昨日はB1、B2とC2の一部が一気に行われました。全部、丁寧に見たいのですが、ちょっと無理。さっとみて、特に気になる2局を取り上げます。
第1図B2畠山鎮−加藤。加藤一二三が後手番矢倉の定番となっている矢倉中飛車で仕掛けたところです。自家製のDBで検索してみると、加藤後手番の時、初手▲7六歩に対し2手目は90%以上が△8四歩です。従って、先手番が矢倉をする気なら確実に矢倉になり、そのほとんどが後手右四間か矢倉中飛車になります。このところ、普通の後手矢倉はありませんので、対策を決め打ちするのは難しくないはずなのですが、第1図は先手の意思がよく分からない局面になっています。
1998年の佐藤−谷川の名人戦第6局で、先手佐藤が6九玉型〜▲5六歩保留〜▲4六銀の形から攻めまくった1局の印象がせんすには当然強く、実際、後手の攻勢に耐久力もあると思えるのですが、畠山は▲5六歩と屈服。なんか悔しい。第1図から8八で角交換、同玉〜△4四角(痛烈)を喰らっては、とても勝てる気がしません。
第2図。脇−野月。一手前の局面は佐藤−丸山(2000年の竜王戦1組)と同一局面で、この時はこの後早々に佐藤の勝ち。そのまま東大将棋横歩取り道場4のP.47にも採用。先手指しよし、とされていた局面。第2図の△5二玉により4筋を強化したわけですか。こういう風に待たれてみると、駒得とはいえ、歩切れの先手、一体どうしましょう。脇は▲2七金としたのですが、すみません、とてもいい手には思えません。なんかまったりと▲8二角とか後手に動いてもらう方針ではダメなのでしょうか。本譜は△4四銀(!)▲3六飛△3五銀(!)という勝負手が出て、野月の快勝になったように見受けました。
野月も渡辺と並んで後手中座飛車の新手が多いですね。中座飛車開祖のひとりとして、今後も期待しています。 |
PM 10:44:59 |
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[将棋(矢倉)]
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