せんすぶろぐ
将棋、歴史のオタクです。他の一般の話題についても折をみて触れていくつもりです。

2005年05月11日  分かりにくい局面
 今日のお題は棋王戦予選の阪口四段〔勝〕―脇八段戦。

 先手三間飛車に対し後手が急戦を仕掛けています。普通の居飛車党にとってはやや苦しい選択ですが、脇八段はほとんど持久戦をしない人なのですね。なぜこの将棋を取り上げたかなのですが、中盤で全然、指し手の予想がつかなくなってしまったからです。いや、予想がつかないどころか、どう指すべきか方針すら立たないのですから、考えていて厳しいものがあります。

 例によって正解を白字で下に書きますので、正着を当ててください。

 第1図は▲8四歩。△同飛は▲9五角△8二飛▲6五桂がある。△同桂は▲6六歩、△同金は▲同飛△同桂▲7三金で先手優勢。

 第2図は▲5六歩。以下△5二銀▲5五歩△同金▲5四歩△6四銀▲7一角成なら優勢。但し、この手を阪口四段は指せずに局面は紛糾してしまうのですが、最後は勝ち切りました。


 なぜ思いもつかないのか自分なりに考えてみたのですが、「持久戦対振飛車ではこの将棋のようにあちこちに駒が散らばっているということがなく、局面の焦点が分かりやすくなっている。それに比べると、この将棋は急所が分かりにくい」というのが理由ではないかと思います。振飛車党の方々はこういう手は一目なのでしょうか。

 この将棋は振飛車らしいさばきが多く、今週号の週刊将棋にも取り上げられています。

 私は新人王戦以外の観戦記は全て目を通していますが、阪口四段は観戦記では初見です。ご家族の方々も一般紙に勝局が掲載されてお喜びでしょう。


<4339>


PM 09:15:18 | Comment(12) | TrackBack(0) | [将棋(三間飛車)]

2005年05月11日  Alexios III Angelos(1195-1203:最期は幽閉死)
 バジリウス2世の敵対者シリーズの最後である「ブルガリア王サムエル」にいくつもりだったけれど、かなり文章にするのが手ごわいので小休止。加えて将棋に負けたので、誰かに当たりたくなった。こういう場合は歴史上の人物なら仕返しをされないので、安全だ。ゆえに、以前も罵倒したがこやつをもう一度罵倒することにする。(すさんでいます)

 1195年、弟(日本の概説書では兄と書かれているものが多いがどっちなのだろう)のイサアキオス2世がブルガリアに負けたのを幸いと、宮廷革命をおこし、例によって眼球摘出、皇帝となる。

 イサキオスについては無能という説も聞くけれど、私見では必ずしもそんなことはなく、やれる限りの手立ては色々と尽くしていたと思う。アレクシウスがかつてイスラム側に捕虜になっていた時もイサキオスはかなりの額の身代金を払って解放にこぎつけているし、さらにアレクシウスに政権の一翼を担わせたりもしている。兄弟の情は少なくともイサキオスの方にはあったのだろう。それは人間としては当然のことかもしれないが、ローマ皇帝たるものもう少し人をみる目があって然るべきではあった。

 もう少しイサキオスについて弁護してやると、12世紀以降、ビザンチン帝室では皇帝が反対派に対してもそれが身内である限りは残虐な取扱をすることは極めて少なくなってきており、形式的な高位役職に任じるくらいがせいぜいだった。もちろん、アレクシウスがろくでなしであることをよく知っていれば、政権に関与させるなどという大失策をしなかったとは思うが、事前予防で暗殺しておくというのはかなりしにくかったようだ。幼年期よりこの二人はどういう軌跡をたどってきたのか、もとより記録もないのだが気にはなる。

 そういう兄に対するひどい忘恩行為。ただ、忘恩者の人非人でも腕っこきの政治家はこれまでも随分いたのだから、しっかり支配さえすれば全ては許されるのがローマ皇帝の定め。だが、こやつは支配者としてもくずであった。もともと帝国では帝都コンスタンティノープルが地方の栄養を吸い取って栄えているという構図があったのはお分かりでしょうが、中央政府が強力である限りは地方もまだ我慢はできた。しかし、もはや限界。キプロス、トレビゾンドが離脱。ドイツ皇帝からの強圧に負けて歴代皇帝の墓所を暴いて財宝を発掘して献金に応じようとし、見栄も何もなし。1203年の第4次十字軍に対する有効な抵抗も全く組織できずに逃亡。

 何でこれほどのできの悪い男が、宮廷革命を成功させることができたのか、8年も皇帝でいることができたのか、全く理解できない。602年に帝国はフォーカスというこれもよりにもよって他の誰でもよいだろうになんでこいつを、というしかないばか者を皇帝にしてしまっているのだけれど、600年に1回くらいはこういう大悪手を指してしまうものなのか。全員が日本脳炎にでもかかっていたとしか思えない。

 真面目な話しをすると、10世紀までの成り上がりでも実力ある者が皇帝に就けた頃なら、こやつが皇帝候補になることは万が一にもありえず、仮にその万が一があっても外敵がやってくる前に、国内で反対勢力が立ち上がって、国政を立て直していたと思うのだ。

 逃亡には成功し、娘婿のテオドロス・ラスカリス(後のニカイア帝国初代皇帝・テオドロス1世ラスカリス)のもとに身を寄せる。普通ならこのまま世を儚みながら隠棲し消えていくのが相場というものだが、アレクシウスは参らない。テオドロスから二ケーア皇帝の座を簒奪しようと陰謀を巡らせる。これは、失敗し、ようやく幽閉の身となり、くたばってくれました。いくらなんでも、変すぎる。バカすぎる。

 この毒虫のような男が自分をどう見ていたのか、知りたいものだ。それからこれほどの毒虫の陰謀を支援するような動きをした連中は何を狙っていたのか、そやつらの脳みそも解剖する必要があると思う。

 アレクシオスの一党がいなくても結局は帝国は一時的な消滅をみていたかも知れないが、その時期を大幅に加速した原因の過半はこやつらにあることは疑いない。帝国史上最悪、最低といわれるのも無理はないだろう。評点は―∞。(前回の点数を改定しました)


PM 09:04:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | [歴史]

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佐藤康光の棋界制覇、矢内理絵子の女流棋界制覇を切望するオジ将棋ファンです。とはいっても、棋士は皆さん、好きです。

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