A級順位戦は佐藤が余りにも苦しすぎてみるに忍びず。竜王戦が2局とも熱戦で勉強になる内容だったので、感想を書いておきます。好きな戦形なので、ちょっとはまともだったらいいのですが。
まず、羽生が敗退した方の一局から。やはり森下のツキがたまっていたというか、それにしても終始前進しつつも、周到な指し回しというか、せんすは感服しました。
まず第1図なのですが、ここで羽生は△8五桂と跳ねました。ここまでは先例がとても多いのですが、せんすはここでは△2三歩としておけば後手がいいのではないかと思っています。(参考事例:前期棋聖戦予選の佐藤秀−三浦) ここを固めておけば、後手はいくらでも7筋から攻めができるし、▲3三角成に△同銀と取ることもできます。観戦記で、この辺の機微に触れてくれるといいですね。
第2図。後手の7筋方面の攻撃がただの桂交換に終わり、なんとなく成果が上がっていない場面での△3五歩。▲同歩△3六歩で手にはなるでしょうが、余りにもぬるすぎる? この瞬間なんでもないので、▲4二歩△5二玉▲7三歩△同銀▲7四歩とポイントを稼がれてしまいました。最後の▲7四歩に△同銀なら▲7六銀で後手は飛車の進退に困るという仕掛けなのでしょうか。これで挟撃の態勢が曲がりなりにもできました。
さらに第3図の▲5五銀が格言通りの一手とはいえ見事。緩みなく収束し、快勝。久しぶりの挑戦者決定戦進出です。
羽生には何とも残念な結果ですが、森下がここまでの指し回しではやむを得ないでしょう。
|
PM 11:15:13 |
Comment(0) |
TrackBack(0) |
[将棋(横歩取り)]
|