■2005年08月31日
対藤井システム急戦
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会社のPCがXPに更新された。以前のPCでは激指4の女流棋士との番勝負を戦うと必ず途中でフリーズしていたが、今はそういう現象もなく快適に対局できている。
四間飛車の稽古をしたくなって、坂東香菜子を選択。激指の坂東さんは四間飛車しかせず、こちらが穴熊を匂わせると藤井システムと鈴木システムをかわりばんこに繰り出してくる。藤井システム系に対し、最近の私は1図を使うことにしている。去年の夏ごろから今年の春にかけて頻出だったが、とんとでなくなった形である。
激指の坂東さんは1図で必ず△3六歩と指し、あっという間に2筋を突破されてしまう。誰が考えても、標的になっている角をさばく△4五歩しかないはずだが。。。
そんなわけで、毎日、彼女の泣き顔を拝んでいる。
この戦形の最新局は2月の王座戦予選の中村−久保戦。先手の快勝だったわけですが、なぜ廃れたのか。△6四歩を保留するようになったのか、とも思ったのですが、どうもそうではない様子。プロの場合、結論が出ないうちに次に流行が移ることもあるので、その一例かとも思えます。
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PM 11:11:40 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月31日
選挙
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私の住んでいる選挙区は自民、民主、共産からひとりずつ。自民と民主の候補者はともに30歳代の前職で元気がよさそう。小選挙区で負けても、恐らくは供託金没収になるような惨敗にはならず重複立候補の比例区で救済されるだろう。
他の選挙区はもっと緊張感が一杯になっているところもあるが、この辺りはどうものんびりしているような気がする。投票用紙に誰を書くか選択することに意味はあるのだろうか。
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PM 10:56:05 |
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[日記]
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■2005年08月30日
LOT甲斐−竹部:相横歩
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昨日発売の週刊将棋8/31のLOTの竹部女流の自戦記を読んだ。普段は女流の将棋というと、清水、中井、千葉といったところ以外はほとんど並べない私だが、この甲斐−竹部戦は相横歩なのでちょっと真面目に読む気になったのだ。そして驚いた。
まず、後手の竹部が△8二歩型を選択。この形は、以前の私が随分採用したものです。かなり邪な動機に立脚しており、「△8二角ならともかく△8二歩なら相手に経験値はほとんどないだろう。それに割りと簡単に引っかかってくれる筋もあるしな〜」などと考えていたのだ。自分でもこれじゃ強くなれない、と思い直して、中座流を勉強しなおしたわけだが、これは余談。
で、1図。竹部自戦記には▲6六銀もあったということですが、本当か? △7三飛▲8四銀に△8五飛があるので先手がダメなはずだけど。普通は▲6八銀と引いて受けて、同じ変化で▲7三銀成△8九飛成に▲7九金を用意するとしたもの。
さらに驚いたのが2図で指された▲4六桂に対する記述。▲2二歩もある、と書いてあるけれど、▲2二歩の瞬間、先手は歩切れになるので△5四飛▲5八銀△2二銀とされると先手は勝ち目がない。上に書いた「割りと簡単に引っかかってくれる筋」というのはこれのことだ。
この二人は私よりは遥かに強いはずなので、私が今まで信じていたことに大穴が開いているのだろうか。ちょっと心配だが、私もこの形は200戦以上戦っているので、変な自信はあります。
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PM 10:28:28 |
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[将棋(横歩取り)]
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■2005年08月29日
爆騰:原油相場
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げきさんから、「語って下さい」との要望がありましたので、語ります。せんすの個人的な見解であり、いかなる団体、機関の見解でもなく、また、以下を読んで何かの投資行動をなされたとしてもその結果については全く責任を持てませんのでお含みおきください。それから私はトレーダーでもエコノミストでもアナリストでもなんでもありません。
ハリケーンのおかげで一気に70$/b越え。なぜここまで上昇してしまったかですが、
1)生産国に生産余力がない。 油には重い油と軽い油があって、市場が必要としているのは軽い油(ガソリンとか暖房用とか)です。生産余力があるのはサウジだけですが、あそこの油はほぼ重いものばかりなので、何百万バレル追加で生産しても、役には立ちません。
2)生産国は今のままでいいと思っている。 人口制限をしていない各生産国では、国民を食わせるためにとにかくキャッシュがほしい。最近の原油高騰のおかげで、公務員の給与をあげたりもできるわけです。払う消費者がいるのであれば、わざわざ新規の探査活動に着手する気にもなりませんよね。
3)アメリカ人が。。。 イランの原子力開発が額面どおり平和利用でないにしても、今、この時期に事を荒立てるのが妥当か、疑問の余地はあります。当然、油価を押し上げる効果しかありません。 それに、あれだけガソリンを消費しながら、相変わらず燃費の悪い車に乗っています。(ちょっとはトレンドは変わりつつはあるのでしょうが)
4)お金の行き場所がない ちょっと前ですが、GMやフォードが随分傾いてしまって、債権やクレジットにいっていたお金が原油市場に入ってきています。入ってくる=買う、ですから、まず相場が上がるところから始まるわけです。さらに、最近は投機ではなく、年金とかの長期資金も入ってきています。こういうのは、なかなか退場しません。
5)原油というのはそもそもそういうものだ 政情不安、ハリケーン、事故など、イベントが頻繁に起こるのがこの業界です。下げる理由を見つける人はいなくても、上げる理由を見つける人は多くいます。相場は、「フェアバリューを探すこと」ではなく、「みんなが思っているフェアバリューを探すこと」です。今、みんなは上ばかり見ているわけですね。
多分、経済記事を見ている人は70$/bといってもピンと来ないのでは? ガソリンは円/Lですから、それに直すと、為替が110円だとして、48.4円/Lに相当します。これに諸税、諸経費が乗っかります。先日、長野で私が払ったガソリンは132円/L、痺れました。
原油の生産コスト自体はせいぜいいっても10$/bはしません。こんな馬鹿な相場が長続きするはずはないのですが、中国、インドがいくらでも原油を食べるので、20世紀とは状況が変わっています。その変わり方がイマイチ、見えないので、不安感がある→ボラティリティが上がるということになっているのではないか、とせんすは感じています。
でも、中国などは爆食とかいっても、今年の上半期は輸入量が対前年比で激減していました。「高ければ買わないよ」という姿勢はしっかり持っているようです。人民元が切りあがれば、また原油を買い始めるのかもしれませんが、国内の販売価格が公定価格で据え置かれているので、どうでしょうね。今のままだと輸入しても石油関係業者は逆ザヤになってしまうだけです。中印を過大評価しないほうが正しいとは思いますが、みんなが過大評価していれば、結局相場が上がるわけです。
当面は青天井、来年には沈静化(といっても以前のようなレベルには戻らないのでは)するけれど、長期的には産油国自体の人口増→輸出量減少→再度高騰というような見立てをしていますが、さてどうなるでしょうか。私の見立てはよく外れます。(w)
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PM 11:30:46 |
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[経済]
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■2005年08月29日
さらにしつこく羽生−石川戦
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角金両取りが決まって有利になったかに見えた石川六段。本当はどうだったのでしょうか。8月17日号の週刊将棋にはこの将棋のポイントが解説されています。
これによると、両取りの局面では後手十分な分れとのこと。相手が相手ですから、普通なら後手優勢といってもいいのでは。
で、1図です。△4一銀打が、角の行動の自由を確保する意味もあり自然な着手ですが、手番を取れません。解説によると▲4四角△7八飛成▲6八金△7五竜▲2一飛成△8五桂(???)▲6七桂がある、ということです。でも▲6七桂がみえみえなのに△8五桂とする人はいないでしょう。△8五歩と耐えるのでしょうけれど、▲6七桂△8四竜▲7五歩△同金▲同桂△同竜では何かいかさない。となると△3一銀が必然となるのですが、悲しい銀打ちですね。
うーん。本譜の強引な攻めで、しかも露出した穴熊は本来の堅さに程遠いのですが、実は先手に分があったのだろうか。よく分からん。
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PM 09:42:25 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月28日
四間飛車対居飛穴:羽生−石川戦
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しつこく、居飛穴対四間飛車の将棋をお勉強。題材は銀河戦決勝Tの羽生四冠対石川六段戦です。
1図の局面、私なら▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲6五歩△同桂▲3三角成△同桂▲2四飛△5七桂成▲同金△3六歩▲6七金と仕掛けたくなりますが、どんなもんでしょうか。後手の玉の位置が中途半端なので、そこそこの戦果は上がっていると思いますが。
羽生四冠はそうは指さず、▲5九角△8二玉▲2六角△6三金▲6七金△1四歩▲1六歩△8四歩▲3七桂△5二銀▲7八飛△8三銀▲7五歩△7二金▲7四歩△同銀(3図)と進行。やや奇異(?)なのが▲2六角〜▲3七桂。普通は7筋で歩を交換して、飛車を3八で途中下車させて△4四角を強要してから▲2八飛と振り戻していくものと思いますが、後手の5二銀に対応した駒組なんでしょうか。へぼな私にはよく分かりません。
3図で羽生四冠は▲7四同飛を強行。△同金▲5三銀ですが、両取りでもなんでもないので、無理攻めではないかと思います。対して石川六段の△7八歩▲同金△2八飛が激痛。後手よしと感じます。恐らくは4図での△2八竜が敗着なのでは。▲7九歩と手順に固められるのは仕方ないとして、どうせ固められるのであれば桂馬を拾っておいた方がよいはずです。
私はスカパーを契約していないので、この辺りの機微がどうなのかよく分かりません。観戦された方がおられるのでしたら、ご教示願います。
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PM 06:19:39 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月27日
昨日の続き(鈴木システム対居飛穴)
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昨日のエントリーについて、nusonoさんから、以下のコメントを頂きました。
「参考図を先後逆にして、6筋の歩が切れている形から▲5五歩に△6四歩と「打った」形が『東大将棋四間飛車道場』の十二巻26Pに載っていました。2)の手順中、△6五金に▲同銀△同桂は居飛車良し、▲5四歩△7六金▲5五銀とこちらも超強気に応戦する変化が本筋とされています。以下は角金交換の駒損でも駒の働きが良く、振り飛車充分とのこと。具体的な変化を全部コメントすると長くなりますので、せんすさん自身の目でお確かめ下さい。」
私は東大将棋四間飛車道場を持っていないので、今日は確認できません。よって、自分の頭で考えてみることにしました。
なるほど、△6五金に▲同銀とするのは、わざわざ桂馬をさばかせてしまうので変ですね。△7六金▲5五銀の局面は2図のように△6六歩と押さえる一手だと思いますが、以下▲6四銀△同角に▲8八角と引かれると△8六飛には▲9七角があるし、▲5三歩成△同角▲5九飛の変化もうるさく、後手思わしくないような気がします。3図のようにもたれるのも、恐らくもたれ切れないでしょう。
なお、先後が逆、あるいは後手が1筋を受けていなければ、先手は9六歩を突けていない可能性が高いので、様相は一転してしまいます。
となると、私は3一金型から△6二銀〜△5一銀以下の組換えをちらつかせて、先手に攻めてもらう例の作戦(前期竜王戦屋敷−杉本を参照)を採用させていただくことで、当面、対応しようと思います。
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PM 08:55:21 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月26日
鈴木システム対居飛穴
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休暇中にたまった観戦記を消化。新潟新聞の鈴木八段−熊坂四段戦が今日のネタです。先手鈴木システム対後手居飛車穴熊で1図が仕掛けの局面ですが、やや違和感を覚えます。後手の熊坂四段は6筋の歩交換を優先させて、角を3三に置いたままなのですが、私なら△4二角を優先させたいです。
1図が参考図のようになっているとします。
1)▲5五歩に△同歩▲4五歩△同歩と強気に応戦するのは、▲5五銀△5四歩▲4四歩△3三金▲4五桂△5五歩▲3三桂成△同角に▲4三金と打ち込まれて、まずい。なお8二飛型だと△4四銀として不都合はないので、振飛車側は要注意です。
2)▲5五歩に△8六歩▲同歩△6四歩▲5四歩△同金▲6四歩△同銀と超強気に応戦したい。▲5五歩△6五金▲同銀△同桂と右桂を活用し(せんすにとってはこれが大切なポイント)、▲5九角△5八歩▲同金△5七歩で居飛車が悪くないと思います。この応戦方法は居飛車の飛車の位置や左金の位置に関わりなく成立すると思いますが、何か穴がありますでしょうか?
本譜は△4二角▲4五歩△8六歩▲同歩△4五歩▲5四歩△同銀▲5五銀△同銀▲同角△3三角▲4四歩△同角▲同角△同金▲6二角でどう見ても先手よしですが、どうも簡単ではなかったようです。
進んで2図。当然▲7三角成の一手に思えましたが、鈴木八段の一手は予想外の一着でした。私なら最初に選考対象から外します。ここまで書けば分かったも同然なので、答えを書きますが、▲5三歩! ▲5二歩成としても当たりにもならないし、紛れの余地なくよくて5手すき。こういう計算のしやすい手をプロは指さないものと思っていましたが、鈴木八段によると「これが最も勝負になると思った」とのこと。今でも理解できないのですが、彼がそう言う以上、そうなのでしょうね。
1図については実際のところ、どういう評価でしょうか。このブログは少なくとも振飛車党の人もみているようなので、できればご意見を賜りたいところです。私は、本譜の後手の指し方を真似る気には全くなりません。
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PM 09:39:41 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月26日
Manuel I Komnenos (1143-80)
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久しぶりにビザンツネタ。
アレクシオス1世、ヨハネス2世、マニエル1世のコムネノス朝三英主。この時代については、文献も多いので、他の皇帝のように思いに任せて書くというのもさすがに憚られるような気がして、今まで手をつけなかった。でも、まぁ、いいや。自分なりの考えを書くことで、頭の整理にはなるでしょう。
この皇帝についての主流派の見解は「皇帝としても人間としても魅力に溢れる人物ではあったが、大ビザンチン帝国復活という果たしえない夢を追い続けたために、国力を蕩尽し、1204年の帝国滅亡への道を開いた」というものであろう。これに対し、「幻影の世界帝国」で著者の根津教授は「マニエルは現実的に目標を追及したが、「夷を持って夷を制する」策を活用できない国際情勢になり、自らが土俵に上がらなくならざるを得なくなった」ことを凋落の一因としている。
どれほど策を凝らしても、自国の代わりに矢面に足ってくれる勢力を常に確保することは困難だろう。彼の治世における帝国の目標が、云われているような領土拡張+実効支配ではなく、十字軍国家やイスラム諸侯、西欧諸国ら帝国周辺勢力への名目的な優越確保であるのならば、ベネチア(帝都在留のベネチア市民を一斉逮捕)、ルーム・セルジューク・トルコ(ミリオケファロンの惨敗、1176年)とは訣別せずにうやむやの関係を維持しようとしたのではないのかな,と思う。
特に、ルーム・トルコのキルジ・アルスランとは長年、友誼を結んだ仲であり、マヌエルが死に当たって、後継のアレクシオス2世の将来を委嘱するくらいの間柄である。わざわざ戦争を仕掛ける必然性があったとは思えないのだ。アルスランの権力確立が煩わしければ、ルーム国内に内訌を仕掛けるくらいはお手のものだったはず。マヌエルの戦略上の目標が私には見えない。
対ベネチアでも同様で、帝都在留のベネチア市民を一斉逮捕といった手荒な真似をして、一切の報復がないと信じるほど、そして興隆著しいベネチアの反撃を全て退けられると信じるほど、ビザンツ人は本来、間抜けではないはずだ。世論がそれを要求したといえばそれまでだが、マヌエルの政権は歴代皇帝の中でも安定度はトップクラスであり、世論に対し冷却期間を置くことは可能だったと見るのが妥当。ここでも最終的な目標がよくみえない。
ゆえに、私は、晩年のマヌエル及び彼の政府には、政略上の目標を設定し、合理的な戦略によりこれを実現していこうという意思に欠けるところがあったのではないか、と思うのだ。
どこかで書いたかもしれないし、多分、多くのビザンツファンが指摘していることではあろうが、当時の帝国は国内経済力を再興させるためにリソースを投入するべきであった。帝国の成り立ちから考えると、国際政治や様々な儀式で敵対勢力を幻惑することはもちろん不可欠ではあり、その点でマヌエルは極めて有能な君主だったが、幻惑することが目標であってはならず、その幻惑を実質にできるような底力を育む経済政策こそが求められていたのではないか、と考える。
劇場としての帝国を演出することと、実質を強固にすることは二律背反事項ではないはずで、マヌエルであればそれは追求できたと思うのに、この結果。帝国ファンとしては残念でならない。
採点は7/10です。贅沢三昧、親族の寵愛が問題とか、見栄を張りすぎて、帝国を衰退に追い込んだとまでいわれることもあるけれど、そういう次元の政治家ではないです。
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PM 08:08:26 |
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[歴史]
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■2005年08月25日
休暇、台風、くま
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エロサイトのTBを削除するつもりが、本記事を削除してしまった。本当にうざいです。。。しかし、勝手に将棋アンテナに記事が引っかかっていたので、以下復元します。興味のない人が大半だとは思いますが、所詮は日記なので、許されたし。
例によって志賀高原に夏休みに行ってきた。(2年連続のスキー休暇+夏休み@志賀高原です)
1.台風 台風接近の影響かどうか分からないけれど、現地の天候が今日以降どうも今ひとつの予報だったので、1日短縮して帰還。今、天気予報をみると、明日は雨後晴れ(一体いつから晴れになるのかは、言葉を濁している)とのことで、やや早まったか、との思いもこみ上げる。(冷静な判断だったとは思うが)
台風が絡んだときの天気予報の歯切れの悪さには閉口する。以前、気象庁長官や民間天気予報会社の役員さんとお話しをする機会があり、せんすは「どうにかならんですか」と不躾にも訊いたことがある。答えはフラットに「無理」ということだった。民間天気予報会社は気象庁データをベースに予報を作成するしかなく、気象庁データの精度は今以上に劇的な向上を望むのは酷というのが実情だそうだ。
2.くま さて、昨日は天気がよかったので、志賀高原では大沼へハイキングをしたのだが、帰り道につきのわぐまに遭遇。20メートルくらい離れていたので、身の危険を感じず、むしろ感動した。熊よけの鈴を持ってこなかったので、以後は「森の熊さん」を歌いながら歩く。大学生のハイカー達がやってきたので、熊が出たことを話すと、彼らの表情も引きつり、やはり「森の熊さん」を歌い始めたのがおかしい。
この日は熊に遭遇した人は多かったようで、志賀高原は本来動物の棲息地域であり、人間は闖入者でしかないことを再認識した。
3.コンサート 天気はイマイチだったけれど、この時期は各大学の楽団が合宿を張っていたり、カレッジコンサートをしていたりで、志賀高原は雨でも退屈しない。 私は、山梨大学医学部管弦楽団の公開練習(奥志賀の森の音楽堂)と早稲田大学のコンサートを見物。山梨はまだ本番まで1ヶ月以上もあるということで、今後の改善を期待したい。早稲田は完全に受け狙いの選曲とみたが、演奏は大学生にしては立派なもののように聴こえた。
どちらも、いい感じの男の子、女の子が多くて、好印象。クラシックをやっているとああなるものなのだろうか。
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PM 11:33:34 |
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[旅行]
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■2005年08月25日
王位戦第4局:タイに/強引
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相振飛車でしたね。何に衝き動かされたのか分からないのですが、佐藤棋聖の相振飛車は平成11年以降に限定すると2勝2敗、羽生王位は17勝5敗。普通に考えると、損な戦型の選択です。まぁ、損を損と思わないところは、佐藤棋聖らしいです。
損に輪をかけるのが、第1図の△7四金。実況中継された感想戦でも「破門される手ですが」とご本人も形容していましたが、普通に考えるまでもなく、余人ではない羽生王位を相手に強引ではないかと。実況サイトにはこの後の△8三銀が疑問というニュアンスの解説がありましたが、先手攻撃陣に銀の応援が確実であり、金の獲物になるべき飛角が前線に出ていない状況では、そもそも△7四金がおかしいと思います。
第2図で後手防衛陣が無事ではすまないことが明らかになり、以降、佐藤棋聖は△9四歩、△8四歩といった補修に追われまくり、先に竜を作られた上に桂損。あやは全くなかったと思いますが、この辺は観戦記待ちです。
実況は大盤の解説、感想戦と素晴らしい内容でした。これを真似るのは容易ではないと思いますが、他紙の刺激になればよいですね。
<4469>
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PM 07:30:41 |
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[将棋(その他)]
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■2005年08月20日
多摩川花火大会
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この夏、2回目の花火見物。トホホな混み方でした。10年ぶりにこの花火大会にいったのですが、前回は普通に川原に降りて見物できたのとは随分様子が違っていました。
臨時出口ができていて、「うむ、臨機応変な措置」と感心したのもつかの間、パスネットは別途、駅員による手処理をしないといけないということで長蛇の列。私のような定期利用者や切符を買う人は比較少数派なので、臨時出口も活きませんでしたね。
風はややあるものの、雲はなく、まずは文句のない花火日和。帰りのことを考えて第三京浜側まで行かないで見物場所を決定。そのせいか、いまいち花火の空間的広がりを感じることはできずじまい。あと、流行なのかどうか分からないけれど、ニコチャンマークとかめがね、とかハートとか意匠ベースの花火が上がっていて、それはそれで業なのか、とは思わないではないが、せんすは大きくて広がる花火が好きです。神宮と違って、無料観戦なので、あまり贅沢はいえません。
早めに撤収したら、いきなりスターマインの連発があったようで、ちと残念でした。
*明日から夏休みです。次の更新は来週金曜日になります。
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PM 09:57:29 |
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[日記]
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■2005年08月20日
王位戦第2局:やはり分からない
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図は封じ手の場面です。昨日の観戦記によると、
1)8五歩は効果がない 2)8七銀は悠長すぎる 3)6六角は8六歩と整合しない 後手の陣形は改良が見込まれるので、急がないといけないという判断による仕掛けとのことです。
でも、改良といっても、後手玉が堅くなっても左の銀が6三に行くくらいだし、2筋の歩を切っている先手の前では後手の飛車は2筋に釘付け。急戦を仕掛けるときは、目標物に角がいることが望ましいのですが(対振りみたいな感じ)、この将棋はそういう将棋ではないと思うのですよね。
むしろ、4六銀型ではなく4七銀+4六歩型の方が桂馬を活用できてよかったのではないか、その方が7七角が活きるのでは、などと考えています。
まぁ、ピント外れでも序盤の駒組をこういう風にあれこれ考えるのは無駄ではないでしょう。きっと。
<1973>
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AM 09:04:59 |
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[将棋(向飛車)]
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■2005年08月18日
多分、最善手
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今日、観戦記の掲載が終わったA級順位戦の鈴木−久保戦。図で本譜は▲6二とで、観戦記でも「踏み込んだ」と形容されていたのですが、某所で某超実力者にきいた最善手は別の手だったような気がする。(酔っていたし、盤面が目の前にあったわけではない。。。)
多分、間違いないと思うので、出題。正解は下に白字で。
正着は▲3三金だったと聞いた。こうすれば、なるほどあやはないようですね。それにしても、打ちにくい金だなぁ。
<2996>
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PM 09:44:25 |
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[将棋(向飛車)]
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■2005年08月17日
王位戦第2局観戦記
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瀬川−神吉戦の映像をみて感想をエントリーにしようと思っていたのですが、まだ対応がなされていないということで、当てが外れました。結構、技術的には大変なのですかね。
なので、掲題についてあっさりと。本日の掲載分によると、佐藤棋聖はやはり一度たりとも劣勢と感じたことはなかったというし、羽生王位も自分がよいとは思った瞬間はなかった由。これから謎の解明がなされるのでしょうが、既に腑に落ちない感触が身体を包んでおります。
それにしても今の佐藤棋聖とやるというのは結構、精神的な圧力を感じるのではないか。変な譬えですが、いつ暴発するか分からない銃の前に立っているような。
<4767>
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PM 07:52:20 |
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[将棋(中飛車)]
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■2005年08月16日
新人王戦:阿久津−村中
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今週の週刊将棋にこの一局が紹介されていました。王位戦第1局の修正局なのですが、後手の村中四段の駒組みの構想がおかしく、第2図では既に投了級。普通はバランスのよい中飛車は飛車交換大歓迎のはずですが、この将棋は片美濃を組み換えているため、▲4一角の一発で駒が上ずらされてしまい、収拾がつきません。羽生四冠はさすがにそういう危ないことはせずに、低い陣形で待ちましたものね。
この形は、8月5日のエントリーでも触れましたが、なぜ後手は端歩を受けないのか、というところが不思議です。例によって、DBで調べてみたところ、王位戦第1局の後、阿久津五段はC2順位戦の対横山四段戦でもこの指し方を採用しています。この時、横山四段は第1図で端歩を受け、案の定、先手が左美濃に囲う新丸山ワクチンに移行。特に千日手モードになることもなく、自玉の硬さを生かして割りと快勝。
端歩を突き合った状態で、佐藤流の指し方は無理なのでしょうか。佐藤流だと、飛車交換に対し、▲5八同銀と飛車の打ち込みに強い形を維持しながら応じることができるのが、メリットです。アマレベルなら十分、通用すると思いますので、今度、試してみます。
<4894>
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PM 10:15:46 |
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[将棋(中飛車)]
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■2005年08月15日
「漢」
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今、毎日新聞のA級順位戦観戦記は鈴木八段−久保八段戦です。序盤で鈴木八段に手違いがあって(?)、将棋世界の相振講座の自筆記事に殉じて鈴木八段は珍しい振飛車へ。(1図の局面なら、手得を主張するために居飛車にする、と彼は書いた)
にもかかわらず、緩急を得た指しまわしで優勢な局面になります。2図の局面での彼の指し手については今日の観戦記でも触れていましたが、なぜか好手のマーク(◎)がついていませんでした。でも、折り紙つきの好手なので、よければ考えてみてください。下に白字で書いておきますので、反転して、回答を読んで下さい。
正解は▲4六銀! 実に重々しい銀ですが、これで中原地帯を完全に制圧。私はこういう銀は結構、好きなのです。(私が指すと空振りになることが多いですが)
〜ところで〜 自分のいったことに筋を通す、というのは「漢」ですね。こういう筋の通し方は、せんすは大好きです。鈴木八段は歩の成り捨てのやり直しについても、「竜王戦で一度したが、二度としない」という趣旨のことを語っていますが、そういう場合は是非、堂々と成り捨ててほしいと思います。
この種の話しで有名な一局というと中原−高島の棋聖戦挑戦局で高島五段(でしたか?)が歩を成り捨ててやり直せば必勝を維持できたのに、「死んでもそんなことはできん」と別の手を指して負けてしまったものでしょうか。どうしても感慨を抱いてしまうのですが、棋士は一人ではなく、ファンも後ろについていてその棋士の勝利を願っているので、こういう場合は自我を抑えてほしいですよね。
あくまで、せんすの個人的見解ですが、佐藤棋聖が2002年の棋聖戦第3局で歩の成り捨てで時間を稼いで詰みを見つけたのには「執念」を感じ、これも「漢」と思ったのでした。
<5461>
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PM 10:24:53 |
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[将棋(向飛車)]
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■2005年08月14日
プロ試験:瀬川アマ初勝利
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何か突っ込みどころの多そうな将棋だったのですが、中盤の入り口で思ったことを書いておきます。明後日には森下九段の解説が出るはずなので、触れていただけるといいのですが。
1図で神吉六段は▲6五歩だったのですが、▲5六歩が先で何か不都合があるのでしょうか。銀を6六に出すつもりなのに、▲5六歩が突かれていないというのは、「銀を使いませんよ」と同義のように私には思えます。
▲5六歩を先行させると、 1)△1四歩▲6五歩△4五歩▲6六銀△7四歩(変化図)? △7五歩がいやな感じですし、▲5五歩としても攻めきれそうな雰囲気はありません。 2)でも▲6六銀ではなく▲5五歩なら? △同角▲6六銀に構わず△4六歩と取り込まれ、▲5五銀△4七歩成▲6四歩は5二金型ならともかく、4三金型では当たりが弱すぎる。 3)つまりは、神吉六段特有の▲9六歩がぬるいのであって(△4三金右との交換になっているため)、普通の駒組の方がよかったのでは? という風に私は思ったのです。
本譜もそれは難しいのでしょうが、何か本格ではなく変化球なのかな(これはネガティブな意味ではない)、神吉六段らしい指し方ではあるが、、恐らくはアマは真似しない方がいいのではないでしょうか。
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PM 10:18:09 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月13日
広大な視野
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昨日、日経掲載の王座戦(森九段−深浦八段)で感動した手順がありました。週刊将棋に掲載された手順ではありますが、まだ見ていない人もいるでしょうから、後手の立場で当ててみて下さい。5手先まで読めれば、大したものです。正解は下に白字で書いておきます。
△同銀(!)▲5三桂成(この手はノータイムだった/無理はない)△8三飛▲4三成桂△同飛にて、先手の左翼がいきなり木偶と化し、将棋は終わりました。▲5三桂成では▲8五歩△同桂▲7五角とするしかなかったわけですが、我々レベルの実戦でも「上手い話に引っかかってあぼーん」はよくあること。
それにしても、深浦八段の目配りの広さは尋常ではないですね。
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PM 04:48:26 |
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[将棋(相掛かり)]
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■2005年08月12日
対振りの急戦
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昨日の矢倉六段−吉田アマ戦を並べて、自分がなぜ対振飛車急戦から離れて左美濃だとか穴熊に頼るようになったのか思い出した。といっても、私の対振急戦履歴は棋暦開始以後2年とないはずだ。
ありていにいえば、図の▲7三歩のような手裏剣がとんでくるのにうまく対処できなかった。これが持久戦系だと他の駒は左側に集結しているので、案外影響が少ないものだが、急戦だとそばに銀がいることが多く、飛車の対応次第では銀めがけて二の矢三の矢がとんでくる。こういう歩の叩きはする方は読めるがされる方は案外読めないものだ。
急戦だと4五歩突き以外だと右の桂馬を使いにくいのもいやだった。私は右の桂馬とともに戦うのが好きなのだ。棒銀遣いの人たちは棒銀でも結構、右桂をうまく活用しているようだが、私にはできる業ではない。
昨日の将棋についていえば、飛車の頭の叩きに△同桂を強いられ、銀を後退させられで、後手はいいところなし。この辺りはと金通信局で詳しく解説されているが、持久戦ならここまでひどくはならないのでは、と思う。(もちろん錯覚で、持久戦でもだめなときはだめなのだが)
木村七段のように堂々と急戦を仕掛けて、振飛車の反撃を押さえきる、という指し方には漠とした憧れがあるが、一生、憧れのままなのだろう。
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PM 07:43:52 |
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[将棋(四間飛車)]
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■2005年08月11日
亡国のイージス
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感想などを。。。。
この映画、理解しなくていいのであれば(特撮映像が楽しめればいいや、というスタンスであれば)、まぁいい映画なのでは。いそかぜの重厚さ、アクション、交戦シーン、会議のシーン、みなリアルでよかったです。
でも私は原作を読んでから観にいっているので、どうしても落差が目に付いてしまいます。
なぜ、宮津は反逆をしたのか、それを語るべき「うらかぜ」との交戦前のやり取りが一部、省略されていましたね。宮津と対峙するうらかぜの矜持が描かれている点でも、とても大切なシーンです。それから、ハープーンは4発撃ってほしかったです。とことん、うらかぜが頑張るところをみたかった。
メッセージや人間性のことはまぁ忘れて、ということで、お代分はあったと思います。
(4/10)
<4552>
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PM 10:54:54 |
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[映画]
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■2005年08月10日
将棋世界9月号詰将棋サロン4番!
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一昨日の飲み会でこの問題にプロがてこずっているという話を聞いた。将棋パイナップルの詰将棋サロンのスレッドにも同じような話が書かれているので、挑戦してみたのだけど。。。
誇張ではなく10秒で解けました。3手詰〜7手詰に5分くらいかかることがあるほどの詰将棋下手の私なのですが、何か、難しい変化があるのだろうか。
かえってすんなり解けて損したような気持ちになった。
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PM 07:48:59 |
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[将棋]
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■2005年08月10日
終焉
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去年6月16日のA級順位戦高橋−深浦戦で出現した1図。当時、新山崎流はまだ流行前であり、8五飛戦法は徐々に苦しくはなりつつあったが、渡辺、深浦、木村といった後手側の遣い手たちが新工夫をみせ延命を図っていた頃のこと。私はこの△5四飛型の破壊力に魅せられ(7月下旬頃だったか)、しばらく愛用をしていました。このブログでも随分、取り上げたものです。
しかし、私が愛用を始めた頃、この形は実はとっくに終わっていたのでした。終わらせた人は羽生善治その人。8月17日の棋王戦対高橋戦(高橋九段は対深浦戦の敗戦を経て、後手側でやれるとの見解を持つに至ったのでしょう)で先手を持った彼は2図で▲3六香を指しました。この手は激指4にも登録されているようで、激指相手に練習をしていたところ、指されたことがあります。
24の早指しで「まさか、この指し方は知らないだろう」とこの戦型を選択したことがありますが、相手の方は消費一秒で▲3六香。その時の私はうかつにも事前に△8八歩の工作を失念してしまったこともあり、なすところもなく敗退。(銀を8八に移動させておかないと、△5五香に▲6八銀が間に合ってしまう) 先日、私は先手を持ってこの戦型を久しぶりに戦いましたが、相手の方も△8八歩を忘れてしまい、私の快勝。ただ、この事前工作をしていても、3筋の香車が強力で後手側ではさっぱり自信を持てません。
分かってみれば当たり前なのかもしれないけれど、▲3六香はいい手ですね。後手で負け、先手で勝って、よく分かりました。5四飛型は確かに終わっていました。色々と変化手順を検討したこともありましたが、どうやら無為に帰したようです。
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PM 07:36:33 |
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[将棋(横歩取り)]
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■2005年08月09日
王位戦第2局、何回目か忘れたけどもう一度追記
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昨日、飲み会があった。王位戦第2局が話題になった。あの将棋については、佐藤棋聖は一瞬たりとも自分が悪い局面はなかったとの認識だったらしい。(本人に確認したわけではありません) これに同調する一流棋士もいる一方(Great!としかいいようがない)、先手絶対優勢説も多いそうだ。
私が主張した「銀冠にすればよかったのに」という発想は羽生王位には皆無だったようだ。△2一飛の前に交戦状態に持ち込みたい、ということらしいのだが、角を手放しているデメリットがあるとはいえ、9筋の位を取った銀冠は詰むことがちょっと想像できないくらい磐石だ。羽生王位ならではの視点の厳しさなのだろうが、私のようなへっぽこは結論を先延ばしするくらいがちょうどなのではないか、という風にも思う。
このエントリーのコメントに観戦記者の小池氏から13譜で掲載する、とあった。74手の将棋を13分割するのだから、かなりこゆい描写があるだろう、と期待している。
<4642>
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PM 07:32:12 |
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[将棋(中飛車)]
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■2005年08月07日
右玉考
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以前、筋違い角が嫌いだ、と書いたことがあります。筋違い角ほどではありませんが、右玉も嫌いでした。理由は筋違い角の場合と違っていて、対右玉は仕掛けの糸口を見つけるのが大変ということに尽きます。角の打ち込み場所はないし、飛車先の歩交換ができるからといって、その通りにすると、その筋から逆襲を受ける。右銀の運用方法がよく分からない、などなど。何よりも戦いを向こうからは起こしてくれずに開戦の苦労を一方的に背負い込むのが嫌でした。
囲碁の場合は戦いを双方が起こさないままでも勝敗はつきますが、将棋の場合は駒をぶつけない限りは開戦できず、千日手の可能性が膨らんできます。私は千日手も嫌いなので、右玉にされると困惑するのが常で、困惑と裏返しに右玉の考え方自体にアンフェアな印象があったのです。
ところが、最近、その右玉嫌いの私が右玉を連砦する羽目になっているのですから、人生とは分からぬもの。なぜそういうことになったかというと、8五飛を封印して、後手番一手損角換わりを習得中なのですが、ほぼ9割は先手番の相手は棒銀を目指してくるのです。腰掛銀だと後手一手損のメリットである8四歩保留が活きやすいので、この作戦選択は腑に落ちるのですが、対棒銀ということになると後手は玉は右側に移すしかない、つまりは右玉になります。
対腰掛銀系の右玉と違い、対棒銀系の右玉は飛車が4筋に来て攻めに参加することが多いし、そもそも棒銀という形自体が千日手とは馴染まないところがあるので、右玉嫌いの私でもそれほど気持ちが悪くはなりません。使ってみると、8四に駒を打たれるリスクがそもそもない△8四歩保留は右玉と相性がよいです。さすがに佐藤棋聖のような攻める右玉は真似できませんが、普通に受けていても経験値の多い分、それなりに勝ちやすい戦法です。
でも、経験値の多さに頼って勝とうという思想って、何か筋違い角に似ている。これって自己矛盾では???
<4086+4298>
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PM 12:53:30 |
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[将棋(角換わり)]
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■2005年08月06日
王位戦第3局:青野研究
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今日の将棋ジャーナルの青野九段解説を見ることができて、幸運でした。自分のへぼぶりもよく分かりました。佐藤棋聖に勝ち筋がはっきりとあったのですね。
まず話題の封じ手の局面ですが、なぜ▲3五歩としなかったかについて、佐藤棋聖は「歩切れになることを懸念した」とのことで、皆、びっくりしたということです。私も驚きました。後手の右銀をいじめる作戦だったのですね。
2図。問題ないと私が思った△5四香は悪手で△2九竜が正着とのこと。(この正着は1年かけて考えても、私の力では思い浮かびそうもない)
ここで▲2二馬△同金▲3三歩成△同桂▲3四桂△5二玉▲3三桂成△同金▲6四桂打△6一玉▲4二桂成△9三香▲5一角(この手が佐藤棋聖には見えなかった)なら先手勝ち筋だったとのことです。
さらに3図で▲2一角としていれば何かの時に▲3九飛のぶっつけもあり、先手に勝ち筋は残っていたとのこと。この▲2一角もまず私レベルでは思いつかない手ですが(しゃかりきになって一手すきを探しているうちに持ち時間がなくなってしまう)、彼我の速度計算ができているからこそ思いつく一着ですね。
こういう行き届いた解説を聞けるのは本当に望外のことで、暑い土曜日を家で過ごしていてよかったと思うのです。
<4532>
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PM 04:58:49 |
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[将棋(相掛かり)]
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■2005年08月05日
王位戦第1局、追記
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王位戦第1局の観戦記が進行中。だいたい週刊将棋や将棋世界の9月号の内容と同じようです。で、前のエントリーで書いた内容を検証します。
まず封じ手の△5六歩の是非については新聞観戦記、将棋世界のいずれもスルー。これはとても大切なことだと思うのですが(なんとなく本来の振飛車党の指し方と違うように思う)、他の解説が充実しているのでまぁよしとします。
3図で佐藤棋聖が指した▲8六香は疑問手というのは私の思ったとおりですが、局後の感想によると、▲9四歩以下の端攻めが最善の手順とのこと。佐藤棋聖は9筋への逃げ道を塞ぎそうなので考えなかったようですが、無理もありません。アマなら自然に思いつく▲5四とには言及はないのですが、本譜の変化しか後手の反撃はなさそうですから、それほど悪い手ではないと今でも思います。
この将棋の終盤はただ眺めているしかない複雑さですので、ここではもう検討をしません。が、序盤(1図)はちょっと考えてみたいところです。名人戦第4局で居飛車がゴキゲン中飛車を粉砕しました。私の愛用の作戦なので意を強くしていたのですが、自分の実戦ではあれ以降、中飛車側はさばいて来る人がまずいない。「一時撤退→居飛車の駒が上ずっていることに満足し、高美濃に再構築→大さばきを狙う」という対応をされることが多く、やや辟易。「退嬰的だし、どういう志で将棋を指しているの」と突っ込みたくなりますが、考えられなくはない屈伸戦法。
中飛車が仕掛けてくれないのであれば、この将棋のように「角交換して左銀を動かす前に9筋を突くと、
(1)9筋を受けなければ、本譜のように端を占拠→中央指向の駒組み (2)端を受ければ▲7八銀。△5五歩なら▲6五角△8八角▲9七香があり、後手が損という解説。ですが、アマなら100人いて100人は端を受けて、△5五歩を保留するはず。結果は、新丸山ワクチンになるでしょうが、千日手頻発。
うーん。当面は名人戦第4局の指し方ですかね。佐藤流の手順が今後も出てくるのか、しばらく様子をみたいです。
<3774>
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PM 08:25:15 |
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[将棋(中飛車)]
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■2005年08月04日
王位戦:1日経って
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昨日の王位戦の佐藤棋聖の感想に「終盤は少し足りない感じですが、(勝ちがあったかは)調べてみないと分かりません」とありました。私にはとてもそうは思えないのですが、考えてみます。
もし、形勢が接近したのであれば、1図の△5四香はどうなのか、というのが第一の疑惑。どうせ切られるのであれば馬当たりにする意味はない、ということはいえるかもしれませんが、先手玉の退路をがっちり塞いでいる(投了図をみれば明らか)効果は否定できません。
以下、▲3四桂に△5一玉(図面省略)も▲6四桂がある以上、▲4二角を与えるのもやむなし。2図に至り、後手玉に詰めろがかからないので、あやなし、と私は今でも思うのですが。。。でも、あの佐藤棋聖が「調べてみないと分かりません」という以上は、何か後ろ髪を惹かれる手順があったのでしょう。
まったり、待たせていただきます。
<3939>
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PM 08:39:16 |
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[将棋(相掛かり)]
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■2005年08月03日
来期銀河戦
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さっき、気がついたのだけど、来期銀河戦の予選がもう行われているのですね。そして、瀬川さんは今期の決勝トーナメント進出者ではあるけれど、ここに出場している。確か、本来は来期出場資格がないけれど、今期の成績がよいので特例で出られることになったというような話でしたか。
でも、今期、優勝したら、どうなるんだろうか。それには関係なく予選の結果に従う、ということなのだろう。不思議な感じがする。
<4059>
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PM 10:55:27 |
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[将棋]
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■2005年08月03日
王位戦、羽生1勝目
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王位戦第3局は羽生王位が勝利し、対戦成績を1−2に戻しました。
例によって、理解を超えた手順が佐藤棋聖に出現し、困惑しております。封じ手の△7六銀は当然として、▲3五歩を見送り、受けに回る佐藤棋聖。ここは、▲3五歩△8七銀成▲6六角で一気にけりをつけるものかと思うのですが、何か不都合があったのでしょうか。でも本譜のように△6五歩と飛車の横利きを通されると、方針を見失ったような気がしました。
いや、きっとそんなことはなく、受けというか責めを意図していたのでしょう。でも、金銀が前線に出きっていない状況で3図のような手が成立するものなのか。自玉周辺を先に戦場にしてどうするの、と訝しい思いでいっぱいですが、懸念は図星で先に駒損をしてはそれを回復するものの手番までは取り切れない、という状況が続きます。3図で△7五角が恐らくは好手。こんな狭いところに角を打つなど、私には思いつくはずもありませんが、先手玉が角筋に入る変化があり、佐藤棋聖は責め切れません。明白に後手優勢になります。
でも、4図からの手順もよくわかりません。普通はですよ、▲9七同銀△同馬▲9三歩成とし、△8七馬なら▲8八歩の受けを残すものと思いますが、本譜は8八でと金と銀の交換が行われ先手の金が8八に移動したために▲8八歩が利かなくなってしまいました。
この将棋、佐藤棋聖が突っ張りまくって倒れてしまったような印象です。
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PM 08:54:59 |
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[将棋(相掛かり)]
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■2005年08月03日
将棋マンガ「コマコマ」
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本日発売の週刊少年マガジンから「コマコマ」の連載が始まりました。年齢も省みず、読んでみたわけですが、天才少年ありきのスタートは長続きしないことが多いような記憶があるので、やや懸念ありも、絵柄的、キャラ的には持続力があるような気もします。
もう2つか、3つくらいひねらせて興味を持たせてほしいですね。
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PM 08:40:00 |
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[将棋]
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■2005年08月03日
ライブドア棋戦
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社長日記8月1日の記事についてはあちこちで話題になっていることでしょうが、棋戦まではいかないトライアルのようなものでしょうか。
頑張って、カネのなる木になればいいですね。 棋戦になるのであれば、全棋士参加ではなく有馬記念のようにファン人気投票、参加棋士限定でやってほしいです。
それにしても堀江氏がそれほど将棋について詳しくないことは分かりました。
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PM 08:15:28 |
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[将棋]
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■2005年08月02日
王位戦第3局1日目
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王位戦第3局が始まりました。はやくも、理解に苦しむ手が出ています。
図から▲7七角△3三角▲同角成。手得をするために習いある手筋とはいえ、桂頭が気にならないのでしょうか。▲3六歩には本譜のように△6五銀とすることで飛車の横利きを通すことが可能とはいえ、傷は傷。△3三角で△同角成として7筋を攻めるのは無筋なのでしょうか。
そして佐藤棋聖は手損、歩損をものともせず、▲4七銀と3筋攻めの初一念。相変わらずの強硬姿勢です。筋よく指したい人は、今日の両者の手順は真似をしない方がよいと思います。
<3815> |
PM 10:31:43 |
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[将棋(相掛かり)]
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■2005年08月02日
久しぶりにビザンチン:フォティオス総主教
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フォティオス(Photios、820年-897年)はビザンチンきっての知識人として、アンナ・コムネノス、プセロスと並んだ高い評価を受けている人です。が、肉声じみたものが伝わっていないせいでしょうか、正直なところ、彼の人生というのがぴんとこなかったことを白状します。ビザンチンのエントリーが2ヶ月以上も間があいてしまったのは、ひとえにこのせいです。
彼は、もともとは学者(大学教授)でしたが、時の皇帝ミカエル3世に見出され(多分、真相は副帝バルダスに見出され、ではないか)、官界に移動。さらに、コンスタンティノープル総主教が空席になったため、その後釜に据えられました。
但し、「空席」といっても前任者の死亡や、病気による辞任によってそうなったのではなく、政権に追い払われたというのが実際のところでした。前任者を支持する勢力も多かったし、フォティオス自身がこれまで聖界とは関係のない人物だったので、「何でこんな人がいきなり、総主教になるの?」という声が上がったのも無理からぬものがあります。
話しの次元は違いますが、昨今、民間人が校長先生になる事例が増えていると聞きますが、そういう方々もレベルは違っていても苦労の種が多いのではないでしょうか。
前任者はローマ教皇と連携して、反フォティオス勢力を結集。事は総主教人事から教義の問題、さらには新興ブルガリアへの布教に東西教会のどちらがイニシャティブを採るかという問題に発展してしまいます。こういう東西分裂を示唆するいさかい、というのはフォティオスが総主教になったから発生したわけではありませんが、彼自身が西の教会に対し融和的な姿勢を全く見せなかった(東帝国の名にかけても降りるわけにはいかないのかもしれないがもう少し社交的なやり方はあったのでは?)せいもあり、こじれにこじれます。ただ、彼がこういう非妥協的な姿勢をどのように表現したのか、つまり強硬に主張したのか、ぼそぼそと歯切れは悪いけれどよく聞いてみると何も譲歩していなかった、という感じなのか、すら分かっていません。ちょっと残念ですね。
彼を支持してくれていたバルダス、ミカエル3世がバジリウス1世の連続クーデターで殺されると、彼も引退に追い込まれます。バジリウスは前任者のイグナティオスを再登用しました。
では、東西教会は仲良しになったか。ならないんですね。対立のタネは「東と西は分かれるさだめ」に発するものだからです。そうなると、やっぱり、フォティオスの方が総主教としてふさわしいだろう、という声が出てきて、結局再任。今度は皇帝の子どもたちの教育まで任されます。上手くすれば、事実上の首相として活躍できそうですね。
ところが、後継皇帝のレオ6世は、父バジリウスに苛められたものだから、父が信任していた高官も追い払いたくなり、恩師も追放してしまったのです。ビザンチンなら逆クーデターが発生してもおかしくないところですが、レオはなぜか国民の人気があったので、そういうことにはなりませんでした。
こうしてみると、なんかかわいそうですね。教権として指導力を皇帝権に対し発揮することは全くできず、政権の帰趨に振り回されるのみ。これだけ登用されるのですから、余人を持ってかえがたい人であったのでしょうが、便利遣いされたような気もします。これで政治力のある人なら、自分自身の与党を増やし、聖界、官界を上手く切り回せるのでしょうが、これって言うは易く行うは難しです。会社などでも、こういう抜群の学識の持ち主は役員くらいにはなって存在感はあるでしょうが、なかなか密議には関与しない、ということがありますよね。フォティオスはそんなレベルよりもはるかに上の人物ですが、結局のところ、そんな心の動きというものもあったのではないか、などと想像しています。
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PM 10:23:33 |
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[歴史]
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■2005年08月02日
神宮外苑花火大会
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昨日行ってきました。終わった後、時間調整のため、表参道で飲酒したせいで、帰宅が遅くなったのです。
会場に着いたのは午後6時半ころだった。ちょうど叶美香が退場する直前で、ちょっと残念。(去年、彼女を間近で見て人並みに驚嘆したクチ)
しばらくして、globeのコンサートが開始。このグループのことは正直なところ、ほとんど知らないので、評価不能。一番活躍していたころ、日本にいなかったせいもあるのだろう。曲に合わせて、団扇を一生懸命振っている人が沢山いたわけですが、ちょっと不気味な感じもしました。(ファンの人ごめんなさい)
記憶違いかもしれないけれど、松田聖子がメインイベンターだったと思っていた。去年は「表のメインイベンター:Hitomi」の後にマツケンサンバ一般お披露目というビッグイベントがあったので、今年も松田聖子がとりを務めるのではないか(郷ひろみが共演する?)、という噂、憶測があったのですが、どうも今年は普通の進行だったようです。globeファンの人には本当に申し訳ないけれど、一昨年のメインは浜崎あゆみが予定されていたわけだし、イベントとしては去年、例年よりは落ちますかね。
花火はさすがでした。都市部の花火なので高さとか大きさの制限はあるものの、本当にそばであがっているので臨場感はひとしお。ただ、去年の花火は雨天で中止になった一昨年の分も放出していたので、量的にはどうだったのでしょうか。
去年は路上に座り込んでいた連中が大勢いたけれど、今年はちゃんと排除されており、帰りやすくて結構でした。
花火はもうひとつくらい観にいく予定。
<3967>
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PM 07:32:58 |
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[日記]
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