12月になり、めっきり実況中継が減りました。多い日には一日に3局中継のある日もあったのに、つまらないですね。実況は興行と置き換えても違和感はないはずで、平準化を旨としたスケジュールを組んでほしいものです。
ついでにいえば、数年前は王将リーグの実況があったはずですが、今年はゼロ。ネット事業立ち上げを連盟では検討していたと聞いていますが、その後音沙汰なし。どうも事情がよく分かりません。
今日、実況があることは朝、連盟HPで初めて知りました。いつ広報したのかな? 本日時点では金曜日に予定されている棋王戦勝者組決勝については特に実況があるとの記述が対局予定サイトにないのですが、これはやはりないまま? 当日いきなり実況に踏み切ることもあるような印象があり、いまひとつ目鼻がつきにくいです。
さて、今日の女流名人戦Aクラス最終戦で、矢内女王の陥落が決まりました。以前、中井さんが女流名人陥落→翌期B級へ陥落という強烈な落ち方をしたことがありました。あの頃は独立問題で慌しいこともあり、仕方ないのかな、と思うところもありましたが、矢内さんの場合は黒星が特にこの棋戦に集中してしまった、という感じもします。
この将棋、序盤から先手矢内ペースだったはずですが、どこがおかしかったのでしょうか。解説なしの実況だったので、検証するのは楽しいワークです。当然ながら、私の棋力は不十分なので、相当にバイアスがかかっていることはいうまでもありません。
1図の▲7七桂は、私なら着手する前に5回は読み直す類の手です。4四まで直射していた角道が完全に止まり、飛車の進退も制約。▲6五銀の狙いのみ。読み抜けがあればひどいことになるし、他に▲9六歩、▲6六歩など平均点以上の着手がいくらでもあります。いずれにしても矢内さんはこの手に賭けたのでしょう。。。
しかし、敵の飛車は直ぐに死なず、自分の飛車が危なくなる。2図の桂跳ねが入っては、もはや完封という将棋ではありません。2図から本譜は▲6五飛はなんか弱弱しく、付加価値が乏しそう。。ここは普通は▲8四歩と叩きを入れておくのが常道ではないでしょうか。
ところが中井さんも好転を生かせない。本譜でも後ほど5四の桂を捨てて△5四歩の筋が出てきますが、その筋を使うなら3図で△6六桂と捨ててから7六の桂馬で角を奪い、△5四歩と飛車に当たりをつければ、相当に後手がよかったと思います。
これでまた形勢が入れ替わったはずですが、矢内さんは着地に失敗してしまいました。4図で第一感は手厚い▲7六金。5七に角を利かせた保険付きの上下挟み撃ち狙いです。本譜は▲6六桂と打ったために△6五玉と進出され、却って先手玉が詰めろに。やむをえない▲4八金に△5九竜と回られては万事が窮しました。。。
矢内さんのAクラスの過去の成績を調べてみたのですが、最悪期でも4勝5敗。棋力が衰える理由が見当たらないので、余程今期はめぐり合わせが悪かったのでしょうか。私が肯定的評価をできない対振飛車の串かつ囲いも、居飛車党揃いのこのリーグでは出番がそれほどない訳ですから、作戦選択がこの結果をもたらしたとは思えません。
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PM 11:17:40 |
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[将棋(横歩取り)]
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