。
コンビニで2リットルの水を買い、それを一時間かけて、ゆっくりと飲んだ。
人間の機能の中には、水分が血液に変わるトリックがあるのではないかと信じたのだ。

そうすると、自己暗示かもしれないが、徐々に頭の痛みがなくなり、手足が軽くなっていったのである。
「フッカーツ!」と叫んで立ち上がり、家路についた。

ただ、これは医学的な根拠があるわけではないので、良い子はマネしないでいただきたいと思います。


知人たちは、私が医者通いをしていることは知っていたが、病名が何かを知らない。

このブログを読んで、ビックリしているかもしれない。
あるいは、「どうでもいい」と思っているかもしれない。

きっと、「どうでもいい」と思っている奴が9割だろう。
そのことに関して私は自信を持っている。


先日、診察を受けたら、優香観音様に「私は後悔してるんですよ」と言われた。

「たとえば、あのとき、もしも他の病気を併発したり、大怪我をしていたら、絶対に助かりませんでしたからね。当て身を食らわせてでも入院させるべきでした。今回ここまで良くなったのは、だた運が良かっただけですから」

あ、当て身を食らわせてぇ!

そのお美しいお顔から、そんな言葉が発せられるなんて、座ったままで、全身の血の気が78パーセント引きました。

まさか、合気道をなさっているとか。

「はい、初段です」

サーーーーーーーーー(79パーセント血の気が引く音)。


昨年の8月。
もしも、優香観音様に当て身を食らっていたら、私はどうなっていただろうか。

一家四人、高齢の母親、野良猫一匹、おそらく路頭に迷っていたであろう。

などと、真剣に頭の中でパズルを解いていたら、「冗談ですよ。重度の貧血の人に当て身なんか食らわせたら、犯罪じゃないですか。ありえませんよ〜」と、優香観音様のグーが、私のミゾオチ、14ミリ手前で止まった。

観音様がニヤリ。

優しく香る殺気を感じた。


80パーセント血の気が引いた中で、考えた。

貧血とは、「貧しい血」と書く。


ああ、俺は心と財布のほかに、血まで貧しかったんだ、と妙に納得した。



「貧しい」の三冠王、ありがとうございます。


2015/06/20 AM 06:26:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

今年最後のボヤキとボーナス
最近は、ノートPCとWiMAXルータを持って出かけることが増えた。

なぜかというと、最近ヨメに、「あそこのご主人は、いつも家にいるけど、プータローかしら」という噂が、全宇宙的に広まっていると聞いたからだ(サイタマ星にいたときも、そんな噂があったなあ)。

私の姿を見かけたときは、食材を大量に抱えているか、ジョギングウェアで出かけようとしているところが多いという。
たまにスーツ姿を見かけるが、あれは、きっと再就職活動をしているに違いない。

かわいそうに・・・・・。


確かに、かわいそうなのは当たっているが、プータローさんというのは、ゴールポストを大きく逸れて、ボールが場外まで飛び出したくらいの外れ加減である。

でも、俺は、プータローさんに見られても平気さ。
なんの不都合もないよ。

私がそう言うと、ヨメが「私が困るの!」と怒る。

そして、「子供たちだって、困るわよ!」

つまり、私以外の皆が困るというのだ。
(うちの夫はフリーランスですって説明すれば済むことだと思うが、ヨメは『そんなこと誰も信じないわよ!』というのだ。そんなことはないと思うのだが)


世の中には、フリーランスの方々が多くいらっしゃると思うが、皆さんはどうなんでしょうか。

そんなアホな噂、本気で気にしますかね。

まわりから、どう見られたっていいじゃねーか・・・・・というわけには、いかないんですかね。


俺は、プータローさんに見られようが、ホームレスさんに見られようが、どうでもいいわい!

だって、ホームレスデザイナーのホネホネ白髪おやじだぜ〜。

マイルドカレーだろ〜〜。


そんな風に、私のスタンスは一貫しているのだが、それが非常識だと強く言われたら、黙るしかない。
自分が非常識な人間だというのは、私が一番わかっているからだ。


家族関係は、調和が一番大事。

全宇宙に、私がプータローではないことを証明する努力は、私がしなければいけない、とヨメが力説する。

だから、最近の私は、スーツを着てノートPCを抱え、武蔵野近辺のファストフード、カフェを渡り歩き、そこで仕事をしているのである。


なんか、面倒くせえ。


しかし、調和を重んじる私は、家庭調和のために、面倒くさくても、それをしなくてはいけない。


ノイローゼになりそう・・・・・。


コーヒー一杯で店にいられる時間は、せいぜい30分程度ですよ。
それ以上いたら、営業妨害になるんじゃないですかね。

まあ、追加を頼めばいいんだろうけど、俺、そんなに金持ちじゃないし。

で・・・・・店の人に厄介者がられないように、ビクビクしながらノートPCの画面を見つめ、マウスを動かす毎日。
店の人の舌打ちが聞こえそうになったら、すぐPCを畳んで、席を立つ準備をするオレ。

仕事のはかどりが・・・・・遅い。

ほんと、ノイローゼに・・・・・。
そして、ストレスが・・・・・・。


こんな暮らしをしながら、思ったこと。

世間には、電源を貸してくださるお店が、意外と少ないという現実。

まあ、電気だって財産の一つだから、そんなに簡単に貸していただけないとは思いますが、放浪のホームレスデザイナーにとって、この現実は大変つらいです。

数少ない、そんなお店でノートPCを使っていて、店員から「また、あいつかよ」の目線をハイビームでいただいたときは、ひと睨みで25gは痩せますね。

図書館で、持参のノートPCを使わせてくれるところもあるが、いつも満員。
武蔵境駅前の近代的な図書館は、ノートPC用のデスクをたくさん用意してくださっているようだが、有料。

公共の図書館を利用して金を払うのには抵抗があるので、一度も使ったことはない。
ネットカフェは、時間単価が高いので問題外(ビンボーなので)。

無料で電気を貸してくれるところがあればなあ・・・・・。

いやいや、そんな都合のいいところが、あるわけない。

ナイナイナイ!

なんて、思っていたら・・・・・。



昨日27日木曜日、午後3時に、杉並の建設会社に行ってきた。
正月明け2週目に出すチラシの最終校正を持っていったのである。

打ち合わせと修正は30分程度で終わったので、「じゃあ、良いお年を・・・な」と社長に言われたのだが、私の目は、この事務所の中で、いつも二つ空いているデスクに釘付け。

まっさらのデスク。
何も乗っていないこのデスクに、私のノートPCを置いて作業をしたら、どんなに仕事がはかどることだろう。

電源だって、使い放題に違いない。

パラダイスじゃないですか!

普段は、宇宙で一番内気な私だが、こういうときの押しだけは強い変なヤツ。

社長。
このデスクを2時間ほど、お貸しいただけないでしょうか。
急ぎの仕事があるのでございます。
家に帰るまでの時間がもったいないので、ここで仕事を仕上げたいのでございます。

どうか・・・ぜひ・・・わたくしめに・・・この場所を。

社長は、いつも通り決断早く、「ああ、いいぜ。2時間と言わず、5時間でも10時間でも使っていいからよ」と言ってくださった。
そして、「年末に大変なこったな。俺は定時で上がるけど、若いのが大抵は8時くらいまでいるから、遠慮すんなよな」とも言ってくださった。

お言葉に甘えて、さっそく仕事にかかる俺。
カフェでは、店内の目線が気になって仕事の進行が遅くなることが多いが、ここでは人の目を気にしなくていいから、はかどりが早い。

調子に乗った私は、社長に、図々しいお願いをした。

たまに、このデスクを貸していただくなんてことは・・・・・できませんか?

ここでも社長は、即答。
「まあ、いいけどな。どうせ、使っていない机だからよ」

ラッキー!

しかし、社長が大きな顔をニヤケさせながら、私の顔を正面から覗いて、こんなことを言った。

「あんた・・・・・あんたも、淋しい男なんだなあ」

妙に実感のこもった言葉だった。



(小声で) 奥さんに出て行かれたあんたに言われたかない!



今日28日午前中で、建設会社は仕事納めなのだが、「午後は自由に使っていいぜ」という有り難いお言葉を昨日いただき、会社の鍵まで貸してくれたデカイ顔のお人。


年末に、どでかいボーナスをいただいた気分であります。




2012/12/28 PM 04:59:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

フリーランスの鉄則を破る
思いがけない会社から、電話があった。

大宮の印刷会社だ。

この会社に関しては、何度か書いたことがある。
私に対して、とても冷淡な態度を取る会社である。

顧客の選り好みをしてはいけないのが、フリーランスの鉄則であるが、余りにも冷たい態度を取られると、気分が落ち込む。

会社に「お世話になります」と入っていっても、誰も振り向かない。
担当者でさえ、「はい、これ。急ぎだからね」とだけ言って、仕事を渡すだけ。
「よろしく」さえも言わない。

事務所の隅っこのMacで作業をしている間、仕事とはまったく関係ない話題が、騒々しいほど私の頭の上を通過する。
まるで、私の存在など、最初からないと思われているような扱いだ。

昨夜のドラマの話を、そんなに一所懸命に、午前10時15分頃する必要があるのか。
「あの展開には、無理があるよね」
「絶対、外国ドラマの真似だわ。不自然だもの」


そんなに無理があって不自然なら、見なければいいだろうに。
なにも仕事中に、そんなに盛り上がる必要はないだろうに。


作業が終わって、作業伝票にサインをもらうときも、「ご苦労さん」の一言もなく、担当者は、ただ無言で判を押すだけ。
そして、こちらがヤケクソになって「ありがとうございました!」と叫んでも、みな無反応。

こんな会社を好きになれるほど、私は器がでかくない。

武蔵野に引っ越すにあたって、過去2年間、5万円以下の仕事しか出していただけなかった会社は、やむなくお付き合いをお断りにすることにした。
ある程度の基準を作らないと、時間を消耗するだけだと思ったからだ。

この大宮の印刷会社からは、平均すると年15万円ほどの仕事を出していただいていたが、大宮までの交通費や仕事に対する充実感などを考慮して、お付き合いをやめさせていただくことにした。

ゴミクズのようなフリーランスにも、「気持ちのいい仕事」を選ぶ権利はあると思ったのだ。


申し訳ありませんが、東京の武蔵野に引っ越しますので、もうこちらへは伺うことができません。
貴社の仕事をすることが、難しくなりました。
勝手を申しまして恐縮ですが、ご理解下さい。


そのとき、担当者は私の顔を見ることなく、そっぽを向いて、頷いた。
ボールペンの底で、頭をかきながら。


あれから、一年と三ヶ月が経過している。

それなのに、「急ぎの仕事があるんだよね。頼むよ」。
私より20歳以上年下なのに、タメぐちで話す髭男爵のひぐちくんに似た男。

はい? と聞いたら、「はい、って何?」と怒られた。

「俺は、仕事を出す側。はい? はないだろうよ」

このあたりのやり取りは、すべて一言一句正確に記しております。

「急ぎの仕事が、あんの! やってくれるでしょ! シカトしないでよ!」

そんな一方的な言い方をされたら、心の狭い男は、簡単にキレる。

だから、小僧! と言った。
(大宮の印刷会社の仕事がなくても、生活できることがわかったので、強気に出てみた)

小僧! お前、去年俺が言ったことを覚えているか。
引っ越すから、貴社の仕事はできない、と言ったよな。
お前も頷いていただろうが!

忘れたか! 小僧!

「こ、小僧って・・・」

礼儀を知らないガキは、俺にとって、小僧だ!
文句があるなら、こっちに来い!

いつでも、喧嘩なら買ってやる。

年上に仕事を頼みたいなら、お前がこっちに来い。
急ぎの仕事だろうが何だろうが、頭を下げるなら、やってやる!

来いよ!
待ってるからな!


たいへん大人気ない対応だった、と今にして思う。

だが、言い訳はしない。

しかし、謝りもしない。


言いたいことは、ただひとつ。


フリーランスをなめんなよ! ケッ!





(フリーランスの鉄則を破ってしまった私・・・・・だが、反省はしない。絶対に、しませんとも)


2011/06/03 AM 06:35:11 | Comment(3) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

喧嘩を売る
フリーランスは、気楽か。

前回、営業のあとに、多摩川の河川敷で寝転がってクリアアサヒを飲んだことを書いたら、「いいよねえ、自由業者は気楽で」と、ある方面から、たいへん浅薄なご意見をいただいた(コメント欄にも、同じようなご意見があった)。

心に余裕のあるときは、「そうですよ。気楽ですよ」と受け流すが、心に少しでも鬱屈を溜め込んでいるとき、私はムキになる。

今回の相手には、こういう言い方はしなかったが、以前、私はこう答えたことがあった。


じゃあ、代わってあげましょうか。


私がそう言うと、必ず相手の目が、一瞬泳ぐ。
飼っていたペットに反撃されたような、戸惑った顔になる。


言っておきますが、私はサラリーマンを経験して、フリーランスになりました。
そして、さらに言いますが、私はサラリーマンを失格したから、フリーランスになったわけではありません。
自分の意志で、フリーランスになったのです。

だから、私は今すぐサラリーマンに戻ることが出来ます。
しかし、サラリーマンしか経験したことのない人には、フリーランスという立場は、底の抜けたボートのようなもの。
フリーランスは、確固たる意志と経験で、ボートの底を修復しながら、漕ぐ技術を知っています。
しかし、そうでない人は、すぐに溺れてしまうでしょう。

どうですか、あなた。
今すぐ、底の抜けたボートで、海に出る覚悟はありますか?


こんな失礼なことを言ったことが、いままでに2回あった。
いずれも、得意先の年輩の担当者に対してだ。

それから数回仕事をいただいたが、当然のことだが、いつの間にか、その会社からは仕事が来なくなった。

自業自得。

昼日中から、多摩川の河川敷でクリアアサヒを飲んだ、と書けば、誰もが気楽だと思うだろうが、私はその前に濃厚な三日間を過ごしているのである。
私は、その三日間が、どの程度濃厚で、どれほど頭脳と肉体に負荷がかかったかを書かなかった。
だから、お気楽に見えたのだろう。

いま、私はサラリーマンに戻ってもやっていける自信が、それなりにあるが、サラリーマンが大変だということも、充分理解している。
そして、フリーランスが大変なことは、いま現実問題として、身に染みてわかっている。

私が、多摩川の河川敷で寝転がるのは、営業マンが公園のベンチで、つかの間からだを休めるのと同じことだと思って欲しい。

いま、私のことを「気楽でいいよね」と言ったひと。

同じように、公園で休む営業マンに「あなた、気楽でいいよね」と言ってみてください。

それを、世間では「喧嘩を売る」と言うんです。



同じようなことなのかどうか・・・・・。

私は最近、日本の最高権力者は、移り気なメディアと有権者、識者から、毎回喧嘩を売られているようなもの、と思うことがある。

その結果、一年ごとに「交代させられている」。

首相の揚げ足を取り、その揚げ足取りに加担し、毎回のように「無能だ」コールを繰り返している人たち。

私は、いつも不思議に思っている。


昔は、本当に良かったのか・・・・・と。


いまの日本を嘆くことしか興味がない人たちは、いったい頭の中に、どんな理想の日本を思い描いているのだろうか。

格差のない社会。
失業率の少ない社会。
倒産の少ない社会。
福祉の充実した社会。
官僚が国を私物化しない社会。
そして、底抜けに景気のいい社会。

私もそうあって欲しいが、そのうちの一つ二つでも叶えられる能力を持った政治家が今いるとは、私には思えないのである。

それは、メディアや有権者、識者たちが、短気で移り気だからだ。
短気だから、長いビジョンを持った政治家の可能性を些細なことで摘んでしまって、首相がコロコロ代えられる。

首相が代わるということは、政策に一貫性がないということ。
政策がその都度断ち切られるから、政治家が長いビジョンを持つことを諦めて、官僚に頼ることになる。
それの繰り返しだ。

それで、景気を良くしろ、暮らしを良くしろというのは、虫が良すぎる。

私は常々思っているのだが、人々はもうそろそろ高度成長の幻想から抜け出すときではないだろうか。

かつての高度成長時代。

いまや人口を武器に経済大国にのし上がった中国は、当時、トラック競技で言えば、周回遅れの選手だった。
おそらく、日本より二周程度、遅れていた。

超大国アメリカも、ややペースダウンしているときだった。
ソビエト連邦は、無理を重ねて、息も絶え絶えだった。

そんなときは、たとえ「三角大福」が、醜い権力闘争を繰り返していても、日本はペースを挙げていられた。
極端なことを言えば、経済音痴の指導者でも、日本丸の舵を取ることが出来た。

だが、馬力ある中国が日本に追いついた今、皆がノスタルジーを感じるブルドーザー政治家が、たとえ指導者として甦っても、彼は空論を言うだけで、指導力は発揮できないだろう。

当時とは、世界情勢がまったく違うのである。

それは、最近やたら経済評論家や政治評論家から持ち上げられているオザワ氏でも、同じではないだろうか。

中国経済の脅威と折り合いを付けなければ、日本の景気は良くならない、と私は思っている。
総合的な国のかたちとしては、先進国とは言えない国だが、ブラックマーケットを含めて、中国経済の稼働域は、まだまだ広がる要素を持っている。

その中国や為替相場に対して、有効な政策を打ち出すのは、たった一年では無理だ。

経済評論家は「できる」と言うかもしれないが、経済評論家の予測と預言者の予言は、当たったためしがない。

それは、四年制大学を一年で卒業しろ、と言っているようなものである。
大学に「飛び級」はあるかもしれないが、政治の世界に飛び級はない。
大学は、カリキュラムに沿って単位を取るだけでいいが、政治にカリキュラムはないのである。

私は、いま、どん底生活を送っている自覚があるが、まだ少しの間、どん底生活をしても我慢できる。
現実的な話、仕事が相当減ったから、娘の高校受験、息子の大学の授業料、高齢の母親の入院費などが家計を圧迫している。
どん底だから、ボートの底が抜けたら、一家揃って溺れ死ぬことになる。

そんな悲惨な状態ではあるが、いま少し待つことが出来る。

だから、一年もたたないうちに、「結果を出せ」と詰め寄る気は、私にはない。
いま、政治家に喧嘩を売っているときではないはずである。
相手の胸倉をつかんで脅すより、裁判員裁判の裁判員のように、相手のいうことをよく聞いてから、審判を下す冷静さを持つべきだ。


そして、いざ判決のときが来たら、そのときは、背中の桜吹雪でも、昇り龍でも見せてやりやしょうや。




ところで、中国に限らず、よその国の外交は、喧嘩腰の場合が多い。
(日本が外国に喧嘩を売ったら、世界中から叩かれるが、その逆は容認されるという図式には、もう慣れてしまった)

いつでも戦争の覚悟のある国と、戦争に負けてプラスチックの鎧を着ざるを得ない国とでは、気持ちの上で勝負にならない。
相手は、鉄の鎧兜の他に、人類を確実に破滅に導く最終兵器まで持っているのである。

彼は、最初から、最大限のアドバンテージを持っているのだ。

それに、国民の間に芽生えた民主主義の芽を、その都度、戦車で踏み潰してきた過去を持つ国だ。

オリンピックと万博の時だけ、民主国家になっているが、戦車の主砲は、今も何かあれば国民の方を向いていて・・・・・・・・・。


彼らと対等に戦うには、相撲で言えば「肩すかし」、喧嘩だったら「死んだふり」しかないと私は思っているのだが、そんなことを言ったら、イシハラ都知事大先生は、烈火のごとくお怒りになるでしょうね。

あるいは、昨年のことでしたか、143人の国会議員様を従えて、かの国にご機嫌を伺いに行ったオザワ大先生なら、今回のことは、何とかしてくださったでしょうか。


日本は平和な民主主義国家だから、そうではない国と接するときには、周辺に味方をたくさん作るべきだ。
日本が味方をたくさん作れば、かの国も、いつまでも無法国家ではいられないだろう。

私は、それが外交だと思うのだが・・・・・。





2010/09/27 AM 06:26:04 | Comment(3) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

フリーランスの現状
先月末の話である。

病院に、自分の定期健診の結果を聞きに行ってきた。
今年の4月に19日間入院した時、退院時に医者から「半年間は、毎月1回検診に来るように」と言われていたからだ。

自分で感じる体調は、良くもないが、悪くもない。
検査結果も、そんな感じだった。
「油断したら、元通りですからね」
太宰治似の医師から、そう釘を刺された。

病院を出て、iPhoneで外注先に電話をしようとした。
しかし、「この携帯は使えません」と言われた。

またかよ!
また、ヨメが料金を支払い忘れたらしい。

このパターンは、よくある。
ガスを止められたことがある。水道、電気、電話も止められたことが、過去に数回ある。

「ガハハハハ、忘れちまった!」
自分のミスは、必ず笑って誤魔化すヨメ。
しかし、彼女は、人のミスに関しては、容赦がない。

毎回のように、速射砲のような罵倒の言葉が、その口から風速100メートルで、発射されるのである。

「俺も、忘れちまった。ワッハッハッハッハ」
一度でいい。
そんな人生を送ってみたい。

いつも書いているように我が家はド貧乏だが、今月は、携帯料金が支払えないほど困窮してはいないはずだ。

我が家の場合、仕事柄、3回に分けて、得意先から入金がある。
私は、毎月それを帳簿を見ながら、振り分けている。

優先順位の一番は、外注費である。
次が、家賃。
その次が、光熱費や通信費、借金返済だ。
そして、教育費(子どもの小遣いを含む)。
仕事の経費は、その月の仕事内容によって、取るときもあれば取らないときもある。
(しかし、仕事の経費の優先順位が最後のほうだなんて、フリーランスとして、これでいいんだろうか)

これらは、用途に応じて、違う通帳に毎月移し代えている。
その方が、管理がしやすいからである。

そして、残った中から、私が3万5千円を貰う。
と言っても、これは私の小遣いではない。
そのうちの1万円は、スイカにチャージしておくものだ。
これは、得意先に行くときの交通費としてだ。

ただ、ひと月1万円で足りたことは、一度もない。
足りなくなったときは、ママチャリの出番だ。
どんなに遠くても、移動はママチャリでする。

ある会社の大田区大森の支社に呼ばれたときも、ママチャリで行った。
片道50キロ。
往復100キロを8時間かけて漕ぐのである。
当たり前のことだが、ママチャリは、長時間の移動には向いていない。
構造上そんなふうに、できていない。

ケツが痛くなる。膝も痛くなる。心が折れる。
時にパンクする。
しかし、それしか手段がないと思えば、漕ぐしかない。
池袋にママチャリの旅。表参道にもママチャリの旅。

ケツの皮が、すりムケる。

残りは2万5千円。
これでひと月に費やす食材や、調味料、洗剤、シャンプーなどの備品を揃える。
調味料だけはケチりたくないので、いいものを買う。

だから、食費は、ひと月2万円を超えることはない。
アホな友人からは、「それは、嘘だろ! 5人家族で、そんな安くて済むわけがない」と見当違いの非難を浴びる。
しかし、バカどもの雑音は、放っておくことにしている。

収支が大きく余ったときは、仕事用の通帳に移し代える。
5年前までは、新品の軽自動車が現金で買えるくらいの蓄えがあったが、私の母が年に3回手術した3年前に、それはすべて吐き出された。

2年前は、大口が1件倒産し、他に2社が危ない状態になって、入金が滞った。
それ以来、マイナス成長が続いている。
今年は、私の入院や、台所の火事、異星人の入院騒動もあった。

それは、悲惨な状態だ。

外注費と、仕事の経費以外の通帳は、そのままヨメに渡す。
そのほかに、少しあまる金がある。
それは、現金でヨメに渡す。

その金額は、ブランド品が買えるほど誇らしいものではないが、毎月しまむらユニクロで、洋服や靴を何点か買うことはできる。
私だったら、餃子の王将で、百食近い量の餃子を食うだろう(ギャル曽根か!)。

だから、今月の携帯電話料金が払えないということはない。

携帯電話の料金くらい払ってくれよ!

病院を出た途端、血圧が上がるオレ。

しかし、怒っていても解決にならないので、とりあえず外注先に電話。
バッグの中には、こんなときのために、テレフォンカードが忍ばせてある。
絵柄は、なぜか「モーニング娘。」(しかも、かなり前のメンバー)。

しかし、だからと言って、私はモーニング娘。のファンではありませんよ!
いやいや、本当ですって! ホント!
(何を必死に弁明している?)

今回はじめて仕事を頼んだ外注先。
仕事は、新規開店の美容院のキャラクターデザインとロゴのデザインだ。
私の不得意分野なので、得意な人に丸投げした。

朝の9時までに、初稿をメールしてくれる予定が、まだ来ていなかった。
その確認のための電話だ。

相手が出た。

初稿が届いていませんね。

「ああ、忘れちまってた! アハハハハ」

このヤロー! おまえも、ヨメと同じ人種かい!


2009/09/06 AM 06:28:05 | Comment(3) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

30パーセントの誠意
川崎の得意先に、1年4か月ぶりに呼ばれて行ってきた。

私は諦めが早いタチなので、1年以上お呼びがかからないと、「もう仕事は来ないな」と判断して、脳細胞から得意先を消滅させてしまうから、電話がかかってきたときは、すぐに対応できなかった。

「Fセンターのタツミです」と言われて、まず「どこのセンターだ?」と思った。
センターはイチローだろう、と心の中でボケたため、数秒の空白ができた。

「もしもし? スカイデザインさん? Mさん? え〜と〜・・・・」
という相手の戸惑った声が流れてきたので、慌てて「はい! ハイ! ハーイ!」と徐々にトーンが上がって声が裏返ったから、笑われてしまった。

担当者が辞めたとき、気持ちに余裕のある人は、引き継ぎを丁寧にしてくれるので、その会社とのお付き合いをそのまま続けることができる場合が多い。
しかし、担当者が会社を辞めることしか頭にない場合は、引き継ぎをしてくれないから、その会社との付き合いが途絶えることがある。

昨年の7月に担当者が辞めると聞いて、慌ててFセンターに駆けつけたが、担当者には会えずに伝言だけを残して帰ったことがあった。
このとき、「この会社との付き合いも、これでおしまいか」と確信した。
少しは期待していた部分もあったが、半年も過ぎると古い記憶がどんどん死滅していく私の脳細胞から、徐々にFセンターの記憶が消滅していった。

新しい担当者のタツミさんは、大変正直な人で「他のデザイナーさんの方が、距離的に近いんで、他に頼んでたんですよ」と、笑いながら告白した。
そして、「二人のデザイナーさんに頼んでいたんですけどね、その人たち、FLASHがイマイチなんで、またMさんに頼もうかな、なんて・・・」と悪びれずに言っていた。

そうか。浮気をしていたのか。
だから、1年4か月、私に仕事が回ってこなかったのだな。
まったく!

しかし、私の存在を思い出してくれただけでも、ありがたいことである。
感謝、感謝・・・(拝)。

1年4か月ぶりに行った得意先で名刺交換をしたあと、我々はにこやかに世間話を交わし、爽やかに仕事の話をし始めた。
私の心の中には、何のわだかまりもない。
本当にない!

しかし・・・・・。

今回の依頼は、ホームページに差し込む、ユーザーためのガイダンスをFLASHアニメで作るというものである。
ガイダンスを進行するキャラクタは既存のものがあるので、それを動かしながらガイダンスを進める、という仕事自体は、たいして難しいものではない。

しかし、引っかかる点が一つだけある。
デザイン料を以前より30パーセント(!)安くしてくれ、と要求されたのだ。
たいして難しくはない、とは言ってもFLASHアニメは、一応は特殊技術である。
誰にでもできる、というものではない。

以前の担当者は、そのあたりに気を遣ってくれて、こちらの言い値で処理してくれた。
彼は、「俺にできないことができる人は、たいしたやつだ!」という判断基準を持っている人だった。
こういう考え方ができる営業マンは、考え方が柔軟で公平な人である。

しかし、多くの営業マンは、「とにかく安く人を使えばいい。それが一流の営業マンの証だ」と思っているのが現実だ。
今回の担当者は、このタイプだったようだ。

だから、今回「前より安くしてくれたら、俺は満足だ。仕事の質は二の次だ。とにかく30パーセント負けろ!」という発想で、デザイン料のディスカウントを要求してきたのである。
彼の感覚では、下請けはクライアントの言うことは素直に聞かなければいけない、という方程式が出来上がっているのだろう。

私が、「30パーセントですか?」と呟いただけで、それまでの友好的な空気が一変した。

彼は「30パーセントくらい引くのが、誠意じゃないんですか?」と、眉を少々つり上げて、言ってきた。
しかし、「誠意」は、むかし提出した価格表で示してある。
これ以上、誠意を示したら、自分が惨めになるばかりだ。

30パーセントの誠意を示したら、我が家から川崎まで6回往復する運賃と変わらなくなる。
だから、ゆっくりと首を横に振った。
駆け引き上手の人だったら、相手の機嫌を損ねないように、適当な落としどころを見つけながら相手を誘導していくのだろうが、残念ながら、私はそんな上等なテクニックは持ち合わせていない。

すぐに、面倒臭くなってしまうタチである。

ガキがお小遣いをもらおうと思って、大人に媚びるのとはワケが違うんだよ!
俺にだって、最低限のプライドがあるんだ!
俺をバカにするやつは許さねえぞ!
(ただでさえデザイン料を安く設定してあるんだから、それをさらに安くしろ、というのは完全に私に対する侮辱だと受け止める)

私は、また二度ゆっくりと首を横に振った。
タツミさんの眉は、吊り上がったままである。
このままだと、交渉決裂という事態になるのは、必至だ。

ただ、どんなときでも、救世主というのは、表れるものらしい。
我々の会話を遠目で見ていたナガサワ次長が、「今回はMさんにおまかせしたらどうかな?」と言ってくれたのである。

「いいんですか?」と、次長の方に首を回して、二人でハモるタツミさんと私。
大きく頷くナガサワ次長。
タツミさんは、小さく舌打ちをしていたが、私はそれを聞かない振りをして、資料を素早くまとめて、「では、初稿は19日に」と言って、席を立った。

そして、タツミさんの顔は見ないようにして、次長に頭を下げ、会社をあとにした。
当然タツミさんは、いい気分ではいられないだろう。
Fセンターでの仕事は、今回限りの可能性が高い。
だが、私はこれで満足なのだ。

30パーセントまけるのが誠意だというのなら、私は、そんな誠意は断固拒否する。

それは、馬鹿げたプライドだが、そんなプライドでも持たないよりはいいと、私は思っている。


2007/12/04 AM 06:26:01 | Comment(6) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

二重人格
得意先に行ったら、絵を描いてくれと言われた。
パソコンで? と聞いたら、「いや、手書きで」と言われた。
それも、「今日中に」という大変無茶なリクエストである。

先方の話では、いつも書いてもらっている挿し絵の先生が、子どもが入院したので、今回は絵を描く心境になれない。だから、今回だけ他の人に描いてもらって欲しい、と言ったらしい。

それは、子どもを持つ親の心境としてわかる。
しかし、なぜ、私に?
この人は、私の手書きの絵を見たことがないはず。なぜいきなり、そんな飛躍した話になるのだろうか。

そうすると、彼は「パソコンで絵が描けるんだから、手書きでもかけるんじゃないですか」と頷きながら言うのだ。
世の中には、こういう単純な考え方をする人が多い。

パソコンはパソコン、手書きは手書きだ。
まったく別物ではないか。
しかも挿し絵だ。文章の内容に沿った絵を描かなければいけないはずだ。
それは、かなりの力量を必要とする。

「今日中に」などと簡単に言うが、それは一等航海士に、今すぐセスナの操縦をしろと言っているようなものだ。
無理に決まっているではないか。
心の中では、そう思った。

しかし、そんな心とは裏腹に、私の口は「どんな挿し絵を描けばいいんですか」と聞いているのである。
我ながら、信じられない。つき合いきれない。困ったもんだ。
そう心の中でボヤキながら、クライアントの説明を聞いた。

絵は、携帯電話をかけている女性のポーズだという。
クライアントが親切にも雑誌の切り抜きの中から、同じようなポーズを選んでくれたので、これを描き写すだけでいいようだ。

「ああ、これなら簡単ですね」
と言ったが、簡単なわけがない。今日中とはいっても、午後4時までにというご要望だから、あと3時間くらいしかない。
本当に出来るのか。無理じゃないのか。

私の心はそう思うのだが、口は「頑張ってみます」と言ってしまうのである。
こんな自分が嫌になる。
しかし、自己嫌悪に陥っている暇はないので、早速下絵を描き始めた。

久しぶりのデッサンだ。
しかし、思ったよりも快適に進んだ。
ラフを描いてみたが、なかなかいい。

そんなとき、クライアントが「ああ、そうだ。いつも頼んでいる先生の画風に似せてもらわなくちゃね。画風が違ったら変だもんね」と言ってきた。
それは、最初に言うことではないのか。じゃあ、早くその先生の絵を見せろよ。まったく、段取りが悪いなあ。

そう思いながらも、私の口は「ああ、そうですね。それは似せないとまずいですよね」と言葉を返すのである。
まったくのイエスマンではないか。
情けない。恥知らずにも程がある。

と思いながら、黙々と描き続ける。
かなりいい感じである。俺ってこんなに絵がうまかったんだ。自画自賛。
作家のタッチを似せて描くと、プロっぽい雰囲気が出て表現力が増したような気になる。
描き始めて1時間で、9割方完成した。
線からわざとはみ出して色を塗るのだが、それが立体感を出して、リアリティを感じる絵になっている。

クライアントが覗きに来て、「Mさん、すごいねえ。まるでY先生が描いたみたいだよ。これは、見分けがつかないかもしれないね。よくこれだけ、雰囲気を真似できるねえ。さすがプロだねえ」

そうですよ。私はプロですよ。今頃わかったんですか。
そう思ったが、口では「いやあ、まぐれですよ、まぐれ。こんなにうまくいくなんて、自分でもビックリしてますよ」と言うのである。
深い自己嫌悪を感じながら、1時間半で描きあげた。

出来上がった絵は、自分でもうまいと思う。
プロの絵だと思う。
しかし、これは結局は真似である。
私の絵ではない。

「Mさん、俺、Mさんのこと見直したよ。今までは、何か頼りないと思ったけど、やるときはやる人なんだねえ」
頼りなくて悪かったですね!
まあ、確かに頼りない男ではありますが。

「今度は、Mさんのオリジナルの絵をぜひお願いしたいと思うんで、その時はよろしく」
どうせ、社交辞令だろ。
たとえ絵の仕事があったとしても、絶対Y先生に頼むに決まってるんだから、期待しないで待っていますよ。

しかし、口では「ああ、お願いしますよ。その時は、すぐ駆けつけますんで、よろしくお願いします!」と言うのである。
心の中で、自分を罵った。
二重人格者め!

帰り道、重いため息をつきながら、足どりまで重くなって、腹は減っていなかったが、駅で立ち食いそばをヤケ食いしてしまった。
それも、竹輪の天ぷらとイカの天ぷら、コロッケをトッピングをするという節度のないメニューだった。

家に帰ったら、胃がもたれて、気持ちの悪いことといったら・・・・・。


2007/11/01 AM 06:28:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

フリーランスは一人で闘っている
独立するとき、確たる成算があったわけではなかった。

固定客が3社と、単発で仕事をくれる会社が7〜8社もあれば何とか食っていけるな、程度の考えしかなかった。

幸運だったのは、独立する寸前に、「マニュアルを作らなければいけないので、手伝ってくれないか」と突然電話がかかってきたことだ。

それは小さいデザイン事務所の社長からの電話だったが、いまだに、どんな経緯で私の存在を知ったかは、教えてくれない。
ただ、どちらにしても、確実に仕事をくれる会社というのは、フリーランスにとって「神様、仏様」のような存在なので、今もその会社は、私にとって優先順位一番のお客である。

他に毎月仕事をくれる会社が2社。
単発で仕事をくれる会社が7社。合計10社が、私のメシの種である。
その他、飛び込みの仕事が年に4〜5件、知り合いのデザイナーから回ってくる仕事が年に2〜3件、「Mac出張講習」が年7〜8回といったところか。

多いときは定期的に仕事をくれる会社が5社。単発が12社あった。
しかし、私のルールに合わなかったり、あまりにフリーランスを小馬鹿にした態度を取る相手に対しては、我慢の限度を超えた場合、喧嘩を売ることにしている。
いや、喧嘩を買うというべきか。

フリーランスは、一人で仕事をしているわけだから、それなりのルールを持っていなければ、やっていけない。
普段は、相手は大事な客であるから、羊のようにおとなしく接しているが、ルールを踏みにじられた場合は、こちらも「阿修羅」になる。

私は、外見はのんびりしているように見えるし、口数も少ないので、穏やかに見られることが多い。
人間というのは、外見の印象で判断する生き物である。
概して「のんびり」「穏やか」な人間に対しては、侮(あなど)る傾向が強い。
稀に「誠意がある」と見てくれる人はいるが、軽んじる場合の方が圧倒的に多い。

逆に「強面(コワモテ)」あるいは「はったり」の強い人に対しては、一目置く傾向がある。
たとえ、張りぼてで作られた「はったり」でも、ひとは簡単に騙される。

私はこの「はったり」が嫌いなので、一番楽な「のんびり」「穏やか」で人と接することにしている。
それは、私の本質が「のんびり」「穏やか」だからだが、当然のことながら、怒らない人間などいるわけがない。

中には、私は怒らない人種だと決めつけて、言いたい放題で難癖をつける人がいる。

定期的な仕事と単発の仕事が減ったのは、そんなバカな客と「闘った」結果である。

今思い出しても、一番腹が立つ出来事。
それは、2年前のことだった。
犬の「飼育書」を編集する仕事を受けたときのことだ。
その会社からは、毎月ペットショップのチラシの仕事を貰っていた。

チラシの仕事を受けるたびに「Mさんの作るチラシは、インパクトがないよね。無難で、優しいだけだから、本当に効果があるかどうか、今ひとつわからないね」とよく言われた。

3年以上、毎月1回必ず出していたチラシの打ち合わせで、毎回同じことを言われた。
ペットショップのチラシだから、どぎついイメージのものは合わない。
だから、最初の打ち合わせで、「なごみ感」のあるイメージで、ということをお互い了解して、請け負った仕事だ。

その都度打ち合わせをして、デザインの方向性を決めているのに、毎回同じようにネチネチと「インパクトがない」と言われる。

しかし、いかにも定見のなさそうな担当者に、高尚なデザイン理論を言ったとしても、わからないだろうから「はいはい」と受け流して聞いていた。

そして、その会社が、犬の「飼育書」を出版したいと言って、私にデザインを依頼してきたときのこと。
104ページ、4色(フルカラー)。文章はコピーライターが書き、犬の写真は専門家が撮り、私はデザインだけ、という仕事。

2回目の打ち合わせの時、ラフデザインを提示して、その中から選んでもらった。
それほど急ぐ仕事ではなかったので、ラフを考える期間は2ヶ月以上あった。
だから、その時は、4種類のラフを考えて、提示した。

その打ち合わせの時、担当者の他に、コピーライター2人とカメラマン2人が同席した。
その4つのデザインの中で、担当者が選んだのは、オレンジを基調にした明るいものだった。
しかし、他のコピーライターとカメラマンが選んだのは、ブルーを基調にした落ち着いた、清潔感のあるものだった。

こういうときは、私は意見は言わない。
提示するだけで、余計な先入観を与えないようにする。
最終的に選ぶのは、担当者。
彼が「責任者」だから、彼に決めさせる。

そのとき、彼はアッサリと自分の意見を捨てて、コピーライターたちが選んだラフに決めた。
「このセンで進めてください」
彼はみんなの前で、キッパリとそう言ったのだった。

方向性が決まれば、進行は早い。
文章と写真が揃ってすぐ組み始めて、ほぼ1週間でレイアウトは終了。
大きな修正はなく、2稿、3稿で細かい修正をして、校了となった。

校了までは、彼と私とコピーライター、カメラマンは同時に責任を負うが、校了になったあとの責任は、すべて担当者にある。
そのあたりをはっきりさせないと、仕事がぼやけてくる。
責任が曖昧になる。

1ヶ月以上たって、「本、出来上がったんだけどさあ…」という電話をもらって行ってみると、担当者は仏頂面で腕組みをしていた。

出来上がった本を手に取ってみると、校了したときに、サンプルとしてレーザープリンタで出力して製本したものと、ほとんど変わらない出来栄えだった。
細かい誤字脱字はわからないが、落丁はないし、不自然なところもない、完成した本である。

しかし、眉間にしわを寄せて、彼はこう言うのだ。
「なんか、目立たねえなあ。インパクトがない。面白みがない。Mさんよお、アンタ、こんなの売れると思うかよ」

このとき、私は突然思ったのだ。
こんなバカとは、もう付き合いたくない。時間がもったいない!

言いたいことは沢山あったが、言うだけ空しい。
(だいいち、インパクトのある「犬の飼育書」ってどんな本だ! 書店にインパクトのある飼育書なんか置いてないぞ!

一度大きく舌打ちをしたあと、こう言った。

「一生悩んでいやがれ!」

それだけ言って、席を立った。
お茶を運んできた女子社員の大きく見開いた目、それは今でも鮮明に覚えている。

私にもう少し「こらえ性」があったら、得意先をなくすことはないだろうが、譲れない部分はある。

私の中のルールはただ一つ。
自分の言葉に責任を持てないやつとは付き合いたくない。

だから、これからもきっと、得意先をなくす場合が何度もあるだろう。

もしかして私は、フリーランスには向いてないのかもしれない。
最近、そんなことを思っている。



2006/06/14 AM 06:33:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

伝聞はチンプンカンプン
独立当初から長いお付き合いをさせてもらっている印刷屋さんから、時々仕事を貰います。

その印刷屋さんのA3対応のスキャナを時々使わせてもらう義理もあって、よほど無茶な納期でなければ、大抵は仕事を受けます。

今回の仕事は、ラブホテルの室内に置く資料の作成。
料金表や備品などのサービス品をカタログ形式でデザインするというものです。

この依頼人は、以前からこの印刷屋さんにホテル関係の仕事を出していましたが、今回独立して、同じような仕事を出すことになりました。
以前も何回か関わったことがありますが、この依頼人、ひとことで言うと「お天気や」です。

例えば、「こういうイメージでサンプル(カンプ)を作ってほしい」という依頼があるとします。
ある程度イメージ通りのものを作って提出しても、次には気が変わって、「いや、違うパターンがいいな」と、すぐに方針を変えます。

ただ、これは他のクライアントにもよくあるパターンですから、ここまでは当方としても許せます。
今回も「若い客層をターゲットにしたホテルだから、ポップでヒップホップなイメージで、お願いしますよ」と言われて、連休明けにサンプルを出しました。

出来上がりを見て、「じゃあ、この感じでロゴをはめ込んで全体を作ってください」と言われ、気が変わらないうちに一気に作って、翌日クライアントに見せました。
そうすると、「う〜ん、軽すぎるな、もっと重みが欲しい」と言ってきました。

一番最初に打ち合わせをした「ポップでヒップホップなイメージ」と「重みが欲しい」というのは、どう繋がるのだろう?

そして、彼はこうも言ったらしい。
「やっぱり、ホテルはある程度重厚感があった方が、信頼されるんだよね。客が若造ばかりだからと言って、軽いばかりではダメだよ」

それなら、最初からそう言って欲しかった!
全体を作ったあとで、方針を180度変えられても困る!

ただ、この場合、すべてをクライアントのせいにするのも、フェアとは言えません。

自分が直接請け負った仕事でない場合は、いつももどかしさがあります。
直接話をしていない分、間に立つ人の「聞く能力」が、仕事を左右する場合があるからです。

クライアントが本当に「ポップでヒップホップなイメージ」と言ったとしても、それだけを伝えたかったとは限らないからです。
どこか言葉の隅に、「でも若干のゴージャス感が欲しい」というニュアンスをほのめかしていたとしても、間に立つ人がそれをこちらに伝えてくれない場合が往々にしてあります。

そこで昨晩、仲介人なしでクライアントと話をしました。
その方が相手の意向がストレートにわかりますから、時間の短縮にもなり、仲介人にとっても手間が省けます。

会って話をしてみると、デザインに対して意外と造詣が深いのが判ります。
書棚を覗くと、経営学やコンサルティングの本の他にデザイン関係の本が散見されます。
この人、色々な知識がありすぎて、すべてを試したくなるタイプの人のようです。
だから、デザインの方向性がコロコロ変わる。

こういうタイプの人には、断定的に意見を押し通した方が、うまくいくことが多い。余計な選択肢を与えてしまうと、迷いが生じるからです。

「ポップでヒップホップな〜」というのはわかりづらいので、若者の視点で重厚感を表現してみたらどうか。
そう言って、全体を濃緑色のトーンで、ワインパーティの雰囲気を表現したものをサンプルとして見せました。
そうすると、「ああ、これこれ、これが言いたかったんだよねぇ〜」と大きく頷きました。

「センセイ、それで行きましょうよ」(知らぬ間に、呼び名が「センセイ」になっていた)

方向性さえ決まれば、半分出来たも同然。

何でもそうですが、客の細かい要望というのは、話してみなければわからないことが多いもの。
伝聞の場合、間に立つ人の理解力と表現力が乏しいと、50パーセントも伝わってこない。

最初から直接話をしていれば、時間を無駄にしないで済んだのですが、それを言ったら仕事が来ない。
ここが、フリーランスのつらいところです。


2006/05/12 AM 06:25:16 | Comment(1) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

約束は守りましょう
桜は満開。しかし、今日もドタキャン!

個人で仕事をしていると、約束を破られることが多いことに驚きます(いや、嘆かされます)。

会社勤めをしていたときは、そんなことはほとんどなかった。会社対会社では約束を破ったら信用問題になるので、みんな約束には厳しくなるのでしょう。
しかし、個人に対しては、どうせ替わりはいくらでもいるのだから、という意識が強いせいか、ホントによく肩すかしを食う。

今日のように、打ち合わせなどでのドタキャンが多い。
月に3、4回はある。
「今日、都合悪くなったんだけど、明日でいい?」
こちらが明日都合が悪いというと、「じゃあ、明後日ならいいでしょ?」

いくらヒマなデザイナーだといっても、スケジュールはある。仕事の段取りを決めながら、打ち合わせの日にちを決めているのだから、「じゃあ、明日」「じゃあ、明後日」というわけにはいかない。

「4日後なら何とか」というと、「そんな悠長なことは言ってらんないよ!」とキレル。そもそも今日の打ち合わせはそちらで言い出したのだから、それをキャンセルすること自体おかしい、ということに気付いていない。

こちらが譲歩して、「今日遅い時間はダメですか。少しでも空いている時間があったら、今日打ち合わせを済ませた方がいいと思います。悠長なこと言っていられないのなら、尚更そうした方がいいと思うのですが」と言っても、「今日はダメだからダメなの!」と聞く耳を持たない人が多い。
あげく、「他に頼むから、いいよ」のひとことで、電話をガチャン! 一体何様!

支払いのルールを守らない人も、少なからずいる(初めての客がほとんどですが)。
仕事を受けるとき、「何月何日校了。何月何日付で請求。何月何日にお支払いしていただくということでよろしいですね」と、必ず約束します(当たり前)。

しかし、6ヶ月経ってやっと支払ってくれる人や、分割で支払ってくれる人はまだいい。結果的に支払ってもらえず、泣き寝入りすること数度。
世の中には、約束を守らない人が大勢いることを痛感させられる。

また、仕事を必ず出すといって、結局仕事が来ないことも再三ある。
「必ず仕事を出すから、何月何日から何日間は開けといてよ」という言葉はほとんど確約に近いはず。

こちらはそれを信じて、印刷屋さんに見積を取り、「何月何日に仕事を出しますのでお願いします」と予約を入れる。
または、折り込み屋さんに、「何月何日の朝刊に入れたいので」と予約を入れる。
あるいは、ポスティングの会社に「何月何日までに配布したいのですが」といって、見積を出してもらって、金額が合えば予約を入れる。
少部数の仕事はカラーレーザーでプリントするので、それに備えてトナーを一式買っておく(4色買うと結構値が張る)。

しかし、仕事は来ない。

「申し訳ない。今回は仕事が流れたけど、次回は必ずお願いするから」
と言う人はまだいい。
半数の人が、こちらが催促するまで「無視」を決め込む。

自分のいったことに責任を持たない。
「えっ、そんなお願い、しましたっけ?」という人格を疑うようなことを言う人もいる。

最近では、こちらも「賢く」なってきたので、「絶対出すから」と言われても、警戒することにしています。
話の様子で「これは怪しい」というケースの場合、外注先に見積を取るときに、「仕事になる可能性は50%以下です」と正直に告げる。

そうすると、外注先は「最近のMさんの仕事は可能性50%以下だからね。期待しないで待ってるよ」と皮肉を言われる。

あんたらのせいで、俺の信用はガタ落ちだ! ボケ!

と、一度は心の中で罵りますが、「お客様はお客様」。

「そうですか。では、次の機会にまたよろしくお願いいたします」
と何ごともなかったように答えます。

しかし、こういった仕事のドタキャンが、多いときで年に10回近くあるのだから、この仕事が全部入っていたら、私は相当な金持ちになっていたはず………そんなわけは、ない!



2006/03/31 AM 06:27:00 | Comment(1) | TrackBack(1) | [フリーランスの心得]

フリーランスの心得 その2
信じられないことを言われました。

昨日、3年前の春から仕事を受けている会社に呼ばれて行ったときのこと。
電話をもらったときから、担当者がいつになく歯切れが悪く、嫌な予感がしていました。
先月大きな仕事が終わったばかりなので、仕事のローテーションとしては、あと1ヶ月は仕事がないはず。
だから、仕事の依頼ではないハズ…。

担当者の「Mさん、シラガ増えましたねぇ」など、「ほっとけ!」という話題で話の幕が開きました。
その後、世間話を二つ三つしてから、相手の、いつにも増して上下動の激しい貧乏ゆすりを見ながら、「で、本日はどんなご用件で」と紋切り型で話を促しました。

担当者は小さくうなずきながら、身体を乗り出してきました。
彼の顔が30センチほど近づくと、煙草のヤニの匂いが迫ってきます。
そして、ドロリとしたヤニ付きの言葉が彼の口から流れてきました。

「先々月の請求の件なんだけど、3分割にしてもらえないかな」

先々月の請求は、確か「11万」。
それを3分割?!
去年は、2分割が2回あった。今度はとうとう3分割!

「じゃあ、4万、4万、3万、ということですか」
この時点では、まだにこやかに応対していました。

「いや、1万、2万、8万で」
ヤニ臭い言葉とふざけた言葉の連繋攻撃。
これで腹を立てない人がいたら、その人はきっと前世は「菩薩」だったに違いない。

怒りを紛らわすために、横を向いて黙り込みます。
こんなとき「ふざけんな!」と言えたら、どんなにスッキリすることでしょう。
しかし、「どんなときでも怒りは胸の奥に 笑顔で応対」というのがフリーランスの心得。
静かに怒りがおさまるのを待ちます。

だが、世の中には無神経なやつはどこにでもいる。
目の前のヤニ男がそれだ。
「2分割だろうが、3分割だろうが、一緒じゃない? 2分割ができたんだから、3分割でも問題ないでしょ」と開き直る始末。

そこまで言われたら、俺は絶対に「菩薩」にはなれない。
彼の顔をにらみつけました。

しかし、構わず担当者は無神経なヤニ言葉で追い打ちをかけます。
「俺がこんだけ頭下げてるんだからさ、頼むよ」

おい若造! どこが頭下げてるってんだ!
一度も頭下げてネェだろが!
俺より10歳以上も若いクセして、なんだその態度!

そこで、「菩薩」ではない私はこう言いました。

「3分割はしない。請求は11万のまま。今月分の請求もそのまんま! 文句があるなら社長呼んでこい!」

「フリーランスの心得」はどこいった?!



2006/02/10 AM 06:26:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

フリーランスの心得
今年の正月も、有り難いことに、ほとんど仕事で明け暮れ。

例年何かしらトラブルがあって、計画通りにいかないことが多いのですが、今年はほぼ予定通りに進行。

強いて「想定外」を挙げれば、調子の悪いG3/400MHz(450MHzにクロックアップ)の修理が出来なかったことでしょうか。
ということで、NアートのFくん、もうしばらくG4/450MHz Dualは借りるからね。悪いね!(メールも送ったから、見てね)

さて、フリーランスの仕事人にとっては、毎年が勝負の年。
仕事の減少、取引先の喪失、体の不調、そのどれもが大きなダメージとなります。
体調を整え、スキルを磨いて、この一年を無事に乗り越えることをただ祈るのみ!

しかし、長いこと一人で仕事をしていて、今年も絶対に慣れないだろうな、と思うことが一つあります。

それは、一部のクライアントの横柄な口調。

「〜だろ」「〜までにやってくれよ」「できるだろ!」「〜って言ってんだろ」などなど

こちらは確かに吹けば飛ぶような末端のデザイナーですが、独立した一人の人間です。

俺は、お前らの部下ではないし、友人でもない。
明らかにこちらよりも年下と思われる若造も、横柄な口の利き方をするやつが何人かいる。
俺は、お前らよりはるかに、数多くの修羅場をくぐり抜けているんだぞ。
ただ、外見は「お気楽なMさん」に見せて、「しんどいふり」をしないだけだ。
それに、俺はお前らみたいに、得意げに忙しがったり、不幸自慢はしない。
「風邪で高熱があるのに、満員電車にギュウギュウ詰めになって会社に来たんだ、もうグッタリだよ(えらいだろ)」
そんなことは、ちっとも自慢にはならない!
俺だったら、そんなことは言わずに黙って仕事をするよ。


横柄な口調で言われるたびに、そんなことを私は考えています。
もちろん、表面上は普通の顔をしています。
私は、彼らよりはるかに「大人」ですから。

それに、そういった感情も、クライアントの会社を出て、5分もたてば消えてしまいます。気に障るのは、ほんの一時のことです。だから、こうやって一人で仕事を続けていけるのでしょう。
もし、彼らの言葉遣いに本気で怒っていたら、この仕事は続けられません。

この間、同業者の忘年会で出た話題。

クライアントに「お前呼ばわり」されたことがある人。6人中4人。
何のミスもしていないのに、「突然、説教された」ことがある人、6人中3人。
「仕事、手伝っていけよ」と言われた人、6人中2人。

こういった事実から推し量ると、フリーランサーというのが、企業の中でどんな位置づけになっているか、わかると思います。
6人の中で、唯一大企業のクライアントを持っているデザイナーだけが、そういった経験がないと言います。

大手は、要求されることは厳しいですが、社員教育ができているということでしょうか。

私の場合、同業者や外注の人に横柄に対応することは、絶対にありません。
仕事を頼むときは、相手に気持ちよく仕事をして貰いたいので、必ず敬語でお願いします。
だから、偉そうな態度を取る人の心境というものが理解できないのです。

「ヒマだったら、仕事手伝っていけよ!」
私も3年前にそう言われたことがあります。

さすがに、その時は「お気楽なMさん」も我慢の限界。
クライアントに向かって、怒鳴ってしまいました。(後にも先にもこの一度だけ)

「バカヤロー! 誰が手伝うか! どんなに金積まれたって、そんな言い方されたら、やってやんねえよ!」

同業者で、同じことを言われた男が一人いましたが、彼は仕事を手伝ったそうです。
そのへんが、人間の器の違いでしょうか。
まだまだ、私は小さい男です。

でも、また「仕事、手伝っていけよ」と言われたら、間違いなく私はキレルと思います。(だから仕事が減る一方なんだな……)



2006/01/09 AM 06:22:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | [フリーランスの心得]

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