日本シリーズ決勝の棋譜を並べました。 棋譜や解説はこちらです。
重複することを書いても仕方がないので、以下思ったままに。
新丸山ワクチンといわれる先手の指し方は私も随分と利用したものですが、どうも仕掛けの糸口が掴みにくい。丸山九段が佐藤棋聖相手に昨年初めて指した時は、銀冠→地下鉄飛車→端攻めのルートで先手指しやすいといわれたものですが、実際には駒が左翼に偏るため、後手の角打ちを常に心配しなくてはなりません。なかなか銀冠には組めない、プロ間でも千日手が出やすいとのことで最近廃れつつあるように感じます。本譜はまさにそんな感じ。余り先手のメリットがないように思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
第1図は44手目で後手が仕掛けたところです。▲同銀△同歩▲4五桂△同桂▲同歩△5四桂▲6七金直△4六角(第2図)とまさに右翼の薄さに乗じられてしまいます。ただせんすは馬を作るのが好きなので、△4六角では△3七角として、まったりと△4六角成としたいのですが、だめですかね。玉頭攻めがあるとはいっても、本譜と違い金を手持ちにしてマッサージに徹すればそれ程悪くないように感じるのですが、腐っているかな。多分、腐っていますね。先手の飛車を一段目に追って9筋移動の目を作るところは本譜と同じですが、やはり手番が大きいのでしょう。うーん、よくわからないですね。(なに書いてんでしょ、私は?) 大山名人であれば、ぼんやり馬を作って相手に手を渡すような気もしますが。。。私はただのへぼですから。
それはさておき、第2図から▲2九飛△5八銀▲9八香。この▲9八香は戦略を踏まえた一手と感じました。後手玉を攻めるには端攻めを絡めるしかない、第一号局の丸山−佐藤戦でいわれたことであり、多くのへぼアマが倣おうとしてなかなかできなかったことです。強い意思を放射していますね。
第3図の▲5三歩は洒落ています。この辺りからは小駒の攻めが効果的で後手は粘れなくなりました。
3回勝てば優勝できる早指し棋戦とはいえ、とにかく優勝。今年上期は棋聖戦防衛以外はいまいちだった佐藤棋聖ですが、そろそろ上潮ムードのような感じです。
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PM 08:27:48 |
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[将棋(中飛車)]
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