せんすぶろぐ
将棋、歴史のオタクです。他の一般の話題についても折をみて触れていくつもりです。

2008年11月09日  金融政策と財政政策
 将棋のブログとは全く縁のない話題ですみません。

 最近、出張する機会がとても多く、行き帰りの移動の際に読む本を確保することが必要です。来週前半も北京に3日出張する予定があるので、片道数時間はもたせてくれる本が望ましいです。最近の棋書には購入意欲が湧かず(浅川から出ていた深浦定跡本とか藤井居飛車穴熊本が私の好み)、しばらくの間は将棋世界の付録の詰将棋で回していましたが、2周もするとさすがに記憶力で解けるようになってしまい、時間潰しの具としての機能は失せました。

 そういうわけで、最近、まとめ読みをしているのが経済本。経済学部出身ではない私(証券アナリストのお受験で勉強したくらいの履歴しかありません)にとっては、むしろ面白く読めるのですが、立場の違う各先生の主張に翻弄されてしまい、段々、訳が分からなくなってきました。
 
 まず、10月に熱心に読んだのが、無謀にも

「現代の金融政策―理論と実際」 白川方明著

である。いきなりこの本を読むか?という気もするが、現役日銀総裁の著作であるし、上期週刊東洋経済でランク1位の経済本である以上、何はともあれ読んでみたいところだ。(代金6300円は激痛なので、知人の本を借りて読ませていただいた)

 著者が誠実な方であることは、一読しただけでよく分かり、3月にいろいろとあったが、いい人材を金融政策のヘッドにわが国は頂いているのだなぁ、という所感は持った。しかし、誠実な方だけあって、主観的な記述を回避したい気持ちもあるようで、第塞瑤痢峩畴の金融政策運営をめぐる論点」で、ゼロ金利、量的緩和等のトピックについての論評がどうにも踏み込み不足であるようにみえる。量的緩和はデフレ脱出に効果があったということのようだが、最近の物価上昇は量的緩和の効果というよりは国外からの輸入原材料上昇によるものではないかというのが実感である。

 といっても、あの時代に量的緩和をしたことが無意味だとは思わない。高金利維持など論外であったことはいうまでもない。よく、低金利のせいで預金所得が激減したことを痛罵するコメンテイターがいるが、政策を論じる時はプラスとマイナスを公平に比較してほしいものである。

 さて、次に読んだのが、

「陰」と「陽」の経済学―我々はどのような不況と戦ってきたのか(リチャード クー)

であった。この本も出版当時は話題になったようで、伝統的な経済の考え方に比べるとかなり異色である。要は、

,錣国の不況はデフレの結果ではない。
∋饂坤丱屮詈壊に伴うバランスシートの損壊を回復しようとした各企業が債務返済に走ったために、ゼロ金利でも借入をしない=金がまわらない=GDPが増えないためである。
よって、政府が財政政策によっててこ入れをするのは当然で、ばら撒きも意味はあった。拙速な財政再建を進めると、日本経済は終わる、というものである。
ざ睛酸策はこのような環境下では有効性が乏しい。

 なるほど、与謝野さんや財務省のいうような財政再建指向は無理だよね、とその時点では納得した。消費が沈滞していて、企業は設備投資意欲が乏しく、円高で輸出も振るわない中で、増税をしたら、GDPの構成要素全てが下向きになるのだから、当然だな、ということである。

 この本の中で主立った経済学者(=クー博士と異なる意見の持ち主)の意見が紹介されていて、その中に学習院の岩田先生と早稲田の若田部先生が含まれている。

 岩田先生の主張はアナリストの勉強をしていた時のテキストに詳しく出ていて、バランスシート型不況を必ずしも否定していないようにみえるが、不況が長引いた原因を金融政策の齟齬(=政策レジームの転換を明白に行なわなかった)ことに求めていて、ここはクー博士とは大きな相違である。すなわちインフレターゲットをきちんと設定すべきだったのに、それをしなかった日銀の政策がよくない、ということである。この主張を初めて読んだ時は、「でも、インフレターゲットって上昇する物価を抑制するのが普通で、デフレ脱出手段で使えるの? それに量的緩和って、かなりインフレターゲットみたくない?」と素人丸出しの感想を持ったのだが、天下の碩学に対し反論するほどの知見があるわけではない。。。

 他方、若田部先生の見解は11月号の文芸春秋「日銀不況:白川総裁の失政を問う」に出ていて、私の拙い脳味噌で読む限りは岩田先生の意見と似ているように読める。やはり、インフレターゲットを行なうべきだし、日銀は物価管理責任を担う以上は現状を鑑みる限りは失政といわれても仕方がないということらしい。

 11月号の文芸春秋には構造改革派の高橋洋一氏の「新官僚亡国論」もあり、この号を通読した読者はかなり混乱しそうだ。私もかなり混乱している。混乱しているのだが、自分の実感としては、上述したように、

‘本はまだデフレなのではないかと思う。自分が現在、事業法人で海外からの調達をしていることもあり、物価上昇の大半の理由は海外要因であると感じている。ということは、国内に限ってみればデフレ構造が温存されているということではないか、と思う。

⊃涌の非正規化を進めれば固定費が下がり、不況にも強い企業体質が得られる。まさにそのために、リストラを進めてきたと思うが、こういう状況ではデフレ構造が温存されるのも当然。

ゆえに、日銀には打つ手があまりないのでは。企業は資金余剰だから、金利が下がっても設備投資を進めたり、新規雇用をしないというのが、これも事業法人勤務者としての実感。(私の勤務先ではこの数年、設備投資をどうやって抑制するか以外の議題がなかなか起こらない)

い海海ら先は、ここまで読んだ本とは関係ないが、日本の企業はなぜ借金を嫌うのだろう。以前の持ち合いなら株式へのリターンはほどほどでもよかったわけだが、今のように外国人株主比率が上昇すると、ハイリターンを要求されるわけですよね。であれば、自己資本比率を上昇させる意味ってないのでは、と思うのです。株式配当金は損金でないが、借入金金利であれば損金にできるので、税効果があるわけだし、社債発行時の利払い額を固定しておけば、株主対応よりもかなり楽なはず。

 個人の借金は死亡による一括返済リスクがあるので慎重になるべきだろうが、企業の場合は借り替えればいい道理なのでは?と思う。しかし、自己資本比率の高さをもって財務の健全性と踏まえ、一途に数値上昇に心を砕いている企業が多いように感じる。一体何のためなんだろうか。

 長文かつ駄文になってしまったが、こういうネタも時々は書いていきたいと思います。ご教示をいただける方がおられれば、是非、コメント欄にてご指摘ください。

PM 11:54:36 | Comment(477) | [経済]

2008年11月09日  富山にて〜街の佇まい
 先週の木金は富山に出張だった。富山は金沢への移動の際、通過したことはあったものの、泊まるのは初めて。(これで未踏県は佐賀と長崎を残すだけです。)

 富山駅周辺をうろついただけですが、広々とした街のつくりは好感が持てます。私の訪問先の方々は「何もないだけですよ(笑)」と謙遜されるのだが、そうでもないように思えます。

 ここは中心市街地活性化基本計画の適用第一号(詳しくはこちら)の都市。

 このブログでは書いたことはこれまでなかったのですが、私は中小企業診断士でして、中活法が上手くいくかいかないかは修行時代からかなり関心事でした。中活法の形跡は今のところ、北口にみられるライトレールくらいなのかもしれませんが、今後の展開には結構、注目しています。

 小さくまとめて動きやすいようにした方がいいでしょ、というのが中活法の趣旨ですが、一方で人を一箇所に集中させてしまうと、日本古来の田園風景も変わってしまうのではないかという指摘もあるようですね。

 駅前では、カターレ富山(サッカー)、富山サンダーバーズ(野球)の選手が「オレンジリボンキャンペーン」(児童虐待防止運動ですね)のビラを配っており、何となしに地域の力、みたいなものを感じたのでした。

PM 10:02:10 | Comment(35) | [旅行]

2008年11月09日  倉敷藤花、里見先勝
 おぉ!という感じですね。

 序盤が粗くていきなり、駒損。ここから挽回していくのですが、「里見さんの手が伸びた」というより、「清水さんがもたついた」という見方になりがちなのがアマ観戦者の特性なのか、里見さんの好手よりは清水さんの悪手に気がいってしまいます。(どれが好手が分からない、というのが正直なところなのでしょう)

 1図。▲3一飛成と攻撃優先の姿勢を貫くも、▲4六飛成といったん引き上げて5筋の嫌味の解消と▲4二との両用をみるのが、付加価値の高い手というものではないか?

 2図での▲5四銀はあまりにも悲しい。しかし▲6七竜では△5六歩がやってくるし、もう相当におかしくなっているといってよいでしょうか。(でも、▲同歩△6七竜以下の進行であればさ3七との活用に時間がかかるので、本譜よりはましな気がする)

 3図の▲5九銀はかなり変なのでは。△5七とをまともに食らうのでは、これまで5七を支えることを念頭に指し手を運んできたのと矛盾している。

 この後も▲6九香に△5七とを返されたりと、付加価値の乏しい手が見られ、里見さんのまくられた清水さん。第2局は苦しいのではないでしょうか。


 
 

PM 01:57:11 | Comment(132) | [将棋(中飛車)]

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プロフィール
名前せんす
URLhttp://sensu1030.hp.infoseek.co.jp/
佐藤康光の棋界制覇、矢内理絵子の女流棋界制覇を切望するオジ将棋ファンです。とはいっても、棋士は皆さん、好きです。

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