せんすぶろぐ
将棋、歴史のオタクです。他の一般の話題についても折をみて触れていくつもりです。

2007年01月17日  黒川温泉にて:将棋のドメインとは?
 このエントリーは長いです。推敲も大してしていません。

 この週末は忙しかった。日月で黒川温泉(熊本県)に出張したのである。「お前の職種のどこをどうつついたら黒川に出張できるんだ?」といわれそうだけれど、業務出張だった。他社の方2名との道中である。

 温泉組合の方のお話を伺う機会があり、結構、考えさせられるところもあった。なお、黒川温泉の履歴はここで十分に分かると思います。

【黒川温泉】全体のドメイン、戦略構築、温泉組合中心の実施

 黒川は全体で一旅館(実際には24旅館)、道は廊下というコンセプトで全体を高めることで付加価値を産み出してきたのは有名な話しだ。その手段として露天風呂、入湯手形(1200円で3軒入ることが可能、売り上げの一部が温泉組合に入る)、植樹による自然な景観整備が活用されてきたのもまた有名。

 感心したのは、
/⊆は組合で計画を立て、組合の予算で実施しており、個別の旅館の要望は一切、きいていないというところ。これについては後でまた触れたい。
△泙仁拘曚魯愁侫函福畧楜辧砲大切であることを認識し、旅館職員、派遣スタッフの教育に留意していること。トップクラスのインフラに安住しない姿勢が素晴らしい。実際、事前の連絡や滞在中、いやな思いは全くしなかった。

「回っての感想」
・入湯手形を購入したが、2大人気旅館といわれる「新明館」と「いこい」は休館中(今がオフなので内部改装をしていた)なので、御客屋旅館(町中)→山みずき(かなり遠いがここだけが送迎の車を無料でだしてくれている。)→ふもと旅館を歴訪。

・風呂のスペックは宿泊した宿よりはいずれも上。特に山みずきは渓流沿いの眺望が開け、段違い。なぜか御客屋にいた人は山みずきにもいて、山みずきにいた人でふもと旅館でも出会った。皆、考えることは同じか。

・混浴の状況:我々が20分遅く到着していればヒットしたかも、という状況はあったものの、実際は混浴=男子。しょぼん。まぁ、これが普通ではありますよね。

・風呂以外にすることがない。2つ入って、街中に戻ってきて午後3時過ぎ。空港行きのバス発着まで1時間半あっても、「お風呂はお腹一杯」であるにもかかわらず、結局は風呂に入るしかない。商店や飲食店も数が多くないので風呂漬けになるしかない。

・組合の方のお話しや温泉街の環境から黒川の標的顧客が、それなりにお金のある個人客であることは感じ取れる。温泉外周には駐車場がないので団体客は国道でバスから降りて自力で歩いてこなければならないし、子どもはたちまち飽きると思われる。それはそれで、温泉の風情を守るためには必要な絞込みである。

・黒川のドメインとは異なるかもしれないが、屋外活動の余地はないのだろうか、などと考えた。

・個人的には歩行禁煙が徹底されていたのが好感が持てた。


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 ,北瓩襪函△海譴老觜銃饂であろう。温泉組合に限らず寄り合い所帯であれば、我田引水、従来事例踏襲がまかり通ることは多いのが常だから。

【プロ野球】中心となる機構に権限なし、全体戦略なし、部分戦略による顧客設定、高い原価

 プロ野球がいい例で結果的には部分最適を主張する各球団の利害の上に立って全体最適を提示できない機構側の状況を思い出す。

 「事業者側の都合」ではなく「顧客の幸せ」(ドメイン)がしっかり定義できれば、環境の変化があっても、これに対応した施策を立てることが可能になり、大きく道を誤ることはないはずであるが、プロ野球ではこれが全体ではできていない。ドメインがあるとしても、各球団のドメイン構築に留まっているのではないか、と感覚する。黒川温泉で温泉全体の戦略を考えていない状況といえるだろう。(もし、黒川で全体戦略を構築していなければ、今でも誰にも知られない不人気温泉地のままだったと思われる) 各自の言いたいことを抑え込んだほうが、長い目で見れば得なのだが。

 では、プロ野球球団の顧客とはだれなのだろうか。球場にくる人、テレビスポンサーのいずれに軸足を置くべきなのか。旧ダイエーは敢えて前者を選択し、結果は悪いものではなかった。日本の場合は米国と違い、野球に関する固定費率が高いため、利幅が限定されてしまうにしても、ドメインを真摯に考え戦略を実装している事例はある。Jリーグも同様ですよね。でも、どこの球場にいっても同様に高い水準の満足を得られるようになっていればもっといいはず。

【将棋】中心機構あり、顧客はどこに? 
 ここまで考えると将棋はどうなんだ、ということも脳裏をよぎったのだが。。。どうも上手くはまらない。

 将棋の場合、棋士は従業員なのか売上原価なのかというと、まぁ前者だろう。プロ野球とは違って、報酬が一定しているから。。固定費も東西の将棋会館くらいで、盤と駒さえあれば、いや今ではPCさえあれば、対局は行なえる点もメリットといえるだろう。(ただ、人件費が固定化している点は痛い)

 私は以前は将棋連盟の内部運営は事業会社と同じようなものかと思っていて、竜王戦クラブ問題の時にそんな話しをしたが、業界内の知人の話だと、「それは違う、他の構成員の非を必ず咎めるようなところではない」という。そうだとしても、プロ野球とは異なり執行部にお金がいったん集約され、分配されるわけだから、むしろ黒川温泉組合と似たところもあるといえるだろう。戦略を実装できる体制ではあると思う。

 となるとドメインである。一体将棋界の顧客は誰なのか。金を払っているのは新聞社だが、エンドユーザー(一般読者)に直接働きかけることで新聞社を動かす、ということがありえるだろうか。こういう事例としてよくインテルがでてくるが、PCと違い、将棋は必需品とはいえないから、類似性を主張するのは無理があるように思える。

*インテルは直接のクライアントであるPCメーカーを越えてエンドユーザーに自社製品の優位性を納得させることで、競争優位を構築した。


 将棋会館や道場に足を運ぶ人は大切にしたいが、顧客としてカウントする対象としては遺憾ながらネグリジブルだろう。年齢的にも行動類型の点からも減少傾向をとめるのは難しい。(私自身が道場には20年くらいは行っていない) 学校教育への浸透によるリターン狙いというのが今の連盟の方針のように仄聞する。正課になるのであれば、単位の対象になるのであれば、ある程度有望であろうと思う。

 非常に生煮えの文章になってきたのだが、将棋の「機能」を再検討してみよう。顧客に提示する価値である。(黒川温泉の温泉と自然から受ける癒しに相当する)

・将棋の高度なゲーム性
・「棋士」の魅力

 結局のところ、これしか思いつかない。ではこの機能をクリスタルに出せているのか技術的にみてみると、私見ではあまり上手ではないように思える。(ここから先の立論はあまり意味がないかもしれない。将棋連盟の事業の外側の出来事だから)

 ゲーム性の描写手段ということになると、現時点では観戦記とインターネット実況中継、テレビ中継である。理解のしやすさとなると視覚に訴える順でテレビ>>>ネット>>>観戦記となろう。新聞や専門誌の観戦記をきちんと追随していくのは結構、厳しいものがある。せめて文中の指し手には毎日新聞のように▲△をつけて、フォローしやすくしてほしいものだ。ネット実況の充実も著しいが、担当者の個人的な力量に因るとした方が妥当か。手順の追随の容易さ、速報性ではは新聞観戦記よりも遥かに勝る。できれば棋譜ソフトをさらに活用して変化手順再現を分りやすくするとかできないか、とは以前からここで申し上げていることだが。。。(もちろん、私がここで何を言おうが、他人の行動に影響を及ぼすはずはない)

 ゲーム性となると、今度のネット棋戦創設でいよいよ課題として指摘もされ、真摯に対処しなければならないのが不正防止である。そんなくだらないことをする棋士がでるとは思わないが、だからといって無策でいいのであれば、SOXで我々は汗をかかなくてもいいはずである。微塵も疑いがないことを明確にする努力が事業者の信頼性を高めることはいうまでもない。そこに疑義があるのであれば、将棋の本来価値を毀損することになってしまう。

 こういうことをぐだぐだと考える時に、内部環境と外部環境のいずれかによるかでその組織の将来性が決まる、とは先週私が参加したあるセミナーで教わったことの転用だ。外部環境=顧客>>>内部環境、当たり前のことなのだが、私のような会社のどっかの部署にいる人間とか、組織の旧習にどっぷり染まった人間にはこのことが本当の意味で分っておらず、急所急所でわき道に逸れてしまうものなのだそうだ。さもありなん。

 そうはいいつつも、将棋の場合は前述のように「顧客」がみえない。連盟というそれなりのトリガーがあるにしても、経営/販売戦略を実装するのは大変だろうなぁ。

 例によって結論はないのですが、このブログをお読みの皆さんがどういう風に思われるのか、よろしければコメント欄に書いていただければと思います。

 絶望的なまでに書きなぐりでごめんなさい。

PM 10:13:29 | Comment(11) | [旅行]

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佐藤康光の棋界制覇、矢内理絵子の女流棋界制覇を切望するオジ将棋ファンです。とはいっても、棋士は皆さん、好きです。

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