せんすぶろぐ
将棋、歴史のオタクです。他の一般の話題についても折をみて触れていくつもりです。

2006年06月03日  ビザンチン帝国の軍隊
 図書館で「ビザンチン帝国の軍隊 886-1118 ローマ帝国の継承者」を借りることができた。

 たった26ページしかないカラー刷りで表紙に帝国軍人のチャーミングな絵が。。。装丁をみた妻曰く。

「何この絵本?」
「ほぅ・・・だったら中身も読んでみな。絵本なら理解できるよね」

 開けて妻絶句。軍組織、装備、給与、傭兵等について充実した解説が各所に。

 なかなかに帝国おたくの興味を満たしてくれる本でした。10世紀断面で非常に手厚い装備が供給されていたわけで、こういう軍隊なら結局は戦争に勝てるだろう、と思う。

 冒頭部分の言及が今更ながら印象的なので引用しておきます。帝国国民としては非常に気持ちよく読めます。

「彼らは早くから、一つの戦闘で勝ちを収めることは必ずしも戦争に勝利することにはならないという事実に気づいていた。政治的に無益な戦役で兵や物資を浪費する換わりに、しばしば条約を結び、賄賂を送って敵国を買収したのである。

                   (中略)

 虚偽と陰謀が背景にあったとはいえ、重要な事実を忘れてはならない。脅迫や賄賂といった手段が通用したのも、この国が強固な軍事制度に支えられていたからである。10世紀から11世紀初頭にかけて、ビザンチンの軍隊は戦力面でも効率でも最高潮に達した。我々が知る限りもっともよく組織された軍隊で、兵士の訓練、装備、報酬において、当時まぎれもなく世界最高の水準にあった。」

 ただ、この本で紹介されている戦闘がよりにもよって帝国歴史史上最悪の惨敗とされている「マンツィケルト」だけとはいかがなものか。帝国軍隊の零落振りを説明するために必要なのは理性では分かるが、読み手(ほとんどが帝国ファンのはず)の精神的バランスを考慮して1014年のクレディオンの戦い(対ブルガリアの歴史的大勝)も載せてほしかった。この敗戦の後、帝国は12世紀に一時的な回復を見せるのであるが、著者によれば「マンツィケルトで帝国の信用は永久に失墜した」とある。これは雑感2でも述べるように「異議アリ」だ。そもそも著者自身が言っている、「一回の戦闘で云々」の下りと矛盾している。

雑感1
 こういう洗練と軍事力、その領土内に多くの宗教、民族を包含しえた帝国から、現代は何か参照することはあるのではないでしょうか。

雑感2
 よく勝負の世界で「運命の一戦」という表現を目にする。この一戦に勝っていればその後の展開は変わっていただろう、とかですね。多分、そうはならないことは、ほとんどの人が認識している。高野山の決戦に大山康晴が敗れても結局は彼の覇権は確立しただろうし、49年の名人戦で大内延介が▲7一角と打たずに▲4五歩としていても中原誠はすぐに名人位に復位しただろう。
 第二次世界大戦のミッドウェイで日本軍が勝っても結局は日本が戦勝国になることはなかっただろう。

 ただ、だからといって、今、劣勢にいる人たちが未来永劫勝ち組になれない、というわけではない、とも思う。一生が終わった時に、「力があったからこういう結果になったんだな」と回顧するチャンスは誰にでも開かれている。そういうチャンスをつかむ努力を怠らなかったからこそ、ビザンチン帝国は幾度もの難局を乗り越え1000年の歴史を永らえることができたのだ。



PM 10:10:20 | Comment(15) | [歴史]

2006年06月03日  朝日OP
 今日は図面なしでエントリーを書きます。(図面をつくるのには柿木か棋泉版の棋譜がないとできないのですが、今のところ、手元にない。手入力する気がおきない)

 個人的には糸谷四段の将棋に注目をしていましたが、レビューしにくいのでやめ。加藤アマ―遠山四段戦にします。

 外出から帰ってきたのが午後8時過ぎ。asahi.comの棋譜を結果を見ないで片っ端から並べていったのですが、トップにあったのがこの将棋。61手目までは竜を押し返し遠山四段の方がいいのかな、という感触を持ったのですが、62手目の△2八歩は変では? 取りきれない桂馬であれば跳ばしては理屈に合わない。花村九段の名言「駒得をした時は一度、兵を自陣に帰すのがよい」に従い、△4四銀とか△3二金とか△3四金とか自軍の金銀を集結させるのが兵法なのでは?ときわめて感覚オンリーの感想を抱いたのです。駒の数は後手の方が多いので分のある戦いをできたのではないでしょうか。

 本譜は4五まで跳んだ桂馬を生かすべく先手が5筋の歩をぐいぐい進ませ5三に拠点製造、さらに手薄な7筋からの襲撃が決まってしまっては、3筋の金2枚は木偶でしかない。後手にとっては駒を取られながらの敗走を余儀なくされ、悲しい将棋になってしまいました。

 プロ7勝3敗はこんなところではないでしょうか。

<5744>


PM 10:00:03 | Comment(0) | [将棋(中飛車)]

2006年06月03日  谷川快勝
 第5局は谷川九段が隙のない攻めで名人を圧倒。2勝目をあげました。スコア上は競っていますが、なんかここまでの5局で大熱戦というのがないですね。第6局は140手超、詰めろ逃れの詰めろが4回くらいかかるようなのをみたいです。

 結局、封じ手の局面で心配した通りだったのかなぁ、というほど単純ではないのでしょうが、へぼは2三が薄いなと指摘したことを喜んでおきます。

 それにしても1図の△4二銀引は銀矢倉をつくるにしてもかなり奇異な手順ではあります。この時点での後手玉は、たとえてみると宝石が鍵もかけられずに放置された状態であり、まずは△3二金と鍵をかけておきたくなるのが並みの将棋指しの本能のはず。名人がそれに逆らってなぜ銀を先に引いたのか、again、とてつもなく深い理由があるはずですから、観戦記で触れてほしいです。

 2図まで推移すると、2二玉を先行させたこと、銀を先に引いたことが全てデメリットとなっている。名人に分からないはずがないと思うのですが。。。

 それでも終盤の粘りはさすがで、間違えたら許しませんよ、という気迫が垣間見れますが、相手が相手なのでちょっと無理でしたね。

 問題はなんといっても第6局を谷川九段がしのげるか、ですが、過去この二人の対戦で森内先手番のときの勝率はちょうど5割(12−12)。但し、この中には例の8連敗の時のものも入っており、最近は名人の4連勝。普通に考えれば、次局で防衛と思えますが、去年も6局目では決め切れていませんので、まぁ、楽しく観戦させていただきます。

<5524>


AM 08:36:17 | Comment(3) | [将棋(矢倉)]

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プロフィール
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佐藤康光の棋界制覇、矢内理絵子の女流棋界制覇を切望するオジ将棋ファンです。とはいっても、棋士は皆さん、好きです。

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