せんすぶろぐ
将棋、歴史のオタクです。他の一般の話題についても折をみて触れていくつもりです。

2009年03月30日  棋王戦第5局 。・゜・(ノД`)・゜・
 いつかはこういうこともあろうかとは思ってはいましたが、現実に無冠転落となるとしんどいものですね。2002年に王将になって以来久しぶりに佐藤九段になるんだなぁ・・・めげずに次の棋戦に臨んでいただきたいものです。。対して、久保新棋王はここのところいいところで負けてばかりだったので、久しぶりの祝杯というところでしょう。

 この将棋は、ゴキゲン中飛車に対し佐藤さんが新機軸の駒組を披露したのですが、どうも上手くいかなかった感じです。私が彼の将棋を観る時はどうしても心配症が先にでてしまい、悲観的に形勢を評価してしまうのですが、1図の段階で「これは本当にまずいのではないか?」という評価になっていました。理由は簡単で、こんなに容易に振飛車の攻めの左銀が捌けるなどということは普通はないからです。

 その心配は佐藤さんが左桂を跳ねた段階でさらに膨らみます。この桂馬を跳ねると端が著しく弱体化します。だから、そうならないように居飛車は銀冠に組むのがよいはずで、そうしなかった事例があの豊島−真部の△4二角だったはず。この将棋では、控え室は△4二角だと▲5二銀があるので大丈夫、という見解だったようですが、現実に△4二角(2図)が着手されると激痛でした。

 以後は久保八段の快調な指しまわし。端を強引に突破し、4図までいくと後手玉には詰めろをかけることすら困難。そういえば、C2の有吉−高崎戦も後手の高崎四段は苦戦の中から端に手を作っていました。対ゴキゲンの場合は端に注意した方がよいのですね。

 5局とも面白い将棋が続き、番勝負としてのクォリティは高かったと思います。



「3/31追記」
 新潟新聞の特集記事によると、最終盤まで難しい将棋だったが、佐藤さんに疑問手が続いたということです。自分の腕では先手の具合が相当に悪いとしか思えないのですが、もう少し考えてみます。
 

PM 10:37:17 | Comment(29) | [将棋(中飛車)]

2009年03月29日  今頃ですがNHK杯戦決勝
 先週放送されたNHK杯戦決勝を今朝になってようやく観戦することができました。もう、あちこちで話題になっているのでしょうが、素晴らしい将棋でしたね。

 1図。羽生名人はボナンザ囲い! △1三桂に強硬に反応した▲2六歩! 私も一瞬は考えないではなかったのですが、普通の人はやらないですよね。ただ、ここまでの手順で先手は飛車を8八から6八に振り戻して1手損、なにか目算違いがあったのでしょうか。結果論でしかありませんが、端歩のいずれかを突いていれば先手が勝っていました。。。

 2図。さらに堂々と迎撃を進める森内九段。玉上がりで角の打ち込みを封じ、3三角で敵の飛車を抑え、後手の攻め駒は銀のみ。ものすごい構想ですね。。。

 △2六歩▲1八銀△3六銀▲3七歩△2七歩成▲同銀△同銀不成▲同金△3六歩▲同金寄△5四歩で3図。この△5四歩はなんとも悲しい手。しかしこの歩を突いておかないと、後の△4四角がぬるくなってしまう。

 そこから▲3二銀△4四銀(!)▲同角成△2四飛▲2六馬△同飛▲同金寄△4四角▲7七銀△2八歩と進行。懸命の手作りではあるものの、先に銀損をして△2八歩ではやはり辛い。しかし、3二銀もスカタンでしょ、というのが主張なのですね。苦しいながらの戦い方、勉強になります。

 以下、羽生名人が上手く手を作って、先手玉に迫りますが、森内九段も銀を見切って玉を8八に移動させ、どうやら先手勝勢がみえてきたところで、4図の△9四歩。「金を渡さないで寄せられますか?」という手ですね。直感、即詰みがありそうですが・・・

▲6二金△同玉(△8二玉なら詰まないが、金も入手できず、後手の望みなし)▲6一金と踏み込めば、△7二玉▲5二龍△6二桂▲同金△8二玉▲7三角成△同玉▲6三龍△8二玉▲7二龍△9三玉▲8二銀△8四玉▲7五金△同歩▲同龍まで。

 しかし、森内九段は決心できなかったようで、▲2一飛成と攻めに厚みを加えたつもりが、△5一歩と金取りに返されてしまい▲6二金△同玉まで進みます。この局面でも、▲5一龍△同角▲6一金なら、以下△7二玉▲5二龍△6二金▲同金△8二玉▲7三角成△同桂▲5一金△9三玉▲8二角△8四玉▲7三角成△同玉▲6四金△同歩▲6三金△8四玉▲7三銀△9三玉▲8二龍で詰み。

 戻って▲6二金に△8二玉が複雑で、▲7三角成△同桂▲7二金打△9三玉▲8二銀△8四玉▲7三銀不成△9三玉▲8四金△同歩▲8二銀不成△9二玉▲9一銀成△9三玉▲6三龍△8三桂▲同龍△同玉▲2三龍△3三角打▲9五桂△同歩▲3三龍△同角▲9二角△9三玉▲9四香△同玉▲9五歩△9三玉▲9四歩で詰み。

 PCに解かせればこういうことですが、最初の踏み込みを逃してしまっては、実戦ではもう勝てない流れになっているのでしょう。。。

 この放送、去年が4時間生中継だったのに比べると、圧縮されているし(=竜王の解説も縮まっているのか?)、付加価値が乏しいですね。将棋の内容に見合わない番組になっていました。

 

AM 09:39:40 | Comment(11) | [将棋(その他)]

2009年03月29日  志賀高原スキー
 いつもいつもいつもスキーは志賀高原のせんすです。。この春は22日から24日まで出かけてきました。

 2年前の春は皇太子一家と奥志賀で遭遇した上、雪のコンディションも素晴らしかったのですが、子どもが発熱して予定を切り上げて撤退(涙)。昨年の春は花粉飛散全開で辛い上、雪がほぼ腐りかけていて厳しいものがありました。

 今年は、というと、
\磧Ыわりかけている・・・気温が高すぎて、激重かつアイスバーン。
風:強風が吹き荒れて22日はゴンドラ完全停止、ゲレンデ連絡の結節点である一の瀬ファミリーのリフト停止で、満足度甚だ悪し。
混雑度:がらすき。

 23日午後からは風も収まり、粉雪が降ったこともあり、コンディションは一時的に回復。特に焼額は整備が行き届いていてよし! とはいえ、以前よりも春スキーの環境が悪化しているのは否めない。

「皇太子一家」
 24日午後帰路、異様にパトカーが多く、道端でゴミを拾っているスタッフがあちこちにいる。そういえば、宿泊施設でもやたらに宿泊者、スタッフ以外の男性が多く、色々と調べ物をしていた。2年前の出来事が連想され、これから何が起こるかの見当もついた。あそこまでの警備体制が必要なのだろうか、と感じないわけではないが、そういうものなんだろう。

AM 08:17:11 | Comment(29) | [スキー]

2009年03月26日  羽生、王将堅持
 王将戦第7局は羽生王将の快勝(といっていいですよね)でした。直近の調子の差が結果につながったのでしょうか。

 封じ手直後の手順に違和感を抱いたので、備忘がてら記録しておきます。

 封じ手の▲4六角は自然な両取りですが、本譜のように△2七歩成と踏み込まれる(1図)のではどうなのでしょうか。ここで手抜いて▲2四角なのかな、と観戦していましたが、深浦王位は▲同金。△3七桂不成に対しても▲2四角△2九桂成と正面から戦えば、後手の成桂が飛車の打ち場所をなくしているので、程々に先手がやれるか? しかし先手玉はいかにも薄い・・・と感じていたところ、よもやの▲3七同銀。△3八角をまともに喰らうのでは辛そうです。割と読みやすい変化のようですが、深浦王位の計算がどういうものだったのか、ちょっとよく分かりません。

 2図になり、本譜は▲3五角。▲7三馬+▲5三角成が実現すれば凄いですが、こういうセットの手順はまず実現しない。▲3五角に△7四銀と桂馬を取られ、▲同歩と取り返せないのでは先手が悲しすぎる。この辺で、私は羽生防衛を確信しました。

 4勝3敗と接戦のシリーズでしたが、将棋のコクという点では王位戦をはるかに下回ったような印象です。

PM 11:30:44 | Comment(30) | [将棋(横歩取り)]

2009年03月25日  王将戦第7局1日目:横歩取り
 今年度最後から2番目の大勝負が始まりました。直近の成績を比較すると、竜王挑戦失敗はあったもののNHK杯戦の久しぶりの優勝(この実際の対局日は1ヶ月以上も前ではあるのですが)等もあってまずまずの羽生王将とA級陥落等もあって不調傾向の深浦王位と対照的です。しかし今日の封じ手局面だけを評価すると先手の深浦王位を持ちたい気持ちがします。

 後手を引いた羽生王将の戦形選択はよもやの中座飛車。この戦形は、A級順位戦の谷川−三浦のように新山崎流の構えからいきなり▲2三歩△同銀▲2四歩△1四銀▲1六歩と進めて先手に不満はないと個人的には思っているのですが、深浦王位はオーソドクスな3八金+4八銀型の構えを選択しました。

 解説によると▲7七角型が最近のトレンドだということで、以前深浦さんの著作で勉強した▲4六歩型はすっかり後退しているようですね。ちょっと寂しいです。7七角の効果で先手は左桂を早くも手駒に加え、銀を順調に前線に出しています。後手の持ち歩は1枚だけなので、攻撃の持続力に懸念を覚えるのですが、羽生さんはどういう方針で戦うのか、元横歩取り愛好者としては気になります。

PM 10:41:10 | Comment(12) | [将棋(横歩取り)]

2009年03月20日  女流プロの将棋
 私がせんすであることを知っている数少ない友人が、「LPSAの将棋対局の棋譜をみてみたら? 料理のしがいがあると思うよ」という。「特に天河戦準決勝のアマの成田さんと北尾さんの対局がいいよ」という。数日、放置していたのですが、今日はお休みなので調べてみたところ、ここにありました。本日20日も府中で公開対局をしているようで、そちらも実況していました。準決勝で中倉−石橋戦がありました。棋譜はこちらです。

 こういう風に、街中で正装をして公開対局をするというのはよい試みですね。せっかく活動していても、閉ざされた空間では、努力が可視化されることもなく、面白さの伝播に関しては効果があがりません。A級順位戦最終局のように、公共放送で取り上げてもらえれば格別ですが、短い時間の公式戦も同様の形態にして休日、週末に行なうことも考えられればと思います。

 ただ。。。棋譜をみていただければ一目瞭然なのですが、内容が辛すぎます。辛すぎるので、図面をエントリーに掲載することもしませんし、個別の着手の論評もしません。泳げない子どもに泳げというのと同義であるような気がするから。

 さはさりながら、女性というカテゴリーでは日本でも数十人しかいない方々なのですから、組織内での対局に限らず、普通の男性アマとガンガン指すだけでも、付加価値はあるはずです。以前も書いたような記憶がありますが、普通に就職し、女流プロだけど職団戦に出場する、というのは企業側の副業規制さえクリアできれば十分、ありなのではないでhそうか。坂東さんは就職したはずですが、将棋と就職は二律背反ではないので、将棋にも戻ってきて気軽に指してもらえればな、と思います。棋譜の内容だけでは、売り物にならないですが、棋士の価値はそれ以外のトータルの満足度の付与に求めることも可能なはずです。

PM 10:16:14 | Comment(425) | [将棋]

2009年03月18日  さばける棒銀(棋王戦第4局)
 本日行なわれた棋王戦第4局は佐藤棋王が後手番ながら棒銀を採用、作戦図星で快勝でした。

 佐藤康光ウォッチャーとなって久しい筆者ですが、対振飛車急戦となるとゴキゲン中飛車を除けば、対谷川の名人戦以来ではないでしょうか? ましてや棒銀とは、久保八段もさぞや意外だったでしょうね。私も「えー? 棒銀、上手なんだろうか?」(大変失礼)と思ってしまったのですが、これがよく練られたもので、アマ急戦愛好家の参考になるものでした。

 通常、この攻撃を試みる場合、5三銀、4二金型まで組むことが多いようですが、本譜では4二銀型のまま。玉は弱そうですが、先手の駒との衝突に時間がかかるし、下段がしっかりしているので大駒を切りやすい、もちろん手が早い、というメリットもあります。佐藤棋王はいずれも実現させました。

 このタイプの将棋については発言できる蓄積がないのですが、対棒銀の場合、5筋の歩を突くかどうかで迷うものですよね。子どもの頃に読んだ定跡本では、よく▲5五歩と突いて△同角に▲5六銀とさばいたり、角を5九から4八に転換させて6六を受ける手順をよく見かけた記憶があります。ただ5筋の歩を突いた美濃囲いは耐久度が一挙に悪くなるので、良し悪しなんですが。本譜は後で▲5六歩を突くしか反撃手段がなくなってしまったので、結果論ですが▲9六歩は緩手だったように思います。(▲9五銀はないのですから、不急ですよね)

 久保八段には本譜のように推移したところで▲7五銀に△同飛▲同歩△9九角成となる変化を予測していたのでしょう。(この変化は加藤九段の振飛車破りに載っていましたよね) そうであれば、桂馬の逃げ道が確保されているので端歩突きの顔が立ちます。でなければ1図のように▲7五歩と取るはずがないと思うのです。

 しかし、佐藤棋王はここは大人しく引き下がり、飛車を8筋に転換、2図のように角を打ち込ませます。馬大好き人間の私ですが、この馬、あんまり強力な感じがしません。端攻めは防いでいますが・・・くらいの主張しかないのではないでしょうか。以下、あっさり飛車に成り込まれてしまうのでは損な取引です。

 以下、先手の中央の反撃を低い構えを生かして受け流し、3図以降の猛攻が決まります。一生懸命手数をかけて引きつけた馬をあっさり竜と交換され、後手陣は飛車打ちには無敵、ときては、久保八段もがっかりしたことでしょう。。。

 4図で私は用事があり、観戦できなくなったのですが、この時点では△5四角くらいしか思いつきませんでした。(控え室も同じだったようです) 本譜は△7七歩成、以下駒をどんどん交換させ、先手陣を薄くしていく後手。抵抗の術はありませんでした。

 佐藤棋王、新境地を開くのか、いずれにしても後手番での快勝で意気があがることと思います。

AM 12:03:40 | Comment(25) | [将棋(四間飛車)]

2009年03月16日  女流最強戦:中井、久しぶりの栄光
 日曜日お昼に行われた決勝戦(中井−上田)、夜からだと思いこんでいた私は12時50分頃「一応、ログインだけしておくか・・・」と観戦室にいくと、既に対局開始直前。ラッキーでした。

 将棋は誰もが事前に予想した振飛車穴熊対居飛車銀冠。何十回も書いていますが、私には対振飛車で銀冠を選ぶメリットがよく分からないのです。女流棋士はおしなべてこの囲いが好きですね。美的感覚に訴求するものがあるのか、心理学、審美的にも興味深い事例と思われます。

 将棋は案の定、振飛車が先攻。駒損が一転駒得にもなり、優勢かと思われましたが、上田さんが攻め急ぎ、中井さんが余しました。直前に米長会長のさわやか日記における執拗な中井さんへの呼びかけがあり、当日も当の会長が登場ということで胸の中でもやもや渦巻くものがあったと推測されますが、「よくがんばりました」というところでしょうか。(双方の主張の是非はこのブログでも申しているようにいずれもが十分に因果関係を展開していないため、論評しかねますが、自分が中井さんであれば、気分が悪い環境でした。)

 感想戦が短かったので急所がいまいち分からないままでしたが、こういうことでいいのでしょうか。

・△6三歩(1図)は相当変ですね。こういうところは△4三銀▲6三成銀△4二金右とかわすのが掟のはずです。
・2図の△3三銀はどうなんでしょうか。竜を5一に移動させての8四馬はさすがにやりすぎと思います。せめて、馬を切る前に△1六歩を入れておくものではないでしょうか。とはいえ、まさか後回しにした本譜で手抜かれるとは思わないでしょうが。。。
・3図からの▲2八竜で▲6八竜なら後手玉の寄せに竜が使えたはず。これは羽生名人の直感でもあったようです。本譜は竜ごと攻められる形で損でした。
・4図の▲5五銀はやりすぎ。(△5七金を見落とし) 観戦していた時も、「わざわざ駒を捨てて上に逃がしてやるなどという手は将棋にはないわなぁ」と思っていましたが、普通に▲5三桂成でいいのでしょ? 「駒落ちでは上部に玉を逃がさないようにするべきです」羽生さんもいっていましたが、これは駒落ちに限った話しではありませんものね。

 羽生さんがこれまでに女流公式戦の将棋を解説したことがあったかどうか記憶にないのですが、彼の眼にどのように映ったのでしょうか。「これくらいの元気がないといけません(笑)」という評価はあったようですが、微妙な言い回しでもあります。


PM 11:10:46 | Comment(16) | [将棋(四間飛車)]

2009年03月15日  潰えた連覇の道
 本日放送のNHK杯準決勝の佐藤−森内戦。シビアな序盤で面白かったですが、先手佐藤NHK杯の手順がやや無理気味で、後手森内九段がきっちりと受け止め快勝しました。さすがにトーナメント戦での3連覇は難事ということですね。

 1図の▲5六歩は初めてみました。普通は▲8八飛です。自分も遊びで指したことはありますが、こういう向飛車であれば▲6六銀とは進めたい。しかし、5六歩を突いていないと後手が腰掛銀にした時に銀の進退が窮屈だし、突いていれば△7九角の打ち込みがあるので左金の動かし方が難しい。

*この1手前の局面は森内九段も指していますが(王位戦田村六段戦)、惨敗しています。この作戦は佐藤さんによると「通常の角交換向飛車よりは3〜4手は手得できる。但し、手特にどういうメリットがあるのかはよく分からない。森内さんはなんでこの戦形を採用したんでしょうね(笑)」ということでした。上述の悩みも話したところ、「実はそうなんですよ(笑)」といわれてしまいました。

 その辺を勘案しての▲5六歩なのかもしれませんが、どういう効果を意図していたのか、私の腕ではさっぱり分かりません。さはさりながら、△1四歩(大きな一手だ)に▲6六銀△4四銀▲4六歩と進むと、もう向飛車という将棋ではなくなってしまっています。2図のように中央で戦いが起こるのであれば、「2筋にかけた3手は一体何だったの?」ということになってしまったような感じです。

 2図の▲4五歩では穏やかに▲7八金と指せる状況でもなく、先手の指し方に制約が多いです。本譜のような強硬な指し方をするのであれば、玉がせめて3九にいてほしいところで、陣形の伸び過ぎをきっちりと咎められているようです。3図になり、駒割は一瞬は同じでも、大駒の働きに差があり、銀桂交換も必至となれば、後手が有利です。

 それでもまだまだ先手に戦いようがあるのだろうか、と観戦していましたが、4図の▲6六歩しかないようでは、かなり辛そうです。このレベルではひっくり返らない差になっています。

 佐藤棋王のNHK杯戦の連勝は13でストップ。よく分かりませんが、この棋戦での最高記録なんでしょうか。

PM 01:32:38 | Comment(446) | [将棋(角換わり)]

2009年03月12日  炎の勝利(有吉九段)
 今日は王将戦第6局もありましたが、羽生圧勝ということもあり、社会的なインパクトも段違いに大きかった有吉−高崎戦を先に取り上げます。本当は昨日エントリーにしたかったのですが、飲みに行ってしまいました(^^;)。。。

 高崎四段の中飛車に対し、有吉九段は最近流行の▲7八金型を選択。そこから駒組みを玉頭位取りに進展させます。彼を一流棋士に導いた原動力といえば、相矢倉と対振飛車玉頭位取り。棋士人生の最後になるかもしれない一戦に相応しい戦形選択です。順位戦前局の佐藤五段戦でも作戦としては機能していたことも、考慮されていたのでしょうか。

 もっとも、有吉九段は本局では積極的に盛り上がることはせず、金銀を低く玉側に牽引することを優先します。「位を取ったら位の確保」とはいいますが、後手が△7四歩と位に働きかける可能性も少ないし、あまりに伸び上がると角打ちも気になる、というわけでこれはこれで観戦側にとっても納得感のある進め方でした。

 私は△2五桂を取ることはほとんどないのですが、有吉九段は先の好手が見えていたのか、▲同飛と踏み込みます。以下、飛車を4六に転換し、2三に攻撃をかけます。まず2図の▲2三桂。「取ってくれるわけがないから、桂馬と相手の遊び香車との交換になるだけで損なのでは?」と訝しかったものの、▲2五桂で△2一飛を強要し、3図の▲2三歩が降下。自玉が鉄壁ゆえ、後手陣を食い破れば、成算を持てますね。

 高崎四段も9筋から反撃。銀冠の銀を犠牲にしつつ、9筋を突破しますが、代償は大きなものでした。4図の▲6五角が好手。飛車と香車を後手は処理しなければならず、その2手の間に後手玉への攻略に着手。銀がいなくなった銀冠は所詮は砂上の楼閣、豆腐でしかありませんでした。右翼のと金まで寄せに参加し、棋勢は一気に先手に傾きます。せめて△4二同銀としておけばどうだったのだろう、と考えないわけではありませんが、この日の有吉九段の出来を考慮するときっと正しい寄せを発見したのでしょうね。。

 過去の実績はどうであれ、この将棋では高崎>>>有吉、とする見方が圧倒的だったはず。それを跳ね返して、人間はやれることを示したこの勝利で元気付けられた人の数はいかばかりでしょうか。

 これで2人目の千敗棋士誕生は確実でしょう。内藤九段は現在882敗ですから、6年間現役を続けられれば後に続けるにしても、以前ほど棋戦もないことですし、その次となるとちょっと見通しが立ちません。

PM 11:31:54 | Comment(19) | [将棋(中飛車)]

2009年03月10日  C2順位戦最終日:有吉九段残留
1.有吉九段

 よもやこの勝負を勝つとは思わなかった。素晴らしい内容でしたね。中盤の▲2三桂、▲2三歩は私には全く思いもつかない発想です。明日にでもエントリーにしようと思います。

 これで、あと1年は少なくとも指せるので、通算1000敗も目指せそうです。

*私は中学から高校生時代は玉頭位取りの愛好者でした。

2.中村亮介氏
 1時間57分の遅刻って、病気による通院とかでないなら、根性を叩き直したほうがいいです。それでも勝ててしまうので、世の中を舐めてしまうのでしょうか。現時点では写りのいい妹さんの兄でしかないです。主催者だって、こういう棋士には対局料を払いたくはないでしょう。

 対局料を払いたくない棋士は他にもいるかもしれませんが。。。

PM 11:13:44 | Comment(20) | [将棋]

2009年03月09日  マイナビOP:岩根初挑戦
 今日の挑戦者決定戦、どちらが勝っても初の番勝負登場ですが、私は岩根さんにやや肩入れしながら見ていました。(理由はいうまでもないので省略します)

 低い構え+石田流の後手陣の方が指しやすそうに感じる序盤戦。1図の△3六歩を検討陣は予測していなかったようですが、私は打っておきたいところだと思っていました。理由は、後手の守備陣はこれ以上手をかけても強化されないし、先手の駒組みに制約を与えられるところを評価したいからですね。

 1図から▲5六銀が指された次の32手目の△3三角では△2四歩(?)▲6五歩△3三桂(?)という手順が検討されていたようなのですが、これはどういう趣旨なんでしょうか。2三に銀の打ち込み場所はできるし、角の活用は遅れそうだし、さっぱり分かりません。それに比べると本譜の△3三角はいかにも自然。あえて1筋の交換をしなかったことと平仄が合っています。余儀ない▲1六歩に△1四歩で労せず1筋に争点を見出しました。将棋の作りが上手ですね。

 私の相振りは矢倉指向であることが多かったのですが、駒組みに時間がかかるので、自軍の攻撃部隊が立ち後れるし、駒組みが進む=争点を作ってやっている、という色合いもあり、最近はどうも得策ではないのではないか、という所感を持っています。下手だからそうなってしまうのだろう、と思っていましたが、この将棋をみると、同様の症状になっています。低い美濃囲いが最強なのではないでしょうか。

 中村さんも▲6五歩(2図)で上手く隠居していた角の活用に成功しますが、その時点では既に自軍はかなり危なくなっていました。ただ、私が後手なら△同飛▲同角にいきなり△1八飛を慌てて打つことはしません。後で打っても同じだし、むしろ飛車の行き場が狭くなるリスクもあるからです。

 あやが生じたかと思われましたが、▲2九金を省略したため、▲7一飛△3八歩成の応酬で危険度が悪化、詰めろを防いだ▲4九金をありがたく食べられて、王手竜取りを食らって投了に至りました。

 概ね岩根さんが気持ちよく指しこなした快勝劇だったと思います。

 矢内さんとの五番勝負は写真映りもよさそうですね。


PM 09:59:50 | Comment(19) | [将棋(その他)]

2009年03月08日  重い溶岩流:棋王戦第3局
  表題通り、実に重い攻めを展開した佐藤棋王。重いがゆえに着実で前途に立ちふさがる後手の駒を一つ一つ突破し、制勝しました。これで1勝2敗。こういう将棋で勝利を収めるのを見たのは恐らくは初めて。速度計算がよほどにできているでしょうが、この指し方を是とできるのは、ちょっと常人離れしているとしか思えません。

 1図でいきなり「大丈夫なの?」という感触です。朝日杯の深浦−久保、阿久津−久保のいずれも手順の違いはあれば、後手左翼の金銀に働きかけては苦戦になっています。元々対中飛車であれば左の金銀は相手にせず、5〜9筋の動きでけりをつけたいものです。もとより後手にも工夫はあり(△2五桂と跳ねる例の攻め筋とか、本譜のようにそもそも▲2三歩を強要するとか)、簡単ではないのでしょうが、▲4一角では「どうなんだろう?」と訝しい思いを抱く人は多かったでしょう。さらに▲2二金と銀を相手しにいくのも、阿久津−久保戦と同じだし、どの将棋の後手も久保八段であることを考えると、相手の方が経験値が多そうで、どうも損です。

 その後も2〜4筋で歩の使われることのない重い攻撃は続き、それは2図の▲2二銀で頂点に達します。この局面ではこの手しかない(控え室は予想外だったようですが)と思いますが、実戦の先手が自分であれば、泣きながらこの銀を打つところです。でも佐藤棋王は「経験上、こういう攻めの方が有効なことが多い」という判断だったようですね。後手は先手玉頭方面で有効手を作ることができなかったのでしょうか。。この銀打ちが有効なのであれば、先に△1二香とでも逃げておく方が得だったのでしょうか?(普通は1秒も考慮しませんよね)

 3図までさらに重々しい手が継続。なるほど、金銀4枚で固めた先手の防御陣は一廉のもので、とにかく後手陣のどこかに空隙を作ればいいはず、ということですか。だから、▲1六歩(3図)のように付加価値の低い手でもOK。その後も▲4三金等その種の傾向の着手が継続し、盤上の駒数では常に先手>後手の状態が維持されます。4図▲5五銀はいきなりの疾風。この局面では右翼に団子軍団がいますが、▲2五馬が急所中の急所に安住し、スパートが可能になっています。

 途中の形勢がどうだったのか、私の腕では分かりかねますが、佐藤棋王が同じ思想でこの将棋を組み立てたらしいことは想像できます。そういう意味では、骨太い将棋だったのではないでしょうか。

PM 10:41:13 | Comment(400) | [将棋(中飛車)]

2009年03月07日  佐々木君の棋譜
 ようやく将棋世界に佐々木三段の棋譜が掲載されました。何か特段の理由があって、ここまでひっぱたのでしょうか? 早速並べてみましたが、割と短手数の圧勝譜。もう少し手数の長い方がよかったかな。

 「森下九段を尊敬」ですか。。。15年まえならともかく、という気もしますが、手厚い将棋が好みなんでしょうか? 永瀬三段がライバル、ということですが、他の三段はどういう位置づけなんでしょうね。。。

 将棋の内容ですが、1図の▲5八飛は研究手とのこと。調べてみると、昨年のB1順位戦(畠山−屋敷○)で同じ手が出ています。2図の▲1四歩で新しい分岐に入りました。畠山七段は▲3五歩だったのですが、佐々木三段の着手の方が弱点を突いている感じです。本譜は△4四銀だったのですが、△4四歩は▲1五香で端が持たないのですね。いい見切りですね。

 3図の▲1一角、4図の▲8四香と切れも十分です。会心譜なので、より強く見えるということもあるのでしょうが、今後も彼の棋譜には注目していくつもりです。
 

AM 10:51:54 | Comment(463) | [将棋(矢倉)]

2009年03月05日  清水、女流名人奪還
 本日行われた第五局は清水さんの勝ち。久しぶりの女流名人復帰です。

 戦形はまたもや右四間急戦。第三局で趣向を見せてくれたのを喜んだのに、根っこのところは変わるに至らず。人間がそんなに変われるはずなんか・・・ない!ですか。

 27手目の▲4六銀(1図)はやや意外。6筋は押し込まれるはずもないのだから、後手の継続手段は△3三桂以外にない、ゆえに先に当たりをかわしておこう、ということですか。なるほど。

 以下、後手が無理無理に攻め寄せるのですが、無理っぽくても、5筋〜7筋まで位を取った内側を攻められているので、結構大変そうですね。こういう攻めが通ってしまうからやめられないのでしょう。横歩取り△4五角戦法をこよなく愛する仲間がいるのですが、彼は「正しく応接されると負けだが、仕込みに仕込んだ自分の攻撃に対応できるアマはほとんどいないからね」と後手番では連投しています。清水さんはここまで斜には構えてはいないでしょうが。。。

 実況欄でも指摘がありましたが、△7九金(2図)にはこの一段金を空振りにする意味もあり、▲4五角が本線でしょうね。本譜のように△5六銀と出られると、▲5八玉は△4五角があるので不可。そうなると▲5八金(本譜)になりますが、△2八角(3図)以下小駒を拾われてしまいます。後手玉は低く安定しているので、取っかかりがない。いつものパターンになってしまいました。これもいつものことですが、対清水右四間だと先手の女流棋士は飛車の運用に苦労してしまう。この辺が課題なんでしょうし、皆さん研究もしているのでしょうが、上手く対処できないのですね。

 以下は先手も好手(4図の▲4二歩)があったものの、駒得は裏切らないというわけで、清水さんが手堅く仕上げた印象です。



PM 08:50:27 | Comment(22) | [将棋(その他)]

2009年03月04日  説明不足:ネット中継担当者降板の件
 LPSAやネット中継の老舗である松本氏のブログで以下のような記述がありました。

http://joshi-shogi.com/lpsa/news/090303_seimei.html
http://mtmt-blog.com/2009/03/post-1256.html
http://mtmt-blog.com/2009/03/post-1255.html

 何となくもめているらしい雰囲気はでていましたが、相変わらずよく分からないです。

 なぜ松本氏が将棋連盟との折り合いが悪くなったのか「声明文」には因果関係を伴って書かれていないため、読み手の感触は
悪いままです。

 この因果関係の記述欠如はもう一方の当事者である米長会長の「将棋の話」においても顕著です。(これは前からの症状で、読んでもすっきりすることのないという点では希有なサイトなのですが)

 「mtmtなる人物」の項に何らかの経緯があるにはあるのですが、読み手は「だから何なんですか?」と訝り、自分の勤務先で同様の事象がありうるか考え、この種のやり取りをネットで行なう人達の「変」を実感することでしょう。

 こういう揉め事があった日にサーバー落ちがあると、なにか関係あるんでしょうか(多分ないとは思うが)と不審に思います。

 何より、呼びかけるべき対象である顧客、ファンに対し、「あなた達を大切にしています。そのためにこれこれのことをしています」と明示できていない点で、五十歩百歩ではないでしょうか。。当てこすりをみせられても、気分が悪いだけです。

PM 11:39:02 | Comment(18) | [将棋]

2009年03月04日  A級順位戦最終日(3月3日)
 順位戦のイメージというと、夕食休憩まではじっくりと作戦を練り、午後9時頃に漸く駒が衝突、午後11時頃に終盤戦というものがありますが、3日の最終日の進行はずいぶんと早い感じでした。

 最も進行が早ったのが森内−三浦戦。上手く石田流に組んだ先手森内九段に対し、左美濃の三浦八段。ただ、8筋の歩が切れているのが通常形と違う。そのせいか、この戦形で後手が取りたい6三銀型維持から△9二飛(△9五歩の狙い)▲8八角△7二飛(△7四歩の狙い)以下の千日手戦術は取れなかったのでしょう。後手は△6三金と守りの金を囲いから外します。これでは囲いの堅さも先後大同小異となり、後手に主張点がなくなるのでどうなんだろう?と思っていたら、▲7四歩(1図)が入ってしまいました。これは先手がよいでしょう。実際には紛れもあったようですが、A級&順位戦連続勝ち越し記録のかかる森内九段が先手であることもあり、ここは「まぁ先手勝ちだな」感が濃いです。

 次に最注目の谷川−鈴木戦ですが、先手が構築に時間のかかる矢倉指向でもあり、後手がさくさく仕掛けるのかな、と思いきや、玉を8二まで移動させ、次に金が7四にまで進出。これでは当たりがきつくなるだけではないか?と夕食前時点ではせんすは先手持ちです。再開直後に▲9三桂成(2図)〜▲7五銀が炸裂。今もってその効果が判然としないというか、説明されて理屈は分かるんですが、どういう脳味噌であればこういう手順を構築できるのか、訳が分かりません。久しぶりに、谷川九段の神髄を見た思いです。それはそれとして、この将棋が午後10時半で終了したのはいけません。とにかく根性で衛星中継放送時間までは粘らなくては。以前、森内二冠(当時)が全勝で勝ち抜いた時も対戦相手の島八段(当時)は絶望的な形勢ながらも放送開始後20分は戦い続けたものです。それすらできないくらい、ばっさり斬られてしまったということなんでしょうね。

 さらにいけないのは、サーバーダウン。ニフティのせいなのかもしれませんが、この日にダウンされるのでは我々は何のために料金を負担しているのか分からない。どの程度のアクセスがありうるのかは、過去の実績や最近の契約口数等から予測が出来るはずで、現時点のサーバー容量に不安があるのかどうかは事前に検証し、供給品質に万全を期すべき。不具合が生じたのであれば、単に詫び言を述べるだけではなく、どのように弁済するのか検討してもよいと思いますよ。(翌月分を数十円値引きするくらいでも誠意は伝わります) 

「本日はニフティのサービス認証部分の障害により大変ご迷惑をお掛けいたしております。
 今回の現象に関するお問合せにつきましては、お手数ですが下記までお願いしたく存じます。」

 他にいいようもないのでしょうが、なんか他人事の風情を感じます。

 本題に戻りますが、他の将棋も、この対戦、この状況ならこっちの方が勝ち目が多いよなぁ・・・という方が優勢。佐藤−藤井はこの二人の噛み合わせがより腕力のある佐藤棋王を利することが多いのですが、この日もその再現。中盤でいきなり銀得確定(4図)。終盤ははっきりと藤井九段の力負けで2手差以上の大差でした。

 深浦−丸山は現時点の序列、対戦成績は深浦王位が上ですが、この棋戦であれば丸山九段の方が格上感がありますよね。中盤の入り口で馬を3四に進出させ、当たりを取るのが当然と思われたところで、深浦王位は▲3五歩(4図)。以下2筋を普通に突破されて部分的な取引ではダイレクトに飛車銀と角交換。かなり考えにくい手順ですし、深浦王位といえば、その円満な人格とは異なり強硬な攻撃が身上(と私は思っていた)のはずなのに、なんかよそ行きの将棋になってしまっている。終盤も粘りに粘りましたが、勝ち色がでる瞬間はついに訪れませんでした。

 肝心の挑戦権の行方ですが(郷田−木村戦)、これも△3六銀(5図)に違和感ありあり。先手の飛車すら攻めていない。郷田九段は涼しい顔で応接を続けます。ここ3期で7勝、6勝、6勝+αとこの棋戦への適性に確信を持てているようですね。以下、後手の木村八段が粘りに粘るものの、あんまりあやがなく、そのまま制勝。

 全体に、昨年のような強烈な場面もなく、静かに挑戦者と降級者が決定したというところでしょうか。深浦王位は3回連続の相星頭はね(全て三浦八段絡み)ですが、10位で3勝6敗、終盤3連敗、6敗の中に勝ち目が濃かった将棋は皆無となれば、この結果もやむを得ないでしょう。一方、来期のA級昇級者の顔ぶれを考慮すると、この2名がそのまま来期降級候補と称してもそれほど異存のないところでしょう。よって、今期残留棋士にとっては実質2期分の余命を確保したのと同義。含意の多い今期A級順位戦でした。




PM 11:30:52 | Comment(16) | [将棋]

2009年03月01日  美濃囲いは豆腐
 今日放送のNHK杯戦の久保−行方戦。歩を突いていない美濃囲いの脆さが如実に表現されていました。

 序盤4手目で行方八段は相振りを意思表示。解説の福崎九段は「驚いた」ようですが、さすがに初手▲5六歩でゴキゲン中飛車を許すのは気分が悪いでしょ。私でもこういう厚かましい指し方を先手がするのであれば、躊躇わずに飛車を振ります。将棋世界の「読みとイメージ」でもこの局面は取り上げられていて、相振りが理論的には正しいはず、といったトーンでしたよね。

 行方八段の相振りですが、私が観戦していても指し手の意味が通じやすく、円滑に流れているように感じました。先手の銀がぎこちない動きをするのに対し、順調に前線に駒を動員し、角銀交換を強行。2図になります。

 ここでの▲8四歩が「さすが!」という反撃。先手の穴熊は意外と抵抗力があります。こういう時は、△同歩▲8三歩△同銀▲4一飛成△5一金寄と守備重視で戦うものと私は教わったものですが、行方八段は現物の金に魅入られ、△4八竜を決行。(でも、局後の感想戦ではやはり△同歩がよかったような感じでしたね)

 ▲8三歩と久保八段がしたところで、用事があってせんすはしばし中座。戻ってくると3図に8二銀と7一金が置いた局面になっていました。しばらく脳の中で手順が組みあがらなかった。3図からの△7一金打が意外です。ここは当然△5一金寄と先手を取りたいところですが、▲4四竜と引かれると簡単ではありません。しかし、△7一金は普通は指が行きそうもないところです。。

 実は序盤で△8二玉がやや早いのではないか、と思いはしました。(普通は7一に置いておいて、様子見をするものでは?) であっても、ここまで見事に後手玉の囲いの弱さを直撃できる久保八段の切れの良さには感動です。そして、穴熊はやはり地上最強の囲いなんですね。






PM 04:16:37 | Comment(3) | [将棋(その他)]

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佐藤康光の棋界制覇、矢内理絵子の女流棋界制覇を切望するオジ将棋ファンです。とはいっても、棋士は皆さん、好きです。

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