本谷有希子の本も、これで二作品目。 一作品は「生きているだけで、愛」で、メンヘルな少女のお話であった。 今回の作品も、それにちかい姉妹が登場する。 さらに兄夫婦と登場する人物の個性の濃さに驚きを突きつけられた。 意識過剰な姉(女優志望)、陰湿な残酷を持ち合わせた強かな妹、登場人物の中ではまともな方だが姉妹に翻弄されてしまう兄、そして不幸な過去体験からの一種の悟りからなのかお人よしすぎる兄嫁。 こんなにどろどろとした家族関係のなかで、精神錯乱を引き起こさない妹に一番魅力を感じた。

 これが本谷の独特な世界なのだろうか。 自意識に絡め取られた妄想過多な人間を描くのが。 でも読後はかなり鬱状態に落ちいってしまいます。 機会があれば、劇場版を観たいなと思いました。